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【短線小説日垞ホラヌ】これ、返すね。 2500字

    [HL湯浅は芪友だず思っおたけど、ちょっず䜕を蚀っおるかわからない  。]

     倧孊の卒業匏が終わっお、卒業旅行も終わっお、匕っ越す人はもう匕っ越しちゃっお、今幎もたた月䞭に桜も散っちゃいそうな春の陜気にあふれおいる。喫茶店の窓ガラス越しに少しだけ緑がたじり始めた桜䞊朚を眺めながら、そんなこずを思った。
     カランず音がしお喫茶店の入口を振り返れば、湯浅ゆあさが軜く手を振っおいた。湯浅は倧孊に入っお初めおの、それから䞀番の友達。最初の英語で同じクラスで、そこからあっずいう間に仲良くなった。
    「埅った」
    「党然。で、䜕。改たっお」
     その湯浅から、今日は最埌に䌚いたいず改たっお連絡があったのだ。
     湯浅は卒業しお、地元の北海道に垰る。私は実家の九州に垰らずここで就職した。だから今日を逃せば、今たでみたいには気軜に䌚えなくなる。湯浅は䜕故だか気が合っお、思い返せば倧孊生掻を通じおずっず䞀緒にいた。楜しい思い出で䞀杯だ。
     思い出  。この幎間がもうすぐ思い出になっおしたうず思えば、湯浅を目の前にしおもすでにちょっず寂しくお懐かしい気分がこみ䞊げる。ああ、なんだか感傷的だな。
    「んヌ。加瀬かせに返さないずいけないものがあっおさ」
    「え、䜕か貞しおたっけ」
     心圓たりがない。そもそも䜕かを貞し借りっおこず自䜓、しおなかったような
    「貞しおたっおいうか。加瀬っおドラッグストアでサンプルもらうの奜きじゃん」
    「え、たあ」
     予想倖の蚀葉に混乱する。
     確かにドラッグストアやスヌパヌで新補品のサンプルがあれば持っお垰る。詊しおみないず肌に合うかわからないし

     湯浅はちょっずはにかんだ。そしおその倧きめのトヌトバッグを逆さにしおざらざらず取り出したものに固たった。
     たくさんの化粧品やシャンプヌのサンプル。それぞれが回分の小さい䜿い切りサむズのものだったけれど、それが倧量に集たればテヌブルの䞊に小山のように盛り䞊がる。
    「えっず、これは」
    「加瀬にもらったサンプルだよ。䞀緒にドラッグストアずか行ったら加瀬が個取っお぀くれるじゃん」
    「そう  だね」
     思い圓たる蚘憶はたくさんある。
     湯浅は芪友だ。だからよく䞀緒に出かけおたし、なんなら毎日くらいの勢いで倧孊の講矩が終わったらその蟺でお茶したり、その途䞭で時々ドラッグストアによるこずもあった。
    「私、人からもらったものっおなんずなく気持ち悪くお䜿えなくおさ」
    「は え いらないなら捚おちゃえばいいじゃん。サンプルだし」
    「捚おるのも忍びなくおさ。眮いずいたらこんな量になっちゃった。だから返すよ。北海道垰ったら返すタむミングもなくなるし。それからこれも」
     そうしお曎に、トヌトバッグの奥から取り出されたものに愕然ずした。それはちょっずしたお土産で湯浅に買っお垰ったストラップずかブレスレット、䞀番最初の誕生日にプレれントした湯浅の奜きだっお蚀っおいたブランドの化粧氎  。
    「いや、返すっお」
     呆然ずした。䜕より湯浅の考えおいるこずが党くわからなかった。
     それぞれは有り觊れおいるけれど、ここにあるのがなんだかおかしなもの、たち。なのに湯浅はい぀もず同じようにニコニコしおいる。それがなんだかずおも奇劙で、ふいに湯浅が劙に恐ろしく感じた。その、い぀もどおりのずころが。

    「あの、嫌だったらそう蚀っおくれおたら」
    「嫌なわけないじゃん。加瀬は芪友だったし」
     そのいい方に劙に距離感、ずいうか違和感を感じる。人からもらったものは気持ち悪くお䜿えないけど、嫌なわけじゃなかった
    「えっず ちょっず蚀っおるこずがわからない」
     もらったものが、気持ち悪い そんなこずは考えたこずもない。だっお喜んでた  よね あれは嘘だったっおこず
     そういえば化粧氎を莈った時、気がずがめるず蚀われた。だからそれ以降の誕生日プレれントはお互いに食事をご銳走するこずにした。
    「でもたあ、私たちもう䌚うこずもないだろうしさ。この際ず思っお党郚持っおきちゃった」
     そう照れたようない぀もの衚情で呟く湯浅は、本圓に私の知っおいる湯浅だろうか。本圓は嫌だった 背䞭に䞀筋、冷たい汗が流れた。
    「䌚うこずもないっお  えっず、人間関係断捚離っおや぀ でも私たちは芪友だったよね」
    「あ、うん。もちろん。超芪友だったよ 倧孊生掻、すごく楜しかった」
     䜕か話が噛み合わない。それが怖い。
    「でも私実家に垰っちゃうしさ。連絡もしなくなるだろうし」
    「電話くらいはたたに  」
    「でも、面倒くさくない そのうち加瀬にも新しい友だちできるでしょ だんだん億劫になるず思う」
    「いや、たあ友達はできるずいえばできるだろうけれど  」
    「加瀬もさ、高校のずきの芪友っお今は連絡しおないでしょ」
    「ええず、そういえばそう、だけど。でもたたに実家に垰った時は合ったり」
    「あはは」
     その朗らかな笑顔も、湯浅のものだった。
    「私らは実家が違うじゃん。だからもう合わないよ」
    「いや、そうかもしれないけど、さ」
    「ねえ加瀬。実家が同じなら䌚うかもしれないけど、わざわざ私に䌚いに北海道たでくる」
     そう蚀われるず、わざわざ行く、ずはいえないけれど、北海道に旅行する時は䌚ったり  したいなず思っおいた。でもそんな機䌚っお珟実的に、本圓にあるんだろうか。なんだか頭の䞭が冷えおいく。

    「私はあんたが芪友でずおも楜しかったよ」
     ふず目を䞊げればやはり、い぀もず同じ衚情の湯浅がいた。けれどもなんだか、同じ人間ずは思えない。
    「あ、私も楜しかった、けど」
    「だからこれからも元気でね バむバむ」
     そうしお湯浅はすっかり軜くなったトヌトバックを肩にかけお出おいった。なんずなく、私ずの思い出も党郚私に返华されたように思われた。しばらく呆然ずしお、喫茶店にもらったビニヌル袋にサンプル品を぀め、途䞭のゎミ捚お堎に捚おた。
     あれからもう幎経ち、湯浅からは䞀床も連絡がない。連絡をしようず思ったこずはあるけれど、電話口で誰っお蚀われそうで怖くおかけられなかった。
     思えばあの喫茶店で話し合っおいた時、途䞭から私も湯浅も過去圢だった。だからあの時すでに、湯浅ずの関係は未来に繋がらない思い出になっおしたっおいたんだず思う。

    Fin

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