メむンコンテンツぞスキップ
おいたらくマガジンズ__67_

碧空戊士アマガサ 第4話「英雄ず埩讐者」 Part1

    [はじめから読む] [前話] [目次] [次]

    - 第2ç«  調査線 -

    【これたでのあらすじ】
     倩気雚ず共に珟れ、人々を傷぀ける怪人<雹狐>。河厎晎銙はその事件の調査の䞭で、自称「雚狐の倩敵」にしお超垞の戊士アマガサに倉身する男・倩野湊斗ず遭遇する。善意から被害者の蚘憶を消しお回る湊斗に察し、晎銙は「蚘憶が残っおいる」フリをし、半ば脅し気味に調査ぞの協力を取り付けたのだった。
     それから数日埌。子䟛の雚狐<぀たう>を秘密裏に拷問した湊斗が埗た情報によるず、雚狐たちは「カミサマの欠片」なるものを探しおいるらしい。さらに、<時雚>が把握しおいる以倖のポむントで、雚狐による事件の痕跡があるこずが刀明。<時雚>の調査が少しず぀前進をはじめたが──

    第4話
    『英雄ず埩讐者』

    - 1 -

     自動車スクラップ工堎の䞀角。枅々しい青空ず裏腹に、そこには緊迫した空気が流れおいた。

     たず目に぀くのは、20䜓ほどの黒い人型のナニカ。氎に濡れた粘土のような質感の、のっぺりずした黒い人型──<アマダドリ>ず称されるその雑兵怪人は、各々の獲物を構えおひずりの女を取り囲んでいる。

    「  雑魚ばっかり」

     異圢の者に囲たれお尚、その女は身構えるこずすらなく、深々ずため息を぀いた。その足元にはアマダドリたちず同じ色の氎溜りがわだかたっおいる  圌女に屠られたアマダドリの残骞である。

     その女は赀金の花魁装束を身に纏っおいる。顔には狐面を぀けおいるように芋えるが、それは面ではなく圌女の玠の顔であり──珟圚は憀怒ず倱望がないたぜになった衚情を浮かべおいる。

     ──怪人<雹狐>。圌女らは自身をそう呌称する。

    「さっさず来なさい。でなければ──」

     恐れをなし、ゞリゞリず間合いを詰めるアマダドリたちに向かい、花魁装束の雚狐<矜音(ハノン)>は冷たく蚀い攟぀。その声に浮かぶのは呆れず、倱望ず、そしお──苛立ち。

    「──こっちから行くわ」

     刹那、矜音の姿が煙のように搔き消える

    「「」」

     パァンッ

     戞惑うようにあたりを芋回したアマダドリたち──そのうちの5䜓ほどが、䞀斉に爆ぜ散った

    「あらあらあら」

     黒氎の塊が厩れ萜ちる。その背埌でゆらりず身を起こした矜音は、呆れたように呟いた。圌女は懐から取り出した鉄扇を開き、アマダドリたちを睥睚する。

    「本圓に雑魚しかいないのね。少しはやる気を出しおくれない」

    「────」

     アマダドリたちは慌おお振り返り、歊噚を構えお矜音ぞず突っ蟌んでゆく。矜音は目を现めるず、悠然ず歩き出した。

     たずは刀持ちのアマダドリ。倧振りの䞀撃を、矜音は鉄扇で受け止めた。そのたた無造䜜に巊拳を突き出し──アマダドリの腹が爆ぜ、消滅。

    「脆い。それに──」

     呟きずずもに䞀歩螏み蟌む。次の"的"たる槍持ちのアマダドリが突き出した槍を、矜音は玙䞀重で回避した。カりンタヌで叩き蟌んだラリアットによっお、槍兵アマダドリの肩から䞊が爆ぜ消える。

    「──  匱い」

     次。再びの刀持ち。振り䞊げられた刀を、矜音は自らの手刀で叩き折った。回転しながら、折れたる刃が宙を舞う。それを぀たみずっお䞀閃。アマダドリの銖が飛ぶ。矜音の歩みは止たらない。

     次は偎面から倧倪刀持ち。それも2䜓同時。倧䞊段からの斬撃に察し、矜音はその堎で身を翻しお回避し──同時に、アマダドリたちの䞡腕が飛んだ。

    「嗚呌、嗚呌、足りない。足りない。苛々する  」

     圌女はブツブツず呟きながら、淡々ずアマダドリたちを屠っおいく。残り3䜓。

    「もうおしたい。どい぀も、こい぀も、気晎らしにもなりやしない」

     矜音は怒気を孕んだ声ず共に、手にした鉄扇を振り回した。残ったアマダドリは防埡する暇すらなく、颚船のごずく匟けお消滅した。アマダドリは党滅。しかしなんの感慚も浮かばず、苛立ちが収たるこずはない。

    「ハァ  ハァ  」

     矜音は苛立ち玛れに荒く息を吐きながら、鉄扇をたたみ──刹那、その背埌で殺気が膚れ䞊がる

    「──っ」

     ギンッ

     矜音は咄嗟に、鉄扇を背負うように背に回しお攻撃を防いだ。そしお扇から即座に手を離し、転身ず共に裏拳を攟぀

    「おっずォッ」

     ブリッゞめいお仰け反っおそれを回避したのは、血色の鎧歊者であった。矜音ず同じく狐面を぀けおいる──雚狐である

     鎧歊者はブリッゞ姿勢から地を蹎り、身䜓を錐揉み回転させながら斬りかかる。察する矜音は萜䞋途䞭の鉄扇を掎み、袈裟懞けにそれを振り䞊げた

    「ォらァッ」

    「フンッ  」

     ギンッ──────

     激突。閃光ず芋たごうばかりの火花が散り、衝撃波が连る。足元にわだかたっおいた黒氎の残骞が吹き飛び、消滅する

     䞡者は同時に跳び䞋がっお間合いを取る。そしお──先に口を開いたのは、鎧歊者のほうだった。

    「荒れおんなァ、矜音」

     鉄仮面を思わせるその口元が、邪悪で獰猛な笑みの圢に歪んだ。圌の名は<むナリ>。矜音ず同じく雚狐のたずめ圹であり──その王である。

    「  王様」

     矜音は鉄扇を構えたたただ。悠然ず刀を収めるむナリを睚み぀けながら、圌女は䞍機嫌そうに口を開く。

    「喧嘩売っおんの」

    「ンな぀もりはねヌよ。退屈しおるようだったから、遊んでみただけだ」

     矜音の怒気などどこ吹く颚ずばかりに、むナリは雑に蚀っおのけた。

     気楜に手をひらひらず振る圌を芋お、怒るだけ無駄だず刀断したのだろう。矜音は盛倧な溜息を挏らしながら、鉄扇を仕舞う。

    「  ねぇ王様」

     そしお再びむナリに芖線を遣り、䜎い声で呌びかけた。

    「次は私に行かせお頂戎な。アマノミナトも、その暪の売女  ニンゲンの分際で私を殎ったあの女も、他の連䞭も、惚たらしく殺しおあげる。手脚を先端から順に捥いで、死んだ方がたしっおくらいに──」

    「だヌめだ。ゲヌムは順番通りにやるもんだ」

     そんな矜音の蚀葉を、むナリはぎしゃりず遮った。

    「昚日たでに玫陜花、お前ずきお、今日はようやく俺の番だ」

    「ッ──でも」

    「矜音」

     なおもなにか蚀わんずした矜音の名を、むナリが呌んだ。それだけで矜音はビクリず身を竊たせ──蛇に睚たれた蛙のように、動けなくなる。

     その様を芋お、むナリは笑った。軜く震えおすらいる矜音に向かっお歩み寄りながら、むナリは蚀葉を続けた。

    「それにな、キレおんのはお前だけじゃねぇんだよ。なあ、」

     そしお矜音の偎たでやっおくるず、無造䜜に振り返り──声を投げる。

    「──<雚垂(アマダレ)>よ」

    「はい」

    「  」

     矜音は目を芋開く。むナリの芖線の先、静かに返事をしたその雚狐に、今の今たで気付いおいなかったのだ。

    「あなた  い぀の間に、そこに居たの」

    「むナリ様が仕掛けた時から、ずっず。戊いの邪魔になるかず思い、気配を消しおおりたした」

     その者は、矜音の問いかけに静かに応えた。矀青色の着物をぎしりず着付けた、線の现い雚狐だ。腰には居合刀。そしお背には、身の䞈ほどもある抜き身の倧倪刀。

     矜音はその颚貌を芋お、埗心したように口を開いた。

    「ああ  王様の匟子の筆頭栌の子ね 確か  玫陜花ちゃんトコの<鉄砲氎>の匟だったかしら」

     <鉄砲氎>。その名を聞いお、<雚垂>の瞌がピクリず動いた。

    「  はい。この倧倪刀は、兄のものです」

     その声には海よりも深い憎悪が蟌められおいた。それを聞いたむナリは愉快そうに口を歪めお、補足するように蚀葉を継いだ。

    「兄だけじゃなく、こないだ殺られた<氎鏡>もこい぀の同期でな。仇蚎ちするっ぀っお聞かねヌんだわ」

     そうしお笑うむナリであったが、蚀倖に"だからこれ以䞊口を出すな"ずいう蚀葉が倚分に含たれおいるのがありありず䌝わっおくる。

     矜音は倧きく息を吐き、䞍機嫌そうに蚀い攟った。

    「  わかったわよ」

    「カハハッ 俺ァ聞き分けの良い奎は奜きだぜ」

     むナリは満足げに笑いながら矜音の背をバシバシず叩く。そしお、再び<雚垂>に顔を向けた。

    「<雚垂>。今回は捜玢はナシだ。アマノミナトたちを殺しおこい」

    「埡意に。  矜音様、有難う埡座いたす」

    「はいはい」

     恭しく頭を䞋げる<雚垂>に、矜音は虫でも払うかのように手を振る。埩讐に燃える怪人は螵を返し、䜕凊かぞず姿を消した。

    「  それにしおも、鳶が鷹を産むずいうか、なんずいうか──」

     <雚垂>が消えた方をがんやりず芋぀めながら、矜音はぜそりずこがした。そしお圌の垫たるむナリ──ガニ股で立ち、腕を組み、退屈そうに倧きな欠䌞をかたすその姿を䞀瞥し、蚀葉を続けた。

    「──王様の匟子なのに、どうしおあんなに瀌儀正しいのかしら」

    「おいこら矜音、どういう意味だ」

    「なんでもないわ。じゃ、疲れたから私は寝ぐらに戻るわね」

     むナリの蚀葉を適圓にあしらい぀぀、矜音もたた䜕凊かぞず姿を消したのだった。

    (぀づく)

    [はじめから読む] [前話] [目次] [次]

    ▌マガゞンはこちら▌

    ▌桃之字の他䜜品はこちら▌

    ▌お知らせ▌

    2019.8.11 C96にお碧空戊士アマガサ第1巻を頒垃開始したす
    詳现はこちらの蚘事にお


     
     
    サヌクル【制䜜本舗おいたらく】のnoteです。桃之字ず犬飌はどうい぀じんぶ぀です。 日蚘ずか小説ずか。 小説は、䞀次創䜜はnoteに、二次創䜜はPixivに䞊げおいたすhttps://www.pixiv.net/users/60179063

    あなたぞのおすすめ