
ブッダの説いた十悪とは? 因縁の法則
テーラワーダ仏教(上座部仏教)の経典やアビダンマにおいて、「十悪」は一般に「十不善業道」として説かれています。身(身体)、口(言葉)、意(心)の3つの扉を通して行われる、避るべき10の不善(悪)の行為のことです。
これらは悪業(不善業)を積む原因となり、苦しみを生み出す根本的なルートとされています。
十不善業道の内訳
身・口・意の三業に分けて、以下のように分類されます。
1. 身の不善業(3つ)
身体によって行われる不都合な行為です。
殺生(さっしょう): 生き物の命を奪うこと、傷つけること。
不与取(ふよしゅ): 与えられていないもの(他人の所有物)を盗むこと、不正に取得すること。
邪淫(じゃいん): 不適切な性行為(不倫、性的暴行、モラルに反する関係など)。
2. 口の不善業(4つ)
言葉によって行われる不都合な表現です。
妄語(もうご): 嘘をつくこと、真実ではないことを意図的に語ること。
離間語(りかんご): 人の仲を引き裂くような悪口、陰口、告げ口をすること。
粗悪語(そあくご): 乱暴な言葉、人を傷つける汚い言葉、怒りに満ちた言葉を使うこと。
雑穢語(ぞうえご): 無意味なおしゃべり、役に立たない戯言、欲望や執着を煽るような言葉を語ること。
3. 意(こころ)の不善業(3つ)
心の中で生じ、執着や怒り、偏見に基づく思考です。
貪欲(とんよく): 他人の所有物や財産、あるいは快楽に対して「自分のものにしたい」「欲しい」「支配したい」と強く執着すること。
瞋恚(しんい): 他者に対する敵意、怒り、恨み、「害を与えたい」「滅びればいい」と思うこと。
邪見(じゃけん): 因果の法則(業と報い)や、正しい真理を否定する歪んだ見解(例:「善いことをしても意味がない」「過去世や来世はない」「一切の現象は無常ではなく永久に固定している」など)。
テーラワーダ仏教における位置づけ
根本的な推進力: これら十不善の根底には、仏教で最も根本的な煩悩である「貪(むさぼり)・瞋(いかり)・癡(おろかさ)」があります。
反対の概念: これらを断ち、戒めを保つ実践が「十善業道」であり、心身を清らかにし、より高次の境地や解脱へと向かうための基盤となります。
◇ヴィパッサナーによって、観察してみよう。
ありのままに観察することで、日々の身口意のふるまいを整え、不善を離れることが、心を静めて慈悲や智慧を育むための大切なステップとされています。
◇一切の苦の滅尽への道はこちら