
「DQ64」と言われた日の私に、教えてあげたい。発達検査の数字と、うちの息子の今。
【長男のこと】
長男は5歳1ヶ月のとき、新版K式発達検査を受け、DQ64という数値が出ました。
その後、広汎性発達障害
(今の自閉スペクトラム症)と診断されました。
当時の長男の状況を見ると、とても遅い診断と言われました。
当時の長男は殆ど話そうとせず、
衣類を身につけない時期があり(2歳)クルクルまわり、
きな粉餅を出すときな粉を全身に擦りつけて遊ぶ(2歳)ような子でした。
私はDQ64という数字が、何を意味するのか、よくわかりませんでした。
ただ、担当の女性医師が、少し深刻そうな顔をして、
「軽度では無いかも知れない。おそらく、中程度の障害と思われます。」
と言ったのは今でも覚えています。
報告書にはDQ64は「軽度発達遅滞域」と書かれていました。数値の区分と、
医師が実際の様子を見て受けた印象は
別のものだと、後で知りました。
長男は、それまで、一度も療育を受けた事がありませんでした。
対応が遅くて、中程度の障害と言われ、もう成長が見込めないかもと、
目の前が真っ暗になりました。
そして、その時感じたように、成長があまり出来なかったのかというと…
そうではありませんでした。
長男は24歳になった今、障害者雇用で冷凍食品の倉庫でフルタイムで働いています。他の従業員と同じ仕事をして、
単発バイトに作業内容を説明する事も
しています。
あのとき私が知りたかったのは、
「この数字は将来にどう影響するのか」ということでした。
私は専門家ではないので、自分の考えは書きません。
論文の要旨や、公開されている資料をもとに、分かっていることをまとめました。
【無料部分目次】
⚪︎はじめに
⚪︎新版K式とDQって、何だろう
⚪︎発達検査とは
主な発達検査
⚪︎知能検査とは
主な知能検査
⚪︎発達検査と知能検査の違い
⚪︎結果を受け取ったら
⚪︎結論を先に
⚪︎有料部分を読む前の注意
―――――
【有料部分】
【新版K式とDQって、何だろう】
新版K式発達検査は、子どもが検査者と1対1で、積木や絵カードを使った課題に取り組む検査です。「姿勢・運動」「認知・適応」「言語・社会」の3領域で、発達の様子を見ます。
結果は、発達年齢と、DQ(発達指数)で出ます。DQは、
発達年齢 ÷ 実際の年齢 × 100
で、100前後が平均です。
ここで、1つ大事なことがあります。
DQとIQは、同じ数字ではありません。
このあと紹介する研究は、主にIQ(知能検査)を使っています。K式のDQを、そのまま当てはめることはできません。
【発達検査とは】
発達検査は、子どもの発達がどのくらい進んでいるか、どんな得意・不得意があるかを調べる検査です。
運動、認知、言語、社会性など、
発達全体を見るのが特徴です。
⚫︎主な発達検査
新版K式発達検査
上記で説明しているとおりです。
遠城寺式乳幼児分析的発達検査
乳幼児を対象に、移動運動、手の運動、基本的習慣、対人関係、発語、言語理解の6つの領域を調べます。
津守・稲毛式乳幼児精神発達診断法
日常生活、対人関係、言語など、乳幼児の発達の様子を把握します。
KIDS乳幼児発達スケール
運動、言語、社会性、生活習慣など、0歳1か月から6歳11か月の子どもの発達を幅広く評価します。
これらの検査は、子どもの発達の状態を知り、必要な支援につなげるために、使われます。
【知能検査とは】
知能検査は、子どもの知的な能力と、その子の能力の特徴(得意・不得意)を調べる検査です。
⚫︎主な知能検査
田中ビネー知能検査
2歳から大人まで使える検査です。年齢に応じた課題を通して、知的な発達の
水準を調べます。結果は精神年齢や
知能指数(IQ)で示されます。
WPPSI(ウィプシ)
主に幼児を対象とした検査です。言葉を理解する力や、見たものを把握して考える力などを調べます。
WISC(ウィスク)
5歳0か月から16歳11か月の児童を
対象にした検査です。
全体的な知的能力に加えて、
言語理解、ワーキングメモリー
(情報を一時的に覚えながら作業する 力)、処理速度など、複数の側面から、能力の特徴を調べます。
評価の指標は、版によって異なります。
KABC(ケイエービーシー)
認知処理(情報を理解して処理する力)と、習得度(身につけた知識・技能)を
調べます。学習面での得意・不得意を知り、支援に役立てるためにも、使われます。
【発達検査と知能検査の違い】
発達検査
運動、認知、言語、社会性など、発達全体を知ることが、主な目的です。
知能検査
言語理解や推理、記憶など、知的な能力の特徴を知ることが、主な目的です。
ただし、2つには、重なる部分もあります。検査によって、調べる内容も、結果の示し方も、異なります。
また、
発達検査で示される発達指数(DQ)と、
知能検査で示される知能指数(IQ)は、
同じ意味の数字ではありません。数字だけを見て、比べたり、同じものとして考えたりしないほうがよい、といわれています。
【結果を受け取ったら】
• 検査の結果は、その時点の、発達や能力の特徴を知るためのものです。日常生活でできることの、すべてを決めるものではありません。
• 数字の意味が分からないときは、検査をした心理士や医師に、遠慮なく、質問してください。
• どの検査を受けるかは、年齢や目的によって、異なります。
※検査の対象年齢や、結果の示し方は、版によって変わることがあります。詳しくは、検査を受ける機関に、ご確認ください。
【結論を先に】
調べて分かったことは、次の2つです。
1. 自閉症のある人を成人期まで追った研究では、幼少期の知能や言語が、
成人期の様子と関係する傾向が示されている。
2. ただし、それは集団の傾向。
個人の将来は、ばらつきが大きく、
数字だけでは決まらない。
「数字は関係ない」とも、「数字で決まる」とも、研究は言っていません。
【有料部分を読む前の注意】
• 対象は、自閉症のある人です。一般
の子どもの話ではありません。
• 古い世代の追跡が多く、今の支援環
境とは、違うかもしれません。
• 支援や環境の違いが、どう影響する
かは、ここでは扱っていません。
• 参考文献は5件で、有料部分に載せ
ています。
※私が調べられたのは、数ある研究のごく一部です。「こういう研究があるんだな」と、参考のひとつとして読んでください。この記事は、お子さん一人ひとりの将来を予測するものではありません。
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次回は、当時受けた「新版K式発達検査」の心理検査報告書を、資料編として公開する予定です。お名前、病院名、日付などは伏せています。検査の課題や、検査中の様子は、報告書の文面そのままではなく、内容が伝わるように言い換えてご紹介します。
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