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Photo bynarukuni

こぶし調理ご飯(毎ショ)


    この世に包丁を捨てた料理人がいる。
    その名も、拳田 竜(こぶしだ りゅう)
    「拳の料理人」と言われている。

    彼の料理場には、刃物も火も存在しない。あるのは鋼のように鍛え上げられた拳だけ。

    キャベツを刻む?
    → 連打。 5秒後、完璧な千切り。

    大根をすりおろす?
    → 拳の摩擦。 手のひらと拳の回転で、ふわふわに。

    目玉焼き?
    → 床に卵を落とす→拳で衝撃を与える→その熱で白身が焼ける。
    理由は分からないが焼ける。
    これが「気合い加熱」
    波動拳とも言われる。

    彼がレストランで働いていたある日、ひとりの客が言った。

    「ステーキをレアで頼む。でもナイフとフォークは使わない主義なんだ。」

    拳田は静かにうなずいた。
    厨房に戻り、拳で肉を叩き、叩き、叩き続ける。
    肉は摩擦で絶妙な火加減に焼かれ、外は香ばしく、中はレア。
    しかも、繊維がほぐれすぎてナイフ要らず。
    降竜拳と呼ばれる。
    「柔らかすぎて泣ける!」と、
    客は涙した。

    今夜も拳田は、誰にも真似できない拳さばきで料理を作る。

    「火力も包丁も、必要ない。料理は、魂と拳だ。」



     
     

    てみ

     
     
    書くことが好きです。映画感想文、読書感想文、短歌、小説、体験談、エッセイなど書いています。宮沢賢治、新美南吉の童話好きです。柳田國男の「遠野物語」は大好きです。初noteは、20240222です。

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