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この子にとっての幸せは何だろう/マフちゃんと過ごした春から秋

    マフちゃんと過ごした長い春から秋へ

    今年に入ってから姉家族は
    実家じまいを本格的に進めていました。

    これまでに実家の家の中の片づけは
    姉家族がほとんど終えていました。

    けれども築60年近くになる物件を
    手放すためには

    まだいろいろなことが残っていました。

    家の中だけではなく外回りの確認など
    ご近所との境界線の確認や土地の状態

    地面の中に何か埋まっているものがないか
    など調べなければならないこともあります。

    そのための測量やさまざまな見積もり

    一つひとつに専門の業者さんとの
    やり取りも必要でした。

    こうしたことを
    不動産屋さんにお願いすれば

    負担はかなり軽くなったのだと思います。

    けれども姉家族はできるだけ
    自分たちで進めることに決めたようでした。

    その結果、埼玉で暮らしながら
    実家のある横浜へ

    何度も通うことになったのです。

    たくさんの業者さんとの連絡や予定の調整

    現地で確認しなければならないことも
    次々と出てきます。

    そんな中で私たちが心配したのが
    マフちゃんのことでした。

    シニア期に入っている小さな身体にとって

    埼玉と横浜を行き来する長距離の移動や
    場合によっては泊まりがけにもなる状況

    環境の変化が重なることは大きな負担になり

    かといって長時間留守番をさせることも
    できません。

    そんなこともありさまざまな事情も重なって

    今年の4月末からマフちゃんを
    私たちの家で預かることになりました。

    そして気がつけば、春から秋へ…

    当初の予定を大きく超えて長い時間を
    一緒に過ごすことになったのです。

    「一度、こちらの病院とも繋がっておきたい」

    マフちゃんには心臓の病気があります。

    そこでこちらで預かっている間にも
    経過を把握できるようにと

    姉家族から私の自宅近くにある
    動物医療センターへ顔繋ぎをしておきたい、と相談がありました。

    とても中途半端にも思えるそんな要望を

    近くの動物医療センターは
    受け入れて下さったのです。

    姉夫婦と預かり家代表の夫が一緒に
    動物医療センターへ行き検査を受けながら

    現在の状態を確認しました。

    幸い、その時点では大きな問題はなく
    今のところ現状維持でよいとのことでした。

    ほっとしたのも束の間

    その後マフちゃんの体調に
    変化が出始めました。

    三日に一度ほどのとても短い間隔で
    下痢や嘔吐を繰り返すようになったのです。

    薬を飲めば一度はよくなる。でも……

    最初は長距離の移動をした直後に
    大きな検査を受けたことも

    影響しているのではないかと思いました。

    けれどもどうやらそれだけでは
    なさそうでした。

    体調を崩すたびに
    自宅から数分の動物病院へ連れていきます。

    吐き気止めの注射をしてもらい
    下痢止めや整腸剤を処方していただく

    薬を飲むと、一時的には回復します。

    ところが、またしばらくすると
    体調を崩してしまう…

    それがひと月ほど続きました。

    寒暖差の激しい時期でもありましたし
    シニアになった身体の変化もある

    さまざまな要因が
    重なっていたのだと思います。

    しばらく様子を見ながら体調の変化を
    できるだけ丁寧に観察していきました。

    そしてある程度様子を見たところで

    その動物病院で血液検査と内臓の検査を
    受けることにしました。

    検査の結果、

    胃腸をはじめ、内臓そのものに
    大きな疾患はないことがわかりました。

    その結果を聞いた時病気ではないことに
    ほっとして安心しました。

    けれども同時に

    「では、いったい何が原因なのだろう?」

    という疑問が残りました…。

    「もしかしたら食事なのでは?」

    内臓に大きな問題がないのだとしたら

    そこで夫が考え始めたのが

    「毎日食べているものに
    原因があるのではないか?」

    ということでした。

    マフちゃんはもう12歳のシニア犬です。

    若い頃と今とでは身体の状態も

    必要な栄養も消化する力も
    違っているはずです。

    それなのにこれまでと同じような食生活を
    続けていて本当に大丈夫なのだろうか…

    そこから夫はマフちゃんの食生活を
    一から見直し始めました。 

    「この子の食事、本当にこれでいいのかな?」

    もともとマフちゃんは
    食べ物をかなり選ぶ子だったようです。

    そして食べ物に薬を混ぜて飲ませる
    必要もあるため

    何よりもまず

    「マフちゃんが食べてくれるもの」
    を選ぶことになっていったようでした。

    夫は預かっていた食べ物を一つひとつ
    調べ始めました。

    一個あたりのカロリーや成分、
    どのくらいの量を食べていたのか

    マフちゃんの年齢や体格から考えて

    今の身体に必要なエネルギー量は
    どのくらいなのか

    細かく調べ、計算していきました。

    そしてそこで思いがけないことが
    わかりました。

    預かっていた食べ物のほとんどが

    「ごはん」ではなく

    「おやつ」だったのです…。

    私はそれを知ったとき
    少し怖いような気持ちになりました。

    12年という時間の中で

    もちろん、そこには理由がありました。

    マフちゃんはグルメで食べるものを選ぶ子

    薬を飲ませるためにも
    食べてくれるものを選ばなければならない

    「食べてくれるものを食べさせたい」

    そんな思いから少しずつそういった
    食生活になっていったのだと思います。

    また、一見ごはんのようにみえるおやつが
    たくさんありました。

    袋の裏側を見れば「おやつ」の表示があり
    確認をすればわかったのかもしれませんが
     
    姉家族はいつもいろいろなことに追われ
    心の余裕を失ってしまう…

    誰かがマフちゃんを大切に
    思っていなかったわけではありません。

    むしろ食べてくれるものを探して
    薬を飲ませようとしてきた

    そこにはその時々の家族の思いが
    あったのだと思います。

    けれども若い頃には問題にならなかった
    食生活も年齢を重ね身体が変化していくと

    同じようにはいかないことがあります。

    特にマフちゃんはとても小さな身体です。

    肉類なども多く含まれていた
    それまでの食事が

    シニアになった今の胃腸には
    負担になっていた可能性も考えられました。

    振り返ってみるとこの12年間の食生活が

    今のマフちゃんの体調に
    大きく影響していた可能性もある…

    そんなことまで考えさせられました。

    だからこそ

    「今のマフちゃんには今のマフちゃんに合った食事を」

    と、夫は食生活を全面的に見直しました。

    小さな身体に必要なものを一から考える

    マフちゃんの年齢と体格に合わせて

    必要なエネルギー量と食事量を
    あれこれ調べて細かく計算しました。

    そしてその内容を
    獣医師の先生にも見ていただきました。

    先生にも確認していただいたうえで

    療法食のカリカリとウェットフードを
    紹介していただき

    食事内容を大きく見直すことになりました。

    食事の内容を変えるだけではなく
    食べる回数についても考えました。

    一度にたくさん食べるよりも
    胃腸が弱っているマフちゃんには

    回数を増やして一回の食事でかかる負担を
    少なくした方がよいのではないか

    実際に様子を見ながら
    いろいろと試していきました。

    少しずつ、身体が教えてくれたこと

    ただ、食事を変えたからといって
    翌日から元気になったわけではありません。

    それまで長い時間をかけてできてしまった
    身体への負担は

    やはり少しずつしか
    変わっていかなかったのだと思います。

    それでも、変化はありました。

    三日に一度だった体調不良が
    一週間に一度になり

    やがて十日ほど
    間隔があくようになりました。

    そして少しずつ体調が安定していきました。

    今では、驚くほど元気になりました。

    寒暖差などで
    少しお腹を壊すことはあっても

    以前のように吐いてしまうことは
    なくなりました。

    そして何よりも

    毛並みが以前にも増して
    ツヤツヤになってきたのです。

    その姿を見るたびに

    「身体って、ちゃんと教えてくれるんだな」

    と感じました。

    食べることは生きること

    今回のことを通して
    改めて感じたことがあります。

    それは

    食事は本当に大切だということ

    人間も動物も同じで

    毎日身体の中に入れるものが
    身体をつくっていく…。

    もちろん食べ物だけで
    すべてが決まるわけではありません。

    年齢や体質、持病、生活環境、季節の変化

    いろいろなことが関係しています。

    だからこそその子の今の状態を見ながら

    食べるものも
    変えていく必要があるのだと思います。

    12年という時間の中でマフちゃんは
    少しずつ身体を変化させてきました。

    若い頃には問題にならなかったことが

    シニアになった今身体からのサインとして
    現れてきたのかもしれません。

    今回の長い預かり期間がなければ

    私たちがここまで丁寧に気づいてあげる
    ことはできなかったかもしれません。

    「大切にする」ってどういうことなのだろう

    そして今回もう一つ
    深く考えさせられたことがあります。

    それは

    「動物を本当に大切にするって
    どういうことなのだろう」

    ということでした。

    マフちゃんには心臓の病気があります。

    だから定期的に検査をして
    経過を見ていくことは大切です。

    姉家族もマフちゃんの病気が
    悪化しないようにと考えて

    地元の病院で2~3か月に一度
    心臓のエコー検査を受けさせています。

    その気持ちは私にもよくわかります。

    大切だからこそ
    悪くなっていないか知りたい

    少しでも早く変化に気づきたい

    飼い主としてそう思うのは
    自然なことだと思います。

    けれども最近のマフちゃんは
    その検査をとても嫌がるようになりました。

    超小型犬であるマフちゃんにとって
    検査そのものも身体への負担になります。

    血液検査ひとつをとっても

    身体の小ささを考えれば
    負担は決して軽くはありません。

    (その子が大きくても小さくても
    検査項目は同じなので同じ量を採血する)

    そう考えたとき

    「検査をすること」と

    「その子を大切にすること」は
    いつも同じ意味なのだろうか…と

    そんな疑問が
    私の中にわいてくるようになりました。

    飼い主の安心とその子の安心

    もちろんこれは姉家族の考え方を
    否定しているわけではありません。

    病気がある以上必要な検査はあります。

    どのくらいの頻度で
    どんな検査をすることが適切なのかは

    マフちゃんの状態を診ている
    獣医師の先生と相談しながら

    決めていくことなのだと思います。

    私自身も医療の専門家ではありません。

    だからこそ今回のことを通して感じたのは

    「飼い主が安心するための医療」と

    「その子にとって本当に必要な医療」を

    いつも丁寧に見つめていきたい
    ということでした。

    病院にもそれぞれの考え方があります。

    今回私たちが相談した動物病院も
    心臓の専門医がいる動物医療センターも

    マフちゃんの身体のことを
    よく考えながら対応してくださいました。

    だからこそ

    「病院に任せておけば大丈夫」

    ではなく

    飼い主自身が
    その子の日々の様子をよく見て

    いつもと何が違うのか

    今、本当に必要なことは何なのか

    一緒に考えていくことも
    大切なのではないかと思いました。

    言葉を話せない小さな命だから

    人間なら

    「今日は胃が重いよ」

    「この薬はちょっとつらいよ」

    「この検査は怖いよ」

    と、自分で伝えることができます。

    でもマフちゃんは言葉を話せません。

    だからこそ

    食べ方(食欲はあるか)

    眠り方(安心して眠れているか)

    歩き方(元気よく歩けているか)

    表情(感情表現が自然であるか)

    毛並み(艶やフワフワ加減など)

    排泄(食べてちゃんと出ているか)

    そしていつもと少し違う小さな変化など

    そういうものを私たち人間が
    見つけてあげなければならない

    今回、夫が食事を一つひとつ調べたことも

    私が毎日のマフちゃんの様子を
    細かく見守っていたことも

    息子がマフちゃんが好きないろいろな場所へ
    毎日お散歩に連れていってくれたことも

    病院の先生方が
    身体への負担を考えてくださったことも

    全部がひとつに繋がって

    今の元気なマフちゃんに
    繋がっていったのだと思います。

    長くなった「預かり期間」にも意味があった

    春から始まったマフちゃんとの暮らしは
    予定していたよりずっと長くなりました。

    その間心配なことがいろいろありました。

    何度も病院へ行きました。

    食事も一から見直しました。

    体調が安定するまで長い時間が必要でした。

    けれども今振り返ってみると

    この長い預かり期間はマフちゃんにとって
    すごく重要な期間だったのかもしれない

    そんなふうに思えるのです。

    もし短い期間で帰ってしまっていたら

    これほど丁寧に食事を見直すことも

    体調の変化を細かく追いかけることも

    できなかっただろうと思います。

    「預かる」ということから始まった時間が
    いつの間にか

    「この子の身体と心を一緒に見つめる時間」

    になっていました。

    11月マフちゃんはお家へ帰ります

    11月の初めには
    マフちゃんは姉家族の元へ帰る予定です。

    そう思うと少し寂しい気持ちはあります。

    毎朝目覚めればすぐそばにマフちゃんが
    いることが当たり前になっていたからです。

    けれども今はそれ以上に
    元気になったマフちゃんを

    見送れることをとても嬉しいと思っています。

    ツヤツヤになった毛並み

    感情表現がとても豊かな表情

    元気に動く小さな身体

    その姿を見ながら「本当によかったね」
    と心から思います。

    マフちゃんが残してくれた問い

    今回の春から秋までの時間は

    ただ「犬を預かった」
    という出来事ではありませんでした。

    小さな身体を持つひとつの命と暮らし

    その身体の変化を見つめ

    食べるものを考え

    医療について考え

    そして

    「本当にこの子にとって幸せなことは何だろう」
    と考える時間でした。

    動物を家族として迎えるということは

    可愛がることだけではないのだと思いました。

    食べるものを選ぶこと

    身体の変化に気づくこと

    必要な医療を受けさせること

    そして時には

    「今本当にこの子に必要なのは何だろう?」

    と立ち止まって考えること

    人間の都合や安心だけではなく
    その子の小さな声にも耳を澄ませること

    それもまた

    命を預かる私たち人間の
    大切な役割なのだと思います。

    マフちゃんはもうすぐお家へ帰ります。

    けれどもこれで終わりではありません。

    これからもっと年齢を重ねていけば
    また身体の変化が出てくるでしょう。

    そのたびに私たちにできることを
    一緒に考えていきたいと思います。

    遠く離れていても

    何か変化があれば支えてあげられるように

    そして必要な時にはまたいつでも
    私たちの家へこられるように…

    そんな場所でありたいと思っています。

    マフちゃんの小さな身体の中には

    私たちが思っている以上に
    たくさんのことが詰まっています。

    言葉を話せないからこそ
    その小さな変化に気づいて

    「大丈夫かな」と思ったら
    一度立ち止まって考えてみることが

    大切なことだと感じました。

    そして何よりも

    その子の目線に立って

    「この子にとっての幸せは何だろう」
    と問い続けること

    マフちゃんと過ごした
    この半年あまりの時間は

    私たちにそんな大切なことを
    教えてくれました。

    11月、元気になったマフちゃんを
    送り出す日まで

    今日もまた

    小さな身体をそっと撫でながら

    「マフちゃん、これからもっともっと
    楽しくなるね!」

    と話しかけています。

    言葉は届かなくても 
    きっと心は届いている

    そんな気がしています…。


    最後までお読みいただきまして
    どうもありがとうございました!

    追記
    姉から連絡があり業者とのやり取りが
    まだ先まで続く見通しとなり
    マフちゃんの帰宅は更に未定となりました。
    その間大切にお世話していきます。


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    sally

     
     
    葛藤の多い人生で自分を見失いがちだった私に、トートタロットというとても信頼できる導き手との出会いがありました。 心が望む『自分の本当の道』をトートが示してくれることで心の声を聞く大切さを知り、そこから始まった自分自身の変化などもお伝えすることができれば嬉しいです。

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