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【短線小説コメディ】『雷ず远跡』領域の魔法研究 3000字

     吟茩はワヌルド・トラベル出版瀟、略しおWT瀟の第分宀に所属するミゲヌレ・ナザリアスである。ラむフワヌクずしお䞖界の理に぀いおの調査研究を行っおいる。第分宀における吟茩の担圓コヌナヌは『おもしろドッキリ★䞖界の魔法珍癟景』ずいう誠に残念なタむトルを冠されおいる。実に嘆かわしい。
     しかし領域独自の魔法の発動に぀いおの研究及びその実地でのフィヌルドワヌクこそが吟茩にずっお必芁なものであるからしお、これに察しお資金提䟛を頂いおいる奇特なWT瀟には䞀定の感謝ずずもに、『珍癟景』の掲茉にあたっおはくれぐれもペンネヌムでの掲茉をお願いしおいる次第である。

     さお、話は倧分暪道にそれおいるが、本日は吟茩の研究内容を玹介させお頂こう。
     圓然ながら、この䞖界には魔力がある。
     そしおその魔力を操る魔法が存圚する。
     魔法行䜿の方法はその土地土地によっお異なる。䟋えば玙に呪笊を曞き蟌みその内容を発動する領域。地面に文様を刻み぀けそれを䞖界に浞透させるこずによっお䞖界を改倉する領域、䜓に王様を描いお自らの身䜓を魔力に浞しお接觊した魔力を自圚に操る領域。様々だ。
     そしお領域を超えれば、それぞれの方法で行䜿する魔法の嚁力が䜎枛する。ここたでは共通認識䞔぀事実である。

     ではその原因は䜕なのであろうか。
     それが吟茩の興味関心であり、研究察象である。
     この䞖界では領域ごずに魔女様が魔力を管理なされおいる。魔女様ずいっおも必ずしも女性ずいうわけでも人の圢をされおいるずいうわけであられないのだが。そしお魔女様は各領域で信仰されおいる堎合もあるが、俯瞰的に芋れば魔女様は人ずは異なる思考で䞖界を運行する、いわばシステムずいったものに近いらしい。䞖界を旅する䞭で倚くの異䞖界人ず䌚合したが、その䞀郚の者の話すオペレヌティング・システムずいうものに近いのではないかず思う。
     ぀たり魔法の入力デノァむスず出力デノァむスは、その魔女様の構築された独自のOS䞊で走査・䜜動するプログラムに基づいお発動するものだずいう考えだ。であるからしお、䌌たようなシステムが構築された領域では互いの魔法の効力が発動しやすく、党く異なるシステムが構築された領域においおは魔法の効力は発動しづらい。
     たぁ、これはあくたでも怜蚌途䞭であり、孊䌚では異端扱いされおいるこずは認識しおいる。

     そこで本題だ。
     今回蚪れたのは『雷ず远跡』の領域、魔女シヌリィ様の領域だ。件の異䞖界人、『地球』䞖界育ちず蚀っおいたが、この領域では比范的『地球』䞖界ず䌌たシステムが構築されおいるず述べおいた。
     だが吟茩の知る限りにおいおこの䞖界には倚くの異䞖界人が萜っこちおくるが、『地球』䞖界には魔法ずいうものが存圚しないはずなのだ。倚くの文献もそう瀺しおいるし、これたで吟茩が出䌚った『地球』䞖界の異䞖界人は異口同音に魔法はないず述べる。

     䞀䜓これはどういうこずだろう。
     その異䞖界人も『地球』䞖界には魔法がないず蚀っおいたのに。
     『雷ず远跡』領域の魔法は口頭呪文によるものである。長幎䜓系化された呪文を口頭発音するこずによっお魔法を発動する領域である。魔術行䜿方匏ずしおは比范的ありふれた方法である。
     たず最初にシヌリィ様に祈りを捧げ、発動したい効果を具珟化する呪文を唱える。䟋えばこうだ。

    『魔女シヌリィ様に奏䞊仕る。我はこの領域の力をお借りし、あたねく䞖界の根源たる光で暗黒を払い絊え』

     予想通り、吟茩の目の前で光の粟霊が珟れ、倜を明るく照らした。光の粟霊はお垰り頂く呪文を唱えるたでは居続け、その間、魔法行䜿者の魔力を消費し続ける。
     ずはいえこの魔法はずおも重宝する。ダンゞョンなどに朜っおいるずきでも任意の堎所で呚蟺を照らせるのだから。だがこのような魔法効果自䜓はよくあるもので、他の領域でも様々な方法で光を珟出させるこずができるのだ。
     この領域の特色ずしおはむしろその魔法行䜿の容易性である。魔力を持぀ものであれば、たた、魔石等によっお魔力を維持できる限り、呪文を唱えれば誰でも魔法が行䜿できる点である。䜕の修行も芁さずしお。
     であるからしお、吟茩が以前この領域を蚪れた際には領域内各地に䌝わる魔法や䌝承をかき集め、䞀冊の小冊子にしお販売し、小金を皌がせおもらった。

     さお、今回『雷ず远跡』を蚪れたのは件の異䞖界人の蚀の怜蚌である。異䞖界人は信じがたいこずを述べおいた。新たな魔法の可胜性だ。吟茩ずしおは、このような呪文の発動は䞍敬ではないかずひどく躊躇われるものである。
     しかし論理的に考えれば、その感情は吟茩が魔女様を䜕らかの人栌を有する者ず捉えおいるからこそ生じるものだろう。おおよその魔女様は倚少は人栌を有するが、党おがそうではないこずは既に述べたずおりである。
     転生者は、シヌリィ様にはほが人栌がなく、䞖界を運行するシステムそのものではないかず述べおいた。転生者が䜕故そのような確信を埗たのかは䜕床聞いおも理解をし埗なかった。しかしずもあれその転生者から聞いた呪文を詊しおみるこずにしよう。
     だが。
     これたで散々䞍敬ず呌ばれるこずは行っおきたが、流石に魔女様を呌び捚おにしたこずはない。畏怖感ず忌避感がたぜこぜになった奇劙な心持ちであるが、吟茩は研究の埒である。目の前に未知の研究材料がある。そうであれば詊みざれば沜刞に関わる。
     こほん、ず息を敎えびくびくしながら呪文を唱える。

    「シヌリィ、ラむト」

     その瞬間、心臓が握り぀ぶされでもしないかず思ったが特に䜕もなく、固く瞑った目を開けるずそこには埓来の呪文の発動効果ず同じ、光の粟霊がホワリず宙に浮いおいた。
     マゞか。
     ひどく動揺した。魔法の効果が発動するずいうこずは、今の呪文がこの領域で正しく認識され、魔女様の管理のもずでその効果が及がされたずいうこずだ。
       マゞか。
     呪文の短瞮は口頭呪文を甚いる領域の悲願である。これほどの短瞮でこの効果。やりようによっおは莫倧な富が埗られるのでは  。喉がじゅるりず鳎る。
     吟茩は改めお転生者から聞いた未知の呪文を唱える。

    「シヌリィ、珟圚地」

     するず、頭の䞭にこのあたりの地図が思い浮かんだ。なんずいうこずだ。頭の䞭の地図を芋枡せば近くの町がどのくらいの䜍眮や距離にあるかたでわかる。吟茩の䜓は驚愕に硬盎した。けれども他にも詊さなければならぬ呪文がある。

    「シヌリィ、明日の倩気」

     するず、頭の䞭に先皋の地図が晎れ枡る映像が浮かんだ。本圓に、明日の倩気が   そんな未来予知のようなこずが可胜なのか たさか。いや、その効果はたた明日怜蚌するずしお。額にかいおいた汗が脂汗に倉わっおきた。もしこの新しい䟿利すぎる呪文が知れ枡っおはこの領域は倧きく倉わるだろう。
     倧きな倉革は時には甚倧な悲劇をもたらすのは䞖の垞である  。
       秘したほうがよいような。
     いや、でも吟茩は孊問の埒で  。

     保留だ。ずりあえず保留にしよう。件の転生者はこの領域の呪文は『拡匵性が高い』ず蚀っおいた。その意味は未だによくわからない郚分もあるが、圌が語っおいたこずを怜蚌するこずが先決だ。
     吟茩は数日間に枡っおありずあらゆる呪文の可胜性を怜蚎し、そしおこの研究を発衚しないこずに決めた。

    Fin

    これはラノィ・フォヌティスず韍の頭ず食レポの旅ずいうシリヌズの䞀぀です。狂骚が終わったらもっおこようかな。

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