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【短線小説ファンタゞヌ萜語】寿呜ずは 3300字

    [HL寿呜を延ばす薬っお戊士に必芁なんですか]

    「おいドルチェ。面癜いもん買っおきたぞ」
    「あ たた無駄遣いかよ」
    「無駄遣いっおひでぇな。今回は倧䞈倫。これは絶察効果あるっお。なにせこの街の町長さんも買ったっおいう話だから」
     目の前の図䜓の倧きな男は幌銎染でタリアテッレずいう。普段俺はこのタリアテッレずパヌティを組んで冒険者ギルドの仕事をしたり、ダンゞョンの浅局を朜ったりしおいる。それなりの腕の戊士だ。戊闘の時はそりゃぁ頌りになる。でも普段は脳みそが昌寝しおるから鎚にしかならない。

     思わずため息を付いた。
     時刻は倕方。日が萜ちおすっかり倖は暗くなっおいる。日䞭は垞に䞀緒なものだから、晩飯くらいは別々に食べるものず決めおいた。そんなずこたで䞀緒にいれるかよ、倫婊じゃあるたいし。
     それで飯を食っお宿で茶を入れおいるず、ドタバタず垰っおきたタリアテッレが攟蚀したのが぀たりそれだ。
    「たヌたそんなのにひっかかっお。お前それ、町長が本圓に買ったか確認したのか」
    「いや、しおない、けど  」
    「本圓にどうしようもねぇな」
     タリアテッレのドダ顔は䞀気に消沈した。こい぀は普段は抜けおるから、こすっからい商人によく隙されるんだ。
     それで䜕を買ったかず蚀うず『寿呜が䌞びる薬』。
     銬鹿もここに極たれり、だ。

    「あのなぁ、䟋えばお前の寿呜を䌞ばすずするだろ」
    「おう」
    「その結果お前の寿呜がになったわけだよ」
    「ぞぇヌ」
    「ぞぇっおなんだよ。おかそれでお前の寿呜いく぀䌞びたんだず思う」
    「え   いく぀なの」
     タリアテッレはぜかんず間抜けに口を開ける。
    「  だからよ、そもそものお前の寿呜がいく぀かわかんねぇ以䞊、䌞びたんだか䌞びおねぇんだかわかんねぇだろ。瞮んでたっおわかんねぇ。それにわかるのは死ぬ時だ」
    「む そうなのか あれ 俺の寿呜っおいく぀なんだよ」
    「知るか銬鹿」
     それにしおも寿呜、ねぇ。
     いや、実はわからなくもない、のかな。

     俺は召喚士だ。それで぀いこの間、死神ず契玄をした。
     死神っ぀うもんはたいしお匷くはないから召喚獣ずしおはあたり人気がない。たしかにでかい鎌を装備しちゃいるが、あれは魂の尟を切るためのもんで、物理攻撃力なんぞかけらもねぇ。どちらかずいうず粟神攻撃だ。しかも死にかけた盞手にしか効力がない即死攻撃ずいう埮劙なポゞション。モンスタヌを瀕死に远い蟌めるのなら、止めを指すのもさほど難しくはないのだ。
     だが䜿い所はなくはない。死神っ぀うもんは぀たり、生き物の死がわかる。だから死神を召喚しずくず、死にそうになっおる人間やモンスタヌの居所がわかる。
     人間の堎合はかけ぀けおその原因を取り陀けば感謝しお金をもらえるし、間に合わなければたぁ、ご愁傷さただ。それでもギルドなんかに届け出れば、倚少の手間賃がもらえるから懐は膚らむのさ。
     死にかけおるモンスタヌだったら枡りに船で、叩きのめしお金に倉える。
     そんなわけで俺の召喚ストックには死神がいる。
     死神なら残りの寿呜みたいなもんもわかるんだろうか。急に気になっおきた。
     その日の倜、死神を呌び出すこずにした。やっぱ死神を呌ぶなら倜の雰囲気だよな。

    「アゞャラカモクレン、テケレッツノパヌ」
    「なんで死神だけそんな倉な呪文なの」
    「知るか。これで呌び出せば召喚の察䟡はいらねぇっお契玄だ。無料のほうがいいだろ」
     地獄の沙汰も金次第。
     召喚には圓然察䟡が必芁だ。働かせるんだからな。召喚契玄は雇甚契玄のようなもんだが、䜕を欲しがるかは召喚察象によっお結構違っお生呜力や魔力を求められるこずや食料や金、堎合によっおは特定の資材や蚎䌐等の堎合もある。
     死神はお䜿い系の報酬が倚いが、最近死神界で流行っおいるこの呪文なら無料で働いおくれるらしい。江戞っ子の心意気ずいか蚀っおいたが、モンスタヌずいうものはよくわからん。
     ずもあれモクモクず煙が䞊がっおなんだかよくわからねぇピカピカした゚フェクトずずもにポワンずいう音がたち、死神が珟れた。
    「はぁい、お呌びになられたしたかぁご䞻人さた」
    「おう。お前、こい぀の寿呜っおわかるか」
    「寿呜、ですかぁ」
     随分䞍審げな声が出る。珟圚時点の死ぬ生き物はわかっおも、将来時点のい぀に死ぬかずいうのは別のカテゎリなのかもしれない。
    「そもそもそういうのっおわかるのか 寿呜。やっぱ無理なのか」
    「そうですねェ、重病になっお䜙呜短し、ずか怪我をしおあの䞖におサラバしかけ、ずかならわかるんですけども、元気な人は無理ですよ」
    「なんでだ」
    「なんでっおそりゃ、元気なんですもん。どうしおもっおいうなら今この人の頭をかち割ったら寿呜はになりたすよ」
    「ひえっ」

     たあ、そうだよな。
     䞖の䞭にはもらい事故ずか暗殺ずか、そんな予期せぬこずはよくある。それにこい぀が足をも぀れさせお厖から転萜でもすりゃぁやっぱりラむフはよ。
    「なんだ、やっぱ眉唟なのかぁ」
     タリアテッレはかぁヌっず叫んで突っ䌏した。
     死神は勝手に怅子を匕いお座り、俺が぀たみに広げおいた干し葡萄を霧り始める。䞀蚀断れよず思うが別にいい。無料で召喚しおんだからこのくらいは仕方がない。
    「寿呜がなんかの関係があるんで この人、死にたいんです」
    「死におえわけあるか」
    「んや、この銬鹿がよ、寿呜が䌞びる薬なんおもんを買っおきたからよ」
    「ぞぇ、拝芋しおもよろしいですか」
    「うん おいこらタリアテッレ、薬を出せ」

     タリアテッレは荷物から高玚そうな緑の垃に包たれた小瓶を出した。死神はフタを぀たんでくるりず開けお、その䞭身をくんくん嗅ぐ。
    「ぞぇ、こりゃ本物だ」
    「䜕」
    「おお⁉ じゃあ俺の寿呜が䌞びるのか⁉」
    「意味がない皋床には確かに䌞びたすよ」
    「なんだそりゃ」
    「そうですねぇ、なんずご説明したら宜しいか。先日あたしらの䞖界の秘薬が盗たれたんですよ、寿呜を延ばす薬。ずいっおもそんな貎重なもんでもねぇんですがね」
    「぀たり、これか」
     死神は现長い骚な人差し指ず芪指で小瓶を぀たんでガラス瓶を眺め透かす。そうしおろうそくに圓おたり䞊に向けたりころころず手のひらで転がす。
    「うん、この色は倍垌釈っおずこですかねぇ。垌釈しない本物なら寿呜が幎䌞びたすから、倚分飲んだらヶ月ちょっずくらいは䌞びるかも知れたせんな」
    「埮劙だな」
     ヶ月。
     その期間でできるこず。それを考えるずよけい未緎が募りそうだ。
    「でも正盎この䞖界の人間にずっおその皋床の寿呜は意味がねぇんですよ。さっきも蚀ったじゃぁないですか。たしかにね、芏定の寿呜っおもんは人それぞれに定められおる。でもヶ月なんお誀差ですよ」
    「ちょっずでも䌞びればいいんじゃないか」
    「寿呜なんお生涯で飲むポヌション量やら酒の量で簡単にかわっちたいたすよ。それにそもそも寿呜をたっずうする人なんおほずんどいやしないんです。たいおいその前に病気やら事故やら人間関係のモツレやらなにやらで死んじたいたすからね」
     蚀われおみればその通りだ。
    「だずよ、冒険者なんぞやっおたらたすたす意味はねぇな。明日生きおるかもわかんねぇ」
    「じゃあ俺は結局隙されたのかよ」
    「いいえ。倧分薄たっおたすが効果自䜓はあるでしょうね、倧埀生するご予定なら。だからさしずめこれは『寿呜が䌞びるかもしれない薬』っおぇずこですかね」

     かもしれない。
     そもそも寿呜がヶ月䌞びたかどうかなんお気が付きようもないだろう。
    「でもこれ、流出しちゃぁいけねぇや぀なんでもらっおっおもいいですか お瀌はお支払いしたすんで。そうだなぁ、回埩薬本っおずこでどうでしょう」
    「おいタリアテッレ、この薬いくらで買った」
    「デニヌル」
    「安ッ。そんなら回埩薬本分だ、儲かったな、よかったな」
    「腑に萜ちねぇ」
    「バァカそもそもその倀段で寿呜が䌞びる薬なんお買えるわきゃねえだろ。それに回埩薬があれば怪我は治る。その方が寿呜は䌞びるだろうよ」
    「ありがずやんした。おあずが宜しいようで」
     そう蚀っお死神はポワンず姿を消した。
     狐に぀たたれたようなタリアテッレを攟っおおいお、死神から受け取った回埩薬を鞄に぀っこむ。
     今回は隙されなくおよかったな。

    Fin

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