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日本海夕陽ライン

    「いつもと違うルートで帰らないか」
     彼女に提案した。彼女が師事する先生の稽古のため、郡山市から酒田市に送迎するようになり1年が経とうとしていたが、これまでは早朝に出発し、往復とも最短となる東北自動車道 仙台~蔵王で日帰りルートだった。
    「新潟経由だと海が綺麗に見えるらしいよ」
    「美味しいもの、食べられると嬉しいな」
    笑顔で車に乗り込む姿に、ルートを固めた。

     新潟県で休憩がてら砂浜に降りた。
     真っ赤な夕陽は、ダイヤモンドのように輝き周囲を染めていたが、11月の風は冷たく、自然と袖摺れになり水際まで歩く。
    「今日はこのまま帰しますが、来年からは一緒に暮らしたいです。お願いします」
    コートのポケットから、リングが入る小箱を取り出し、彼女に捧げた。
    「来年のいつまで待つの」
    「7月、君の誕生日には、家族として夕陽を見たい」
    「家族ならお泊りでもいいね」

     11年経った今年は、4人袖摺れで夕陽を観ている。


     
     
    noteは日常中心、TALESは創作小説を投稿していています。 創作大賞2025「黒田製作所物語」中間選考通過。第29回自費出版文化賞 小説部門「スプラウト」入選。 人間讃歌の物語に挑戦しています。

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