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[巡思録6]馬

    いつもお世話になっている #風まかせ文芸部 さんのお題用にとまとめていたのだが、期日に間に合わなかったのでこちらで——

    [追記]
    と思っていたのですが、企画主催者の i 様に拾っていただきました。
    ありがとうございます!


    では続きを——
    「馬」と言われてまず思い出すのがメリーゴーラウンドの木馬だ。
    なかでも、『としまえん』にあった『カルーセルエルドラド』が大好きだった。

    電球のノスタルジーな光
    動くとギシギシ鳴る音
    ラッパを吹く美女たちに
    馬に混ざって走るブタ

    なぜブタがメリーゴーラウンドで走っていたのかはいまだに謎だが、幼かった私はその美しさの虜になった。

    訪れた際には乗るだけでなく、外から眺めて楽しんだりもした。
    親は「乗らなくていいのか?」と幾度となく聞いてきたが、私はその全貌を眺めていることが好きだったのだ。

    そう、特に夜。
    日が落ちてからの姿が美しかった。

    遊園地といえば、どこもかしこも煌びやかなイメージがあるが、エルドラドの周りは木々が多かったように思う。
    近場の施設も館内ライド系(伝説的ライドアトラクション『AFRICA』や『MYSTERY ZONE』)であったように記憶している。

    そのためカルーセルの周りは薄暗く、木々の間に浮かび上がる幻想的な木馬は、今でも私の中で一番美しいメリーゴーラウンドの姿だ。

    遠方(といっても1時間圏内だが)にもかかわらず、父の仕事の関係で《木馬の会》の会員だった我が家は、遊園地といえば『としまえん』だったし、父の会社の運動会も『としまえん』内にあった広場で行われた。
    今考えると、凄い時代だなと思う。

    閉園の知らせを聞き、最後にもう一度その姿を見に行きたかったが、日々に忙殺されその願いは叶わないまま、思い出の場所『としまえん』は静かに閉園した。

    心に一片の後悔を抱えたまま迎えた午年。
    この文章を書くにあたり、『カルーセルエルドラド』について調べてみたところ、なんと横浜・八景島シーパラダイスに移設されたという記事を見つけた。
    閉園時も移設の話は耳にしていたが、具体的な場所まで記憶していなかったので、再会のチャンスを見つけて、私は色めき立った。

    『カルーセルエルドラド』に会いに行く!

    熱い思いを胸に、私は今年の目標を一つ追加したのだった。

     
     
    《たりきもと》と読みます。 40を過ぎて、やりたいこと、やりたかったことを即行動に!を目標に色々やってみています。 こちらでは自作小説を中心に活動していきたいです。 江戸川乱歩、宮沢賢治、赤川次郎、梨木香步 作品をよく読んでいた人です。 遠方ですが、海も好きです。

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