
待つ時間〜宇宙の塵となるこの身なれど
「3rd発進シークエンスへ移行」
下級兵士の任務は、量産型ロボットで宇宙に散らばった敵の数減らしである。操縦はトラックボールと床のセンサーで事足りる設計。全方位パネルに母艦の制御センターの指示が表示される。隊列の3番目に俺はいる。今は待つ時間だ。
帰還後の機体整備で、背中に金色の星型鉱石が埋め込まれる。先頭はそこそこに星があるが、俺の前の機体には星がない。新兵だ。
ちなみに俺の背中には、先頭の倍の星が輝いている。
「2nd発進シークエンスへ移行」
命が一つ散るたび、この母艦から一体出撃する。操縦用にパイロットの手足に埋められたタグは戦況データも送信する。
いきなりドオンと音がした。
新兵のロボットが持つ盾が落ちたのだ。緊張しているのか。
「カウントダウン開始」
新兵の出撃を見送ってすぐ俺の番がきた。宇宙の塵となるのはわかっている。だが、ロボットと一体化する操縦を鍛錬してきたのは生き残るためなのだ。
出撃。もう、戦場しか見えない。
<あとがき>
ものがたりの中の戦争で存在する名も無き兵士のモノローグです。どうか生き残り続けて、仲間たちに操縦のコツを教えてあげてください。生き残り続けて、出世して、戦争を止めてください。と、勝手に脳内でスピンオフしてます。平和になりますように。