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小さな身体の奥にあるもの/マフちゃんと私たちの心の交流


    大きな愛をもつ小さな存在


    言葉がなくとも小さな存在と心が通い合う

    そういう尊い経験を

    私はマフちゃんとの時間を通して
    知ることができました。

    マフちゃんは
    埼玉に住む姉家族の愛犬です。

    チワワの女の子で

    私たち家族が初めて預かったのは

    2年ちょっと前の
    姉家族の引っ越しがきっかけでした。

    ところが私たちは犬を飼った経験がない…

    そしてもうひとつ
    私には気がかりなことがありました。

    その頃の夫の体調は
    不整脈が表れて不安定な状態だったのです。

    そんな夫が

    「マフちゃんを預かってもいいよ。」
    と私に言った時

    息子と共に私は

    「ほんとうに大丈夫なの?」
    という言葉が思わず出てきました。

    犬のお世話は
    決して楽なことばかりではありません。

    毎日の食事やお散歩

    体調を気にかけること
    (特にマフちゃんは心臓の病気をもち
    お薬をのんでいました)

    何よりも
    言葉を話せない小さな命を預かるのです。

    ちゃんとお世話ができるのだろうか…

    夫の身体は大丈夫なのだろうか…

    そんなさまざまな思いがよぎりました。

    けれども夫の中では
    「大変だからやめておこう」ではなく

    マフちゃんが姉家族の引っ越しによって

    「負担がかからないようにしてあげたい」
    という思いがあったように思います。

    そしてある日

    たくさんの荷物と一緒に
    マフちゃんが私たちの家にやってきました。

    小さな身体にふわふわの毛

    初めて来た知らない家だというのに

    マフちゃんは臆する様子もなく
    家の中を元気にあちこち探検していきます。

    そして私たち一人一人に
    しっぽを振り振りしながらご挨拶です。

    撫でる時に背中を向けてくれたり
    (信頼の証だとききました)

    初対面でころんとお腹を見せてくれたり

    まるで「ここにいても大丈夫?」

    と確かめるように少しずつ
    私たちとの距離を縮めていきました。

    私は

    「なんて人懐っこくてかわいい子なんだろう」と思ってしまいました。

    けれどもその時の私は
    まだ何も知りませんでした。

    この小さな女の子との間に

    これから少しずつ
    心の交流が生まれていくことを…

    そしてもうひとつ

    私たちがマフちゃんを支えるつもりで
    始まったこの時間が

    やがて夫自身の心と身体にも
    思いがけない変化をもたらしていくことを…

    小さな身体の奥にあるもの


    マフちゃんはとても好奇心旺盛な子です。

    知らない人にも知らない場所にも
    自分からどんどん近づいていきます。

    お散歩に出れば初めて歩く道を

    「この先には何があるんだろう?」
    と言わんばかりにどんどん進んでいきます。

    そんな無邪気な姿を見ていると
    こちらまで楽しくなってしまいます。

    けれども一緒に暮らしているうちに
    私はあることに気づくようになりました。

    マフちゃんは
    ただ無邪気で人懐っこいだけでは
    ないのかもしれない…

    人の様子をとてもよく見ているのです。

    こちらが忙しくしている時には
    少し離れてこちらの様子をうかがっている

    目が合うと「もういいのかな?」
    という感じでそっと近づいてくる

    相手の様子を見ながら

    自分がどうするのかを決めているように
    感じることがよくありました。

    そんな姿を見ているうちに

    「この子はとても気遣いのできる子
    なのかもしれない」

    と思うようになりました。

    そして預けられることにも
    慣れたように見えたマフちゃんでしたが

    二日目の夜体調を崩してしまいました。

    夜中に悲しそうな声で鳴き

    夫がそばに寄り添っても
    なかなか落ち着かない…

    やがて
    お腹を壊していることがわかりました。

    その時私たちはあらためて

    「この子にとって知らない場所で
    家族と離れて過ごすことは
    やっぱり大変なことだったんだ…」

    と感じました。

    元気そうに見えても
    人懐っこく見えていても

    その小さな身体の中には

    私たちには見えない不安や寂しさが
    たくさんあったのかもしれません。

    マフちゃんのそばにいる


    その日から私たちはなるべく
    マフちゃんのそばにいるようになりました。

    家族で話をする時もマフちゃんのそばで

    眠っている時には近くで静かに見守りながら

    何かをしてあげるというよりも

    「いつもそばにいるよ」
    と伝えるような気持ちでした。

    すると不思議なもので少しずつ
    マフちゃんとの距離が変わっていきました。

    一緒にお散歩をたくさん楽しみ

    美味しそうにご飯を食べる様子を見守り

    気持ちよく眠っているかわいい姿を見つめ

    元気になれば家族みんなで喜ぶ

    そうして一日また一日と
    穏やかな時間を重ねていくうちに

    私たちの暮らしの中にマフちゃんの存在が
    静かに深く溶け込んでいきました。

    そして最初は体調を心配していた夫にも
    少しずつ変化が現れていきました。

    マフちゃんのお散歩に出かける

    外を一緒に歩く

    家に戻って嬉しそうなマフちゃんの顔を見る

    そんな毎日を重ねるうちに

    夫の身体も少しずつ元気に
    体調が改善していきました。

    そして何よりもマフちゃんと共にいると
    よく笑い表情が明るくなっていったのです。

    私と息子が心配していたのとは反対に

    マフちゃんのお世話をすることで
    夫自身の心にも新しい風が吹き込んできた

    そんなふうに感じました。

    小さなマフちゃんのリードを持って歩く
    夫の後ろ姿を見ながら

    「この子が来てくれて本当によかった!」

    そんな思いが私の中に芽生えていきました。

    私たちはマフちゃんを助けるために
    預かったはずでしたが

    いつの間にかマフちゃんの方が私たちに
    大切な物を与えてくれていたのです。

    「預かっている」から「一緒に暮らしている」へ


    特に印象に残っているのが
    マフちゃんとのお散歩です。

    マフちゃんはとにかくお外が大好き!

    一度歩いた道をちゃんと覚えていて
    同じ道ばかりではすぐに飽きてしまう

    「もっと先へ行きたい」

    と言うようにリードをぐいぐい引っ張って
    どんどん進んでいきます。

    息子とマフちゃんのお散歩は
    まるで二人の冒険の旅のようでした。

    息子が毎回違うコースを考え

    マフちゃんはその先にある
    新しい景色や匂いをおもいっきり楽しむ

    そんな時間を重ねていくうちに

    息子にとってもマフちゃんとのお散歩は
    とても大切な時間になっていきました。

    夫もマフちゃんと歩く時間を
    すごく楽しみにするようになりました。

    家の中ではマフちゃんが夫に甘える

    外に出れば夫や息子が
    マフちゃんと一緒に楽しく歩く

    そんな三人の姿を見ていると
    最初に夫の身体を心配していたことが

    遠い日のことのように
    感じられることもありました。

    私たちはマフちゃんのお世話を
    しているつもりでした。

    でもいつの間にか

    マフちゃんがいることで

    私たちの生活にも新しい時間が
    生まれていたのです。

    そして私は少しずつ気づき始めました。

    私たちだけが
    マフちゃんを見ているわけではない

    マフちゃんも私たちをしっかりと見ている

    そんな気がしたのです。

    言葉がなくても伝わるもの


    人間同士なら

    「嬉しい」
    「寂しい」
    「そばにいてほしい」

    と、言葉にすることができます。

    でもマフちゃんは言葉を話しません。

    それなのに一緒に過ごしていると

    「今、嬉しいんだな♪︎」

    「甘えたいんだな♡」

    「少し不安なのかな…」

    となんとなく感じる瞬間がよくあるのです。

    そしてこちらの気持ちも
    マフちゃんには伝わっているように思える…

    声のトーン

    ちょっとした表情

    触れ方

    そばに一緒にいる時間

    そういう言葉にならないものを通して
    少しずつ気持ちが互いを行き来している

    私はマフちゃんから

    「心が通う」ということは
    必ずしも言葉を必要としない

    ということを教えてもらったような
    気がしています。

    マフちゃんからもらったもの


    マフちゃんを預かっていた間

    私たちはマフちゃんのいろいろなことを
    気にかけていました。

    ちゃんと食べられているかな

    体調は大丈夫かな

    今日は一緒にお散歩に行けるかな

    穏やかに安心して過ごせているかな

    でも振り返ってみると

    私たちがマフちゃんを
    支えていたと思っていた日々の中で

    私たちの方もマフちゃんから

    たくさんのものを
    受け取っていたように思います。

    夫の身体が少しずつ元気になっていったこと

    明るい表情が増えていったこと

    息子に新しい散歩の時間が生まれたこと

    そして私自身も
    小さなマフちゃんの仕草や表情を見ながら

    「この子は今何を感じているんだろう?」
    と考えるようになったこと

    家族の誰かがマフちゃんに話しかける

    マフちゃんが嬉しそうにしっぽを振る

    誰かが楽しく笑っている

    そんな小さな幸せな出来事が
    家の中に柔らかな空気を作ってくれました。

    小さな存在が家族みんなの心を温かく
    少しずつ動かしていたのです。

    離れる時に気づいたこと


    一緒に暮らしている時には
    それが私たちの日常となっていました。

    朝起きればマフちゃんがいる

    家の中を歩けばどこかにマフちゃんがいる

    ご飯の時間になれば嬉しそうな顔をしている

    お散歩に行けば
    元気いっぱいに先をてくてく歩いてくれる

    そんな毎日が
    いつまでも続くような気がしていました。

    けれども帰る日が近づいてくると

    「もうこの子と一緒に
    暮らす時間が終わるんだ」

    ということを意識するようになりました。

    そして初めて気づいたのです。

    いつの間にこんなにも大きな存在に

    なっていたのだろう、と

    最初は

    「犬を飼ったことのない私たちが
    ちゃんとお世話ができるだろうか」

    と心配していたのに

    最後には

    「マフちゃんがいなくなったら
    寂しくなるな」

    と感じている…

    たった一つの小さな命が
    私たちの家にやってきて

    そして私たちの心の中に
    ちゃんと居場所を作ってくれていたのです。

    大きな愛をもつ小さな存在


    マフちゃんは人間の言葉を話しません。

    でもたくさんのことを教えてくれました。

    相手の様子を丁寧に見ること

    そっとそばで寄り添うこと

    嬉しい時には嬉しさを表現すること

    そして

    言葉はなくても心は通じること

    私たちはマフちゃんを
    「預かっている」と思っていました。

    けれども本当は私たちのほうが
    マフちゃんとの時間を通して

    たくさんのことを
    受け取っていたのかもしれません。

    夫の身体に現れていた不調が少しずつ和らぎ表情が明るくなっていったことも

    家族の中に笑顔や会話が増えていったことも

    そして何よりも

    「この小さな存在の気持ちを知りたい」

    と思う心が
    私たちの中に育っていったことも…

    小さな身体

    小さな足

    小さな声

    けれどもその存在が私たちの心に
    残したものはとても大きなものでした。

    だから私はマフちゃんのことを

    「大きな愛をもつ小さな存在」

    と呼びたくなるのです。

    言葉がなくても心は通う

    一緒に過ごした楽しい時間は
    心の中に大切に残っていく

    そして誰かを大切に思う気持ちは

    いつの間にか自分自身の心まで
    温かくしてくれる…

    そんなことをマフちゃんが教えてくれました。

    そしてこの時の私たちは
    まだ知りませんでした。

    マフちゃんとの時間が
    これで終わりではなかったことを…

    その後私たちはまたマフちゃんと一緒に
    しばらく暮らすことになります。

    今度はこれまでよりも
    ずっと長い時間をかけて…

    そしてそこにはまた新しい
    「心の交流」が待っていたのです。


    最後までお読みいただき
    どうもありがとうございました!


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    sally

     
     
    葛藤の多い人生で自分を見失いがちだった私に、トートタロットというとても信頼できる導き手との出会いがありました。 心が望む『自分の本当の道』をトートが示してくれることで心の声を聞く大切さを知り、そこから始まった自分自身の変化などもお伝えすることができれば嬉しいです。

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