
同人誌即売会の出店者側として「声かけ」はどうありたいか
11月に開かれる文学フリマ東京43に向けて、本も刷り上がったし、当日に向けた想いがどんどん膨れている。楽しみが大きいが、当日はどんな1日でありたいか、その方向を定めたい。
例えば、ブースに訪れてくれた人への「声かけ」のあり方だ。きっと多くの出店者は、この加減をどうするのかに悩み、模索しているだろう。ZINEフェスなども含め、これまでいくつかの出店イベントに参加してきたが、最適解が今のところ見つからない。
「声かけ」にはふたつ種類があると思っている。ひとつは「足を止めてもらう」ための声かけで、もうひとつは「足を止めてもらったあと」の声かけだ。方向性が違うものだから、当然話題も変わるのが分かる。「コトデル」も「やまなし文芸倶楽部」も有名サークルではないので「足を止めてもらうための声かけ」も必要だ。そこで活用できるのが無料配布の手配りだが、そのとき何と言うかで相手の興味も変わると思う。
以前出店したイベントの隣のブースがすごかった。目の前を過ぎ行く人に1冊のコピー本を差し出し、
「これ、昨日作りました」
たったこのひと言で、ほとんどの来場者が足を止めたのだ。狡いほどに皆、彼のZINEに興味を示した。なら自分も、土壇場で本を作るか? それもひとつの手ではあると思う。たぶんだが、どちらかというと私は来場者と会話がしたい方の出店者だ。だから正直、隣の出店者が羨ましかった。自分が作ったものの話を聞いてもらえるなんて。
一方、自分に興味を持ってもらうばかりでなく、相手への興味を示すコミュニケーションも必要では? と、思う。ここが「足を止めてもらったあと」の声かけに必要な要素ではないだろうか。相手の関心にどこまで気づけ、言葉にして引き出せるかで、その人に合った頒布物をすすめやすくなる気がしている。
とはいえ、見本誌やグッズを見てもらっているときは、余計な口を挟まず「何かあったらいつでも答えられますからね」というスタンスでそこにいたい。相手のストレスにならない程度の観察眼で、いざという時に相手の興味のあることで話しかけたい気持ちでいる。自分のブースに訪れた人の普段や考えていることが垣間見れたらいい。
当日はどんな出会いがあるか、また、どんな自分の感情と遭遇するかも含めて、怖いようで、やはり楽しみだ。来場する人はぜひ「コトデル」「やまなし文芸倶楽部」へも訪れてほしい。

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