
【大学受験】MARCHの合格率が3倍変わる「全学部日程」と「学部個別試験」との決定的な違いと選び方
MARCHの一般選抜には、「全学部日程(全学部統一入試)」と「学部個別試験(個別学部日程)」という2つの方式があります。
名前は聞いたことがあっても、この2つがどう違い、どちらを選べば合格の可能性が上がるのか、正確に説明できる保護者は意外と多くありません。
出願直前になって慌てて調べ始め、結局「両方受けておけば安心だろう」となんとなく決めてしまう家庭も少なくないのではないでしょうか。
実は、この2つの方式は倍率も出題傾向も配点も違い、子どもの得意科目や性格によって「合う・合わない」がはっきり分かれます。
この記事では、全学部日程と学部個別試験の根本的な違いから、合格率を高めるための併願スケジュールの組み方まで、順を追って整理していきます。
受験生の保護者を悩ませる「全学部日程」と「学部個別試験」の根本的違い
全学部日程とは、1回の試験で複数の学部に併願できる方式です。
試験問題は大学内で共通となっており、あらかじめ志望学部を出願しておけば、得点の高い順に希望学部から合否が決まっていきます。
第一希望の学部には届かなくても、点数によっては別の学部に合格することがある、という仕組みです。
一方、学部個別試験は、学部ごとに問題も日程も異なる方式です。
1つの学部を受けるには1回の試験を受ける必要があり、複数学部を併願するなら、その分だけ受験回数も増えます。
その代わり、各学部の出題傾向に合わせてじっくり対策を積んだ受験生が集まりやすく、問題も学部の特色を反映した内容になりやすい方式です。
明治大学の「全学部統一試験」と「学部別入学試験」、青山学院大学の「全学部日程」と「個別学部日程」など、呼び方は大学によって少しずつ異なりますが、基本的な仕組みはどのMARCH各校でも共通しています。
まずはこの根本的な違いを親子で共有しておくことが、併願戦略を立てる第一歩になります。
倍率と合格最低点のカラクリ!どちらの方式が本当に合格しやすいのか
結論から言うと、一般的には学部個別試験のほうが合格しやすい傾向にあります。
理由は単純で、個別試験のほうが募集人数が多く、かつ「本当にその学部に行きたい」という受験生に志願者が絞られるため、倍率が下がりやすいからです。
反対に全学部日程は、1回の受験で複数学部に出願できる手軽さから志願者が集中しやすく、募集人数も個別試験に比べて少なめに設定されている大学が多いため、倍率が高くなりがちです。
人気学部であればあるほど、その傾向は顕著になります。
ただし、ここで注意したいのは「全学部日程は個別試験より必ず不利」というわけではない、という点です。
全学部日程で複数学部に出願しておけば、第一志望に届かなくても別の学部で合格をつかめる可能性があります。
1つの学部だけを個別試験で受けるより、全学部日程で3学部・4学部と併願したほうが、大学全体としての合格可能性はむしろ高くなるケースもあるのです。
つまり「どちらが受かりやすいか」は、1回の試験あたりで比較するか、大学全体としての合格チャンスで比較するかによって、答えが変わってきます。
さらに出題形式にも違いがあります。全学部日程はマークシート形式が中心の大学が多く、学部個別試験では記述問題が含まれることもあります。記述式に強い子どもなのか、マーク式で着実に得点を積み上げるタイプなのかによっても、有利不利は変わってきます。
子どもの得意科目に合わせた併願スケジュール設計の3つの鉄則
併願スケジュールを組むときに意識しておきたいポイントは、大きく3つあります。
①配点の違いを確認する
同じ大学・同じ学部でも、全学部日程と学部個別試験では科目ごとの配点比率が異なることがあります。
国語の配点が高い方式、英語の比重が大きい方式など、子どもの得意科目が最大限に活きる配点の日程を優先的に選ぶことが、得点効率を上げる近道になります。
②出題傾向の相性を見極める
過去問を実際に解かせてみると、同じ大学でも「全学部日程のほうが問題文が読みやすい」「学部個別のほうが独特のクセがあって対策しやすい」など、子どもによって明確な向き不向きが出てきます。
判定だけで方式を選ばず、実際に過去問を解いた手応えを重視することをおすすめします。
③全学部日程を練習の場としても活用
全学部日程は多くの大学で個別試験より先に実施されるため、本命の学部個別試験の前に、本番の緊張感や会場の雰囲気に慣れておく機会として位置づけることができます。
合格できればそれ自体が大きな自信になりますし、たとえ結果が振るわなくても、その後の対策に活かせる材料が得られます。
日程の重複や体力的負担をクリアするための現実的な試験対策プラン
MARCHの入試は例年2月上旬から中旬にかけて集中しており、大学をまたいだ日程の重なりが起きやすい時期でもあります。
理系学部は試験時間が長めに設定されることも多く、連日の受験が続くと、後半になるほど集中力や体力が落ちてくる受験生も珍しくありません。
現実的な対策としては、まず出願を検討している大学・学部の日程を一覧にして、ピークとなる日をあらかじめ把握しておくことです。
同じ大学の中でも全学部日程・個別日程・特定方式をうまく組み合わせることで、移動時間や休息時間を確保しながら受験機会を増やすことができます。
また、試験が連続する期間は、あえて負担の軽い日程を間に挟んで体力を温存する、という考え方も有効です。
すべての日程に全力で臨もうとすると、本命の試験で息切れしてしまうことがあります。「どの試験を本気モードで受けるか」「どの試験は経験値を積む位置づけにするか」を事前に整理しておくと、当日の消耗を抑えやすくなります。
模試の判定が伸び悩む中でも合格率を最大化させるための親のサポート術
模試の判定がなかなか上がらないと、保護者としてもどうしても不安になり、つい「もっと勉強しなさい」と声をかけたくなるものです。
しかし、全学部日程と学部個別試験の仕組みを理解していれば、判定だけに頼らない戦略を取ることができます。
たとえば、志望学部を全学部日程で複数出願しておけば、模試の偏差値が届いていない学部であっても、得点力次第で合格をつかめる可能性が残ります。
判定という一つの指標に一喜一憂するより、「どの方式なら、この子の得意科目が一番活きるか」という視点で併願先を組み立てるほうが、結果的に合格率を底上げすることにつながります。
また、保護者としてできる大きなサポートの一つは、出願スケジュールと当日の動線を親が一緒に整理してあげることです。
子どもは目の前の科目対策だけで手一杯になりがちなので、日程の重複や会場までの移動時間といった実務面を親がフォローするだけでも、本人が学習に集中できる環境が整います。
模試の判定はあくまで一つの目安に過ぎません。
全学部日程と学部個別試験、それぞれの特性を理解したうえで併願戦略を組み立てることこそが、最終的な合格率を左右する、もっとも現実的で有効な一手だと言えるでしょう。