町はずれの寺子屋の先生は、とても優しいのですが、とにかく声が小さすぎます。
「今日は、算術の……」
生徒たちは前のめり。まったく聞こえません。
そこで、元気者のリクが言います。
「先生、もっと大きく! うっせえわ、って言われるくらいでいいよ!」
先生は静かにうなずくと――。
「きょうは算術の時間です!!!」
寺子屋が震えるほどの大声が響き、スズメまで飛び立ちました。
「せ、先生! ほんとに“うっせえわ”だよ!」
先生はにっこり。
「あなたのリクエストですから」
帰り道、耳はキーンとしましたが、リクはちょっと笑っていました。
大声の寺子屋も、悪くないのです。
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