すすきの穂が揺れる初冬、
なつかしい思いを胸に、彼と別れた場所に来てしまった。
去年も、こんなふうにすすきが揺れていた。
また今年も来たのは、彼への思いが残っているからだ。
「まだ忘れられない」
「でも、もう断ち切りたい」
彼女は、すすきの穂に揺られる自分に、強く言い聞かせた。
前に進みなさい。
後ろを振り返るのはもうやめなさい。
新しい一歩をここから踏み出すの。
自分のために。
だから、此処に来たんでしょ。
目を閉じた。
すすきの穂が鳴いている。
「がんばれ」と云ってくれているように、すすきは鳴いている。
私はこの場所を忘れない。
決意を込めて、歩きだす。

#虹色創作部