
「どうする家康」第20回「岡崎クーデター」 どうする瀬名~瀬名が運命の歯車を回すまで~
はじめに
第20回は、早々に家康が倒れてしまったため、実質、前回に引き続き、瀬名の話となりました。
迫る武田軍の脅威、静かに進む陰謀を描きながら、本質は織田との清須同盟の問題点を浮かび上がらせるという構成の巧さが光りました。勿論、前髪の美少女戦士(今回も女装あり)、虎松の初陣と家康とのやり取りも見所です(笑)
そして、以前の記事でも仄めかしていた瀬名と望月千代女との対面で幕を引きます。
ところで、今回の背景である大岡弥四郎事件は、江戸時代に書かれた『松平記』や『岡崎東泉記』では、築山殿が関与したとの記述があります。つまり、築山殿が武田と内通したという通説の出所です。『松平記』では唐人医師との不義密通も伝えられます。
山岡荘八『徳川家康』、及びそれを原作とした大河ドラマでは大岡(大賀)弥四郎と不義密通の果ての内通として描かれました。
しかし、「どうする家康」で描かれた瀬名が、こうしたことを起こす要素はありません。ましてこれまで登場してもいない大岡との不倫は更にあり得ません。それだけに、これら流布された通説をどう描くのかは興味深いところでした。言い方を変えれば、「築山殿が弥四郎に唆されて武田に内通したこと」をどう翻案するかが、第20回を読み解く鍵ということになるでしょう。
そこで今回は、いかにして瀬名が『岡崎東泉記』の記載にもある歩き巫女との出会いに至ったのか、そしてその出会いの意味を考えてみましょう。