
ドラマ「天巡者」~道教の神様沼へ
私の知っている鍾馗様と違いすぎる!
鍾馗が主人公のドラマ「天巡者」
現代の台北(といっても2020年)で、冥府から逃げた悪霊を捕まえながら、記憶を失った孟婆を探す物語。現代のファッションでおしゃれな鍾馗に可愛らしい孟婆。
鍾馗って、たしか醜い顔を気に病んで…みたいな話あったと思うけど、このドラマではマイク・ハー氏が格好良く演じております。いや、私の知っている鍾馗とは違い過ぎ!
奸臣の讒言で命を落としたという話もあるようなので、こちらの鍾馗様はイケメンで間違いないのでしょう。日本だと京都などの町家の屋根に見かけたり、端午の節句の時に飾られている強面の人形のイメージしかなかったです。
ラブコメの王道、ツンデレのイケメン鍾馗とちょっと気が強いけど可愛くて優しい孟婆。中国語を勉強しだす前は「婆」と付いているので、おばあさんだと思っていたけど、若い妻にも「老婆(ラオポ)」と使うと聞いて、孟婆=おばあさんではないのかも。
まるで官僚制度?個性的すぎる道教の神様たち
ところで、このドラマの魅力はイケメン鍾馗と可愛い孟婆、いや、それ以外にもたくさん!
冥府から逃げ出した霊たちには、それぞれの思いがあり、必ずしも悪霊とは限らず、悲しいエピソードもあります。
そして、鍾馗の上司にあたる冥府の裁判官「秦広王」は大人の色気と小悪魔的な魅力たっぷり、鍾馗に使える七星劍霊「小七」とコウモリ男「阿福」と個性的なわき役たちがキャラ立ち。
何といっても楊銘威(ヤン・ミンウェイ)演じる「城隍神」がスタイリッシュ!派手な衣装をスタイリッシュに着こなし、鍾馗の親友であり彼をからかったり、手伝ったり重要な役。
彼のスタイリッシュな服装は、日本だとオダギリジョーか金子ノブアキあたりならイケるかもです。
城隍神もこのドラマで初めて知りました。どうも道教の神様たちは官僚制度みたいになっており、城隍神は裁判官、秦広王は最高裁判所が今のところのイメージです。
道教に興味を持つ前に見たドラマだったので、若い城隍神がヨボヨボ(失礼)のおじいさんを部下として使っているのに「え?何で」と思いましたが、おじいさん部下が「あんたたちは若く見えるが、私より年上だ」と言っていたので、調べたら土地公が福相のおじいさんということでした。
耳が聞こえないふりをするのに悪口だけはばっちり聞こえちゃう可愛いおじいさん土地公です。
しかも土地公は城隍神よりも身分が下らしい。これはもっと調べてみねば!
ドラマの中で鍾馗と孟心語(モン・シンユー)が飲み比べをするシーンがあり、昔のお酒は今のお酒に比べアルコール度数が低いという話をしていました。なるほど、だから三国志の英傑たちは浴びるほどの酒を飲めたわけだと妙に納得。
悪霊たちのメークや時が止まっているシーンなどご愛嬌といった感じですが、道教の神様が現代風におしゃれな美男美女なので、興味深かったです。城隍神が鍾馗より人間の恋愛事情に詳しい?のは奥様がいるからなのか、人間界のいざこざを見ているからなのか…。
ドラマに出てくる神様たち、台湾の人たちは全部わかるのでしょうか。私は道教を知らなかった頃は城隍神も土地公も区別がつきませんでした。ただ、作中で城隍神の役割を説明するシーンがあったので、若い人たちはそうでもないのでしょうか。
日本人の私たちが神社にお参りに行くときに祭神を説明できるとは限りません。台湾の人たちは、ドラマの題材になるくらい身近な存在なのかなと思いました。

台中の廟で出会った神様
台中に行ったときに「淡溝福徳祠」と言う廟を見つけて、土地公を祀っていると知り、はい、大興奮しました。あのおじいさんの部下かい!と、ドラマとつながると何か面白いですね。
赤いたくさんの提灯とお線香の煙、鍾馗に時間を止められたかのように、私も赤い光の前でたたずんでしまいました。