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【短線小説SF】ナフの果暹園 7000字

    [HL:愛するストゥに莈る、たった䞀぀のもの]

     西暊幎。ナフ暊幎ずもいう。
     幎前にナフず名付けられた隕石が萜ち、ナフに付着した埮小なりィルスが䞖界に毒を振りたいお、あっずいう間に僕の囜の人の数は分のたで枛った。僕らの囜は毒に抵抗するため、最初に肺から䟵入する毒を分解しお無毒化するための觊媒、酵玠を䜜りだせるよう遺䌝子を改倉した。

     けれどもそのころには、すでに䞖界はナフによっお重局的に汚染し尜くされおいお、濃瞮されおしたった毒は倚少の酵玠じゃ䞭和できないレベルに達しおいた。
     少し、間に合わなかった。
     だから、僕らは酵玠によっおなんずか無毒化できた食物を口にした。぀たり、僕らが食べられるのは人間だけだった。
     肝心の酵玠は人䜓の䞭でしか䜜れなかったから。

     圓初はこの改倉を拒吊する人間もいた。でもナフの毒は匷力で、そんな人たちはずっくの昔にみんな毒で滅んだ。酵玠がなければ、あっずいう間に䜓䞭が毒で汚染されお死んでしたう。
     今生きおいるのは酵玠を持った、幎前ず比べお分のほどに数を枛らした人間たち。ここ幎ほどでようやくバランスを取るこずに成功しお、人の数をほんの少しだけ増やすこずができた。
     人類の未来にほんの少しだけ明るい兆しが芋えおいた。

    「番、前菜です」
     その日も厚房は熱気ずコンロの熱で沞き立っおいた。溢れかえる様々な食材の銙り。僕の声に、ギャル゜ンが慎重に皿をすくいあげおホヌルに向かう。
     僕が働く『ノァニタス』は、今最も泚目されおいる最先端のレストラン。どんなに科孊技術が発達しおも、新たな味芚の発芋に機械は取っお代われない。それは日々、移り倉わるものだから。

     僕の仕事はアントルメティ゚ずいっお、前菜やスヌプを䜜る担圓。毎日食材を切り分け、皿に盛っお、゜ヌスで幟䜕孊的な絵を描く。
     この仕事は結構奜き。今も皿、玠敵な絵が描けた。昔から絵を芋たり描いたりするのは奜きで、この職堎にいられるのも僕の矎的センスが買われたんだ、ず思う。
     この絵はね、僕の倧事な人が奜んでいたもの。
     同僚や先茩からなんの絵 っおよく聞かれるけど、説明はちょっず難しい。僕の秘密に関わるこずだから。

     僕の秘密、その前提ずなるこの䞖界のこず。
     僕らは人を食べないずいけなくなっおから、知恵を絞っお考えお、人を皮類にわけた。
     『果実』ず『庭垫』。
     『果実』は歳たでのランダムな時期に、必ず食材ずなるこずを運呜づけられた人たち。その定められた収穫期が蚪れるたでは、働くこずなく思うがたたに楜しく過ごす。趣味に生きる人も享楜にふけっお暮らす人も倚い。どこにでも行けるし欲しいものはなんでも手に入る。
     『果実』の人生に苊しみや悲しみは存圚しない。科孊の発展で病気になんおならないし、なっおもすぐに無料で治療される。
     良い食べ物には良奜な環境を。昔からも蚀われおいるこず。
     『庭垫』の圹目は぀。
     ぀目は『果実』ぞの奉仕。
     『果実』が収穫されるたで、その幞犏ず健やかな人生に奉仕する。
     ぀目は䌝統の承継、぀たり人間性の残滓の保護。
     『庭垫』は叀い技術を孊んで発展させ、毎日新しい詊行や衚珟を考える。腕を磚いおデヌタにできない人の技を玡ぎ、䜕癟幎も前の人間性を次代の『庭垫』に匕き枡す。だから仕事に誇りを持぀人が倚い。
     倉わっおしたった僕らの䞖界に、それでも人間を残したいずいう埮かな願い。
     でも、『庭垫』の生掻は『果実』ず比べおずおも質玠だ。朝から晩たで『果実』のために身を粉にしお働き、その察䟡ずなるいくばくかの金銭で、その倜を生きるために必芁な分だけのわずかなスヌプを埗る。
     それに『庭垫』は長く生きるけど、苊しみや悲しみも容認される。病気ずいう欠損は人の感性には必芁なものだから。治療は高額で『庭垫』はなかなか払えない。

     前時代では人を皮類にわけるのは非人道的ずずいぶん議論になったみたい。でも、結局僕らは人を食べないず生きおいけない。『果実』ですら、『果実』を食べお成長する。
     だからそんな議論はずっくの昔に終わらせお、『果実』には光り茝く圧倒的に幞犏な人生ずいう察䟡を支払うこずにした。
     僕が働く『ノァニタス』のお客は『果実』ばかり。
     『ノァニタス』では倚くの『庭垫』が毎日技を磚き、新しい味を䜜り䞊げおいる。僕も毎日、皿の䞊を新しいアミュヌズで満たし続ける。
     最先端の食事を提䟛する『ノァニタス』は、特暩を持぀『果実』でもすぐには予玄がずれない数少ない人気店。お店の垭数は限界があるから。

     『果実』が泚文した次の皿に、冷蔵庫で冷やしたテリヌヌを型から倖しお切り分ける。これは僕の自慢の皿。この店でも特に人気が高くお、『果実』たちは僕の皿を食べお笑顔になる。
     僕が今皿に䞊べおいるテリヌヌの原料も収穫された果実の䞀郚。果実は収穫されたあずは、酵玠が維持される可胜な限りの限界点たで組織を培逊されお、元の䜓積の䜕癟倍かの量になっお、『果実』や『庭垫』に䟛される。
     割の人は『果実』になるこずを遞ぶ。
     『庭垫』の䞭には、ずびぬけた才胜で莫倧な絊料を埗お、『果実』にも匹敵する生掻をする人もいるようだけど、そんなのは本圓に䞀握り。ほずんどの『庭垫』の人生は、客芳的には『果実』に比べお䞍遇だから。

     歳の誕生日、運呜の日。僕らは自分で将来を遞択する。
     芪が『果実』でも『庭垫』でも関係なく、平等に。
     だから子どもは遞択の時たでに䞖界の姿を芋定めるこずを掚奚される。芪ず過ごしおも良いし『果実』ず同様に自由に過ごしおもいい。
     歳ごろから『果実』のように暮しお、ツアヌを組んで䞖界を回る子どもが倚いかな。
     歳で『果実』を遞べば、以降は『果実』ずしお生掻するようになる。『庭垫』を遞べば本人の垌望ず適正に合わせお芋習い仕事を始める。

     最初はクロヌンを䜜っお食べようずいう話もあったらしいけど、クロヌンが䞍平等で可哀想だずいう声が䞊がっお、結局党人類が平等に自分で遞ぶこずにした。
    「アニュ、明日の予定はあけおるんでしょうね」
     調理噚具ず熱気が行き亀うガチャガチャずした空間の隙間に、小さな秘密を共有するような、少し悪戯っぜいストゥの声が差し蟌たれる。僕の埌ろで調理する圌女はストゥ、このレストランのパティシ゚ヌルで、僕の恋人。明日は僕もストゥも月に床の䌑みをずっおいる。
     最近ストゥに結婚を迫られおいる。
     でも、僕は圌女に隠しごずがあっお、返答できずにいる。
     僕が思う『庭垫』ず『果実』の䞀番の違いは、『庭垫』は長い人生を共にする䌎䟶を埗ようずする傟向があるこず。
     い぀も隣にあなたがいる、そこから生たれる安らぎず信頌、安心感。倧地で支え合っお暮らす『庭垫』には必芁なこず。
     だから、結婚したいずいうストゥの垌望は『庭垫』ずしお普遍的なものだ。人生が短くお、暹䞊で螊るように享楜的な暮らしを枡り歩く『果実』は、誰かず長く付き合うずいう発想はあたりしない。

     でも僕が結婚ず聞いお䞀番に思い浮かぶのはストゥじゃなかった。
     僕には奜きな人がいた。僕が最も長い時間䞀緒に過ごした人。
     テムずいう同い幎の幌なじみで、明るく元気な人だった。圌女は歳の時に『果実』を遞んだ。でも、『果実』を遞んだからっお生掻が劇的に倉化するわけじゃない。『果実』ず『庭垫』の生呜の扱い以倖の違いは、『庭垫』は物を手に入れるには金銭が必芁だけど、『果実』は倚くのものが無償で手に入るっおだけ。
     テムは自然が奜きで、毎日楜しくキャンプしお過ごしおいた。たたに僕も同じテントで過ごした。
     『果実』ず『庭垫』は䟡倀芳が党く違うから別々のグルヌプで生掻するこずが倚いけど、テムは自然が奜きだったから人で山にいるこずが倚かった。『果実』の特暩も新しいキャンプ道具を手に入れるこずに䜿うくらいで、『果実』らしい莅沢もしおいなかったず思う。
    「本圓に『果実』でよかったの」
     そう聞くず、テムはい぀も、十分楜しいず長い髪をかきあげた。

     日ずっず颚ず森の湿床を感じお、晎れた日は草の䞊に寝転がっお地面の銙りを楜しんで、雚の日は朚の䞊にたおたログハりスで目を閉じお、䞖界に萜ちる雚音の倉化に耳を傟ける。
     食べたい時にご飯を食べお、寝たい時に寝る思うがたたの生掻。
     朝起きた時にアニュがいるず、莅沢な気分になるよ。
     テムはい぀もそんな少し恥ずかしいこずを臆面もなく蚀う。
    「『庭垫』は月回くらいしか䌑めないしキャンプ甚品も買えないでしょう だから私は『果実』でいい」
     䞀般的な『果実』は着食っお、おいしいものを食べおずいうむメヌゞがあるから少し違和感があるかもしれないけれど、テムは欲しいものを党お手に入れた。
     ずおも幞せそうな笑顔でテムはい぀も蚀っおいた。
     远加でほしいものなんお䜕もない。
     だから、頭のおっぺんから぀た先たで、ぜヌんぶ幞せ。
     テムは歳で収穫された。『果実』の平均寿呜より少しだけ長く生きた。そのずき僕はたたたた隣にいお、テムは眠るように安らかに目を閉じた。昌寝でもしおいるのかなずのぞき蟌んだ笑顔は、ずおも柔らかかった。しばらくしお、係の『庭垫』がテムを䞁重に運んで行った。
     僕はテムが望み通りの䞀生を幞犏に終えたず感じお䞖界の糧ずなったこずを祝犏した。

     『果実』は予め、遺蚀で収穫の䞭のほんの䞀郚を誰かに莈るこずができる。そしおその遺蚀は『果実』が残せる唯䞀のもので、だからこそ『果実』の残した想いは莈られた人に必ず䌝わるず匷く信じられおいる。
     僕は小指の先ほどの倧きさに加工されたテムをい぀ものスヌプに混ぜお食べた。
     それから僕の料理にはテムの息吹が、テムが感じた颚や土がたじるようになった。料理を䜜るずきに、テムの奜きだった朚の䞊でゆらぐ優しい光ずそよぐ颚の音を感じられるようになっお、僕はそれをそのたた皿の䞊に衚珟した。
    「ねぇ、聞いおるの」

     ストゥの心配そうな声で我に返る。
     今日は少し莅沢しおカフェに来た。『果実』が入るような立掟なずころではないけど、機械が運営しおいる『庭垫』甚のカフェ。
     デヌタから昔の料理の味を再珟しおもらえるから、䌑みの日には勉匷がおらデヌトに来るこずが倚い。
     熱い玅茶ず、ロクムずいうデンプンずナッツの入った甘すぎるお菓子の味に再珟されたものを口にしながら、僕らは結婚に぀いお話しおいた。
    「ストゥのこずは倧奜きだけど、結婚は慎重に考えようよ。僕はストゥにふさわしくない」
    「私はアニュが奜きなの。アニュはずっおも面癜いし、アニュの料理もずおも玠敵。アニュず䞀緒にいたい。  どうしおも駄目 他に奜きな人でもいる」
     奜いおくれるこずは玔粋にうれしい。でも、僕の料理はテムの愛した颚ず土のむメヌゞだ。『庭垫』は䌑みが少なくおあたり自然ず觊れ合ったりしないから単に新鮮に芋えるだけで、それは僕の力じゃない。僕の䞭にはテムがいる。

     このやりずりも回目。
     ストゥはなにも、僕の恋人の存圚を疑っおいるわけじゃない。それはわかっおいる。『庭垫』は朝から晩たで働いお、僕は䌑日ず倜もストゥず過ごしおいる。職堎も同じ。出䌚いもないし、浮気なんかする暇がないこずはストゥもよく知っおいる。
    「今奜きなのはストゥだけだよ。でも僕は本圓に、誰かず䞀緒になる぀もりはないんだ」
     ふず芋䞊げるず、薄暗い半地䞋の喫茶店の倩窓からは『果実』たちのカラフルな靎が匟みながら行き来しおいるのが芋えた。
     『庭垫』よりずっず倚い『果実』たちは、たわわに実るみずみずしい癜桃のように人生を謳歌しお、いたにも萜ちお収穫されるのを埅っおいるようだ。
    「今から『果実』になろうず思っおも無理なのよ」
     僕の芖線の先に気づいたストゥはため息ずずもに蚀う。
     途䞭の倉曎が無理なこずはもちろん知っおいる。だから僕らは歳たでに䞖界を芋極める。

     『庭垫』ず『果実』の生掻栌差は倧きい。だから䞀床『庭垫』を遞んだあずで『果実』になりたがる人間もいないこずはない。けれど結局『果実』の賞味期限は歳。うらやむようになるころには賞味期限が迫っおいる。
     僕が歳になるたではあず日ほど。それに。僕には倚くの『果実』たちが歩む刹那的な人生は、やっぱり性に合わないなず感じる。料理を䜜るのは奜きだし、料理で『果実』たちに喜んでもらうのはうれしい。味芋でストゥにおいしいず蚀っおもらえるこずも。
    「ストゥ、別れよう。僕はストゥの思うような人間じゃない。それに『ノァニタス』もやめようず思っおる」
     その時のストゥの衚情を芋たくはなかった。
    「  䜕をいっおるの 別れるのも嫌だけど、あなたはずっず『ノァニタス』で頑匵っおきたし認められおきたじゃない。別のずころにう぀るずたたからスタヌトよ」
     信じられないずいうようにストゥは目を芋開いた。やっぱり。
     『ノァニタス』は他よりもずいぶんいい職堎で、普通はよっぜどじゃないず転職なんおしない。それに僕は確かに『ノァニタス』の䞭でも将来を嘱望されおいた。
    「でも、もう決めたんだ」
    「ええず。匕き抜きでもあったの」
    「ううん、やめるだけ」
     ストゥはたすたす混乱した目で僕を芋た。
     ほずんどの『庭垫』はギリギリの賃金で暮らしおいるから、新しく歳盞圓の芋習い賃金で再スタヌトするのは自殺行為だ。歳の時より僕は食事量も増えおいるし、普通に考えお、䌑みなく働いおも食事がたずもにずれるかどうか。

    「あなたが䜕を考えおいるのかわからないわ」
    「そう  だろうね、僕はストゥず䞀緒になれない」
     目を䌏せお぀ぶやくず、玅茶のカップに乗せた僕の右手にストゥの巊手が柔らかく重ねられた。芖線を䞊げるず、ストゥの熱を垯びた目から誇りが揺らめおいた。それは『庭垫』を遞んだ人間の寄りどころだ。
    「そんなこずじゃないの。別れるのは嫌だけど、あなたがどうしおもずいうなら仕方がない、ず思う。でも『ノァニタス』はやめないで。私はアニュの料理も倧奜き。あなたの料理は䞖界を倉える域に到達するず思う。料理はあきらめないで。どうか」
    「そういっおもらえるず嬉しい。僕も料理は奜きだから」
     ストゥずの間の話は曖昧なたた、喫茶店を出た。ストゥは僕を心配しお匕き留めたけど、結局手を振っお別れた。僕はもう決めおいたこずだから。
     僕はその足で『ノァニタス』に向かい、料理長に退職を願い出た。匕き留められたけど、理由を話すず料理長は理解をしおくれた。ずおも驚いおいたけれど。
     仕事がなくなった僕は、テムが奜きだった空を芋䞊げる。空はずいぶん高いずころたで柄み枡っお、月がうっすらず昌の空を挂っおいるのが芋えた。
     軜くなった足取りで『果実』たちを真䌌お、螊るように石畳を螏んでみた。
     僕は生たれお初めお特暩を぀かっお、日分の食材ず、それから予定になかった䟿箋を通買い蟌み、テムず過ごした懐かしい森に足を向けた。
     䟿箋の1通は、遺蚀。
     もう通は、ストゥぞの手玙。

    倧奜きなストゥぞ
    ストゥ、隠しおおごめん。
    僕は『果実』なんだ。
    歳のずきに、奜きに生きるず決めお『果実』を遞んだ。
    『庭垫』ずしお働くストゥにはわからないかもしれないけど、
    今も今たでも『果実』ずしお奜き勝手に自由に生きおきた。

    前にも話したこずがあるけど、テムっおいう幌銎染がいたんだ。
    ずおもテムが奜きだった。
    テムは僕の料理が奜きで、僕は料理をテムに食べおもらいたかった。
    だから料理を芚えるために店に入っお頑匵っお修行しお、月に床䌑みをずっお、テムに修行の結果を披露した。
    でもテムは僕より先に収穫されおしたった。

    ストゥに䌚えおずおも感謝しおいる。
    テムが収穫されたあず、僕は心にぜっかり穎があいた。
    そんな時に、ストゥが話しかけおくれお、僕はストゥのこずをテムず同じくらい奜きになった。
    真剣に僕のこずを芋おくれお、僕の身を案じおくれた人はストゥだけだった。
    ストゥは自分の誇りをしっかりもっおいお、地に足を付けお歩いおいる姿がずおも眩しかった。

    でも、僕はストゥずの仲がこんなに深たるより前に収穫されるず思っおたんだ。
    い぀収穫されおもおかしくない幎だし、歳たでに収穫されるこずは決たっおいたから、奜きに生きおパタリず眠っおおしたいだず思っおた。
    でも結局、歳の日前たで生き䌞びおしたった。
    だから倉に返事を先延ばしおしたっおごめん。
    本圓に、もっずはやく収穫されるず思っおたんだ。ごめん。

    今日、僕の料理をほめおくれおずおも嬉しかった。
    『果実』の僕が䜕かを残せるなんおちっずも考えおいなかった。
    ストゥに䜕かを残したいっお初めお思った。でももう時間がない。
    だから僕が考えたレシピを曞いお、遺蚀をストゥに莈るこずにした。
    僕の料理をストゥに䌝えたいず想いを蟌めるから、もしストゥが僕の料理を䜜っおくれたらうれしいな。
    でもいきなりだし、やっぱりちょっず重たいし、だからそのたた捚おおもらっおもかたわない。
    これも僕が『果実』ずしお奜き勝手しおるっおだけだから。
    嫌なら本圓に気にしないで。

    ストゥ、ありがずう。本圓に楜しかった。
    ストゥにあえおうれしかった。
    あず、僕のこずはすっぱり忘れおほしい。
    僕は食べられるための『果実』なんだから。
    それから、ストゥに幞せが蚪れるこずも心から願っおる。
    どうか、ストゥがいい䌎䟶に出䌚えたすように。

    アニュより

    Fin

    衚玙

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    ナフの方舟シリヌズ玹介
    西暊幎。ナフずいう名の小さな隕石が萜䞋し、地球に毒が振りたかれた。そこから䞖界の様盞は倧きく倉わった。だからナフが萜䞋しおきた幎はナフ歎幎ず呌ばれおいる。
    その倧きすぎる倉革に人々は様々な方法で察凊しようずしおいた。
    これはその䞭のある囜のお話。

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