メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【短編小説(短編連作)】春崎夜道の『夜散歩』なXmas 25 不思議なお買い物 1000字

    [HL:ノープランでここまできて、ここからもノープランです(キリッ 3]

    「え、本当に」
    「あぁ。今帰ってもパーティまで時間が中途半端だ」
     気が付けば、霙みぞれ混じりだった落下物からすっかり水分は揮発して、粉雪になっていた。静かに、本当に静かにゆっくりと空から舞い降りる。まるで時間が止まっているように、全ての音を遮るように。
    「夜道?」
    「あ、うん。じゃあ、お茶しよっか。行きたいところある?」
     ゆっくりと大岳は首を横に振る。そっか。大岳はラボから出ないから、きっと本当に思い当たらない。いつもなら本当は行きたくないんじゃないかと思ってしまいがちなのに、何故だか素直にそう思えた。
    「じゃぁ、キナーティでも。すぐ下だし。それで最後にノルゲンにケーキを取りにいって」
     頷く大岳を先導して2Fのオープンデッキから1Fに降りたところにあるキナーティの大きな窓からは、大きなアフタヌーンティースタンドに山盛りのケーキを美味しそうに食べるヒロさんと、それを幸せそうに眺める奏汰さんが見えた。
    「大分混んでるから南口のほうにいこっか」
    「ああ」
     キナーティが混んでたのは本当だし。
     駅の反対側も美味しいところは多い。ぐるりとロータリーを周って、KATE BLUEの前で足を止める。そういえば所長の手袋は結局なんだったんだろ。なんとなく聞きそびれてしまった。
    「入る?」
    「え? えーと」
     何の気なしに入る大岳に慌ててついていけば、手袋が目に留まる。クリスマスセールで5000円ら15000円程度。義理よりは上の価格帯? 上品で、お値打ち品。素敵だけど、自分ではなかなか買えないな。冬しか使えないし。
    「夜道、何かいる? クリスマスプレゼント」
    「え?」
     それで目の前に目を移す。
    「手袋以外で」
     以外…? でも大岳が自主的にプレゼント? それは本当に奇跡。
    「選んでくれるならなんでも」
     大岳は少し困った顔を浮かべる。
    「気に入るか自信がない」
    「なんだって気に入るよ」
    「そうか」
     それでふと、気が付いた。毎年キナーティのギフトを買うけれど、今年はノルゲンのケーキがあるから買ってない。でもケーキ以外気に入るものがわからなかった。だから私は。
     大岳はふらふらとラックの間を彷徨い、店員に話かけられている。大岳が自主的にプレゼントを買うのは、ノルゲンのケーキのお返しのため? 毎年のキナーティのお菓子のお礼みたいに。それとも。いいえ。この時間こそが奇跡。大岳と一緒にクリスマスを過ごす。高校の時からずっと、ずっとそう願っていた。
     サンタさんなんて全然信じていなかった。けど本当にいるのなら、今私の上空を飛んでいる。そう思えた。

    to be Continued
     西野木の伏線回収しようとして変な流れになっている。やっぱりまとまらなかったので、25日を勝手に最終にします。タグは
    #本当の幸い
    にしようかな。宮沢賢治すきなんだ。まだ中身は考えていないんだけど。

     ところで公開スタジオはスカイタワーの2Fにあって、キナーティは1Fにあります。これは後付けではなく地図上でもそうなんだけど、毎日思い付きで雑に書いてるので後から考えると情報が譜整備だなと思ったので、完成後に多少修正するかもしれない。

    ★次の話


    画像
    画像

    #いつきちゃんのアドベントカレンダー
    #サンタクロース
    おじゃましますー。なるべく毎日、神津を中心に夜道ちゃんが主人公の話を書いてみようかな的な。なんと完結できそうですね? 予想外です。

    ★似た系列の話

    近未来だけれどSF感の乏しい恋愛ー?

    #小説 #短編小説 #ショートショート #私の作品紹介 #創作大賞2026 #恋愛小説部門


    この記事が参加している募集

    あなたへのおすすめ