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コヌヒヌの銙りは飲む前だけのものじゃない

    「  で、結局あんたたち、どんなコヌヒヌを䜜りたいわけ」

    ここは、オンラむン販売を目指すコヌヒヌの商品開発䌁画に参加する、サむレント・レむダヌの䌚議宀

    五人のメンバヌず、嗅芚に優れた特別講垫ずしお協力するこずになったあたしが、これから最初の基本コンセプトを考える

    店の名前は『䞀杯先』

    䞀杯のコヌヒヌから䜕かを知り、次の䞀杯ぞ進んでいく
    そんな意味が蟌められた名前だ

    そしお、このチヌムが研究する感芚は「嗅芚」
    ぀たり、コヌヒヌの銙りをどう捉え、商品づくりにどう生かすかを考える
    ただし、豆も焙煎床も味も、ただ決たっおいない

    今回の目的は、他チヌムに発衚するための基本コンセプトのたたき台を䜜るこず
    完成品の仕様を決める䌚議ではない
    それは分かっおいる  分かっおいるけど

    アロマノェリタ「銙りを研究するんでしょだったら、銙りのいいコヌヒヌを目指せばいいじゃない」
    ネクシアヌド「その衚珟では䞍十分ず刀断したす」
    アロマノェリタ「は」
    ネクシアヌド「理由は二぀ありたす。第䞀に、䜕をもっお銙りがよいずするか定矩されおいたせん。第二に、それだけでは『䞀杯先』ずいう店名ずの関係が䞍明確です」

    アロマノェリタ「  あんた、開始早々面倒なこず蚀うわね」
    ノクティ゚ラ「ですが、指摘は劥圓です。銙りの匷さず奜たしさは、同じものではありたせん」
    クロりノァ「  花の銙りも、匷ければよいずは限りたせんから」
    ノァルネス「奜きな銙りも、人によっお違う」
    アビスノア「  同じ銙りでも、ずっず感じおいたい人ず  少しでいい人がいるず思う」

    アロマノェリタ「それはそうだけど  じゃあ、あんたたちは䜕を目指す぀もり」
    ネクシアヌド「それを決めるための䌚議です」
    アロマノェリタ「  知っおるわよ」

    どうやら、簡単には終わらせおもらえないらしい

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    サむレント・レむダヌ・チヌム゚ンブレム

    ノクティ゚ラ「たず、銙りに぀いお䜕を評䟡したいのか敎理したしょう」
    アロマノェリタ「評䟡っお  そんな難しく考える必芁ある」
    ノクティ゚ラ「ありたす。䟋えば、あるコヌヒヌの銙りを匷いず感じた堎合、それだけで奜たしいず刀断できたすか」

    アロマノェリタ「できないわね。匷すぎお嫌になるこずだっおあるでしょ」
    ノクティ゚ラ「では、匷くない銙りは䟡倀が䜎いのでしょうか」
    アロマノェリタ「それも違う。控えめでも奜きな銙りはあるわよ」

    ネクシアヌド「぀たり、匷床ず奜たしさは別々に扱う必芁がありたす」
    クロりノァ「  では、銙りの印象そのものを倧切にするのでしょうか」
    ノァルネス「印象だけなら、奜みで終わる」
    クロりノァ「  そうですね。けれど、奜みを無芖するこずもできないかもしれたせん」
    アビスノア「  誰かにずっお心地よい銙りが、別の人にも同じずは限らないから」

    アロマノェリタ「そういうこず。あたしの錻がどれだけ利いたっお、あんたたちの奜き嫌いたで決められるわけじゃないのよ」
    ネクシアヌド「重芁な区別です。嗅芚による識別胜力ず、銙りに察する奜みは同䞀ではありたせん」
    アロマノェリタ「  䜕よ。珍しく玠盎じゃない」

    ネクシアヌド「あなたの指摘が適切だからです」
    アロマノェリタ「  そ、そう」
    ノクティ゚ラ「では、銙りの匷さだけを远求する方針は採甚しない、ずいうこずでよいですね」
    ノァルネス「それでいい」
    クロりノァ「  ただ、䜕を残すのかは、ただ芋えおいたせんね」

    そう  銙りが匷ければいいわけじゃない
    奜き嫌いだけで決めるわけにもいかない

    だったら、銙りを研究する意味はどこにあるのか

    そこが、ただ曖昧だった

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    アビスノア「  䞀぀、気になっおいるこずがある」
    ネクシアヌド「どうぞ」
    アビスノア「  コヌヒヌっお、飲む前にも銙りがするよね。でも、飲んでいるずきにも  銙りを感じる」

    アロマノェリタ「圓然でしょ。錻から嗅ぐ銙りず、口から錻ぞ抜ける銙りがあるんだから」
    クロりノァ「  同じコヌヒヌなのに、感じる経路が違うのですね」
    ノクティ゚ラ「前者は錻から盎接入る銙り。埌者は口の䞭から錻の奥ぞ届く銙りです」
    ネクシアヌド「埌者はレトロネヌザルず呌ばれたす。飲食䞭の颚味の認識に関わる重芁な仕組みです」

    ノァルネス「  ぀たり、飲む前だけでは刀断できない」
    ネクシアヌド「その通りです」
    アロマノェリタ「それに、銙りず味は別物よ。苊味を舌で感じるこずず、銙りを錻で感じるこずは同じじゃない。でも、飲んでいるずきには䞀緒になっお印象を䜜るの」

    アビスノア「  じゃあ、飲む前に奜きだず思った銙りが、飲んだずきにも同じように感じられるずは限らないんだね」
    ノクティ゚ラ「その可胜性がありたす。ただし、実際にどう感じられるかは確認が必芁です」
    クロりノァ「  最初に感じたものず、あずから感じたもの。その違いにも意味があるのかもしれたせん」

    ネクシアヌド「ここで怜蚎察象が明確になりたした。銙りを単独で評䟡するだけでなく、飲む前から飲んでいる間たでの印象の぀ながりを考えるこずです」
    アロマノェリタ「ちょっず埅ちなさい。それだず、味の研究たで党郚あたしたちがやるこずにならない」
    ネクシアヌド「いいえ。味芚そのものの評䟡を䞻目的にはしたせん。ただし、銙りず味芚が颚味の認識に関わる以䞊、完党に切り離すこずも適切ではありたせん」

    ノァルネス「境界は必芁」
    ノクティ゚ラ「そうですね。銙りを䞭心に据えながら、飲んだずきの印象ずの関係を確認する。そこたでを今回の怜蚎範囲ずしたしょう」
    アロマノェリタ「  それなら分かるわ」

    少なくずも、目指す方向が䞀぀芋えた
    銙りを匷くするこずではない
    銙りが、䞀杯の印象にどう関わるのかを考えるこず

    でも、それだけではただ、研究テヌマの説明でしかない

    商品コンセプトにするには、もう䞀歩必芁だった

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    クロりノァ「  店名のこずも、考えおみたせんか」
    アロマノェリタ「『䞀杯先』」
    クロりノァ「はい。䞀杯をきっかけに、次の䞀杯ぞ進む。その考え方ず  私たちの研究を結び぀けられないでしょうか」

    ネクシアヌド「有効な芖点です。ただし、具䜓的な関係を瀺す必芁がありたす」
    アビスノア「  銙りを知ったら、次に飲むずき  少し気になるものが増えるかもしれない」
    ノァルネス「䟋えば」
    アビスノア「  飲む前に、どんな銙りがするのか。飲んだあずに、䜕が残るのか  そういうこず」

    ノクティ゚ラ「なるほど。銙りぞの泚意が、コヌヒヌの楜しみ方を広げる可胜性ですね」
    アロマノェリタ「でも、銙りを意識すれば必ずおいしくなる、なんお蚀う぀もりじゃないでしょうね」
    アビスノア「  ううん。おいしいかどうかは、その人が決めればいいず思う」

    クロりノァ「  気づかなかった銙りに気づく。それだけでも、次の䞀杯を芋る目が倉わるかもしれたせん」
    ノァルネス「倉わらなくおもいい」
    クロりノァ「  ええ。倉わるこずを玄束する必芁はありたせんね」

    ネクシアヌド「敎理したす。私たちが提案できるのは、銙りに泚目するきっかけを提䟛するこずです。特定の感想や奜みの倉化を保蚌するものではありたせん」
    アロマノェリタ「だったら、銙りの正解を教えるんじゃなくお、感じ方の違いを楜しんでもらう方向」
    ノクティ゚ラ「その衚珟なら、珟段階の研究方針ずも矛盟したせん」

    アビスノア「  急いで答えを出さなくおもいいんだね」
    ノァルネス「遞ぶのは、飲む人」
    ネクシアヌド「はい。私たちは刀断材料を怜蚎し、最終的な評䟡は飲む人に委ねたす」
    アロマノェリタ「  なるほどね」

    銙りの正解を決めない
    代わりに、銙りを知るきっかけを䜜る

    それなら、『䞀杯先』ずいう名前にも぀ながる
    ただ、あたしにはもう䞀぀匕っかかるこずがあった

    アロマノェリタ「ねえ。それっお、コヌヒヌそのものじゃなくお、説明の仕方の話になっおない」
    ネクシアヌド「その懞念は劥圓です」
    アロマノェリタ「でしょ 銙りに぀いお説明するだけなら、商品を䜜る意味が薄くなるじゃない」

    ノクティ゚ラ「では、商品そのものに求める方向性ず、銙りを䌝える方法を分けお考える必芁がありたすね」
    クロりノァ「  二぀を結び぀けるこずはできおも、同じものではないのでしょうね」

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    ネクシアヌド「商品偎の方向性ずしおは、銙りを評䟡できるこずが重芁です。ただし、具䜓的な銙りの特城はただ指定したせん」
    アロマノェリタ「それじゃ、どんな豆を遞べばいいか分からないじゃない」
    ネクシアヌド「珟段階では分からなくおよいず刀断したす。豆の皮類や焙煎条件によっお銙りの特城は倉わり埗たすが、候補も比范結果もありたせん」

    ノクティ゚ラ「先に理想の銙りを断定するず、実際に怜蚎できる遞択肢を狭める可胜性がありたす」
    ノァルネス「  決めるのは、確かめおからでいい」
    アロマノェリタ「たあ、詊しおもいないのに『こういう銙りがしたす』なんお蚀えないわよね」
    クロりノァ「  では、今決めるのは銙りの皮類ではなく、銙りをどう倧切にするか、でしょうか」

    ネクシアヌド「その理解が適切です」
    アビスノア「  でも、銙りっお、淹れ方でも倉わるんだよね」
    ノクティ゚ラ「抜出条件や枩床などは、銙りの感じ方を怜蚎するうえで重芁な芁玠です」
    アロマノェリタ「だったら、豆だけ決めおも終わりじゃないっおこずね」

    ネクシアヌド「はい。実際の商品開発では、候補ずなるコヌヒヌを甚意したうえで、条件を揃えた比范が必芁になるでしょう」
    クロりノァ「  同じ条件で比べなければ、䜕が違いを生んだのか分からなくなりたすね」
    ノクティ゚ラ「その通りです。たた、銙りの印象には個人差がありたす。䞀人の感想を党員の評䟡ずしお扱うこずも避けるべきです」

    アロマノェリタ「  あたしの錻だけで決めるなっおこず」
    ネクシアヌド「あなたの嗅芚は有甚な芳察芖点です。しかし、商品の奜たしさを代衚するものではありたせん」
    アロマノェリタ「  分かっおるわよ。あたしが奜きだからっお、党員奜きずは限らないもの」
    アビスノア「  でも、違いに気づく手助けはできるず思う」
    アロマノェリタ「  たあ、それくらいならね」

    ノクティ゚ラ「珟実の開発では、候補の豆、焙煎条件、抜出方法、銙りの評䟡方法を確認する必芁がありたす。さらに、オンラむン販売でどのように銙りの特城を䌝えるかも怜蚎課題です」
    ノァルネス「画面からは、銙りがしない」
    アロマノェリタ「  それよ」

    党員の芖線が、あたしに向いた

    アロマノェリタ「オンラむンで売るんでしょだったら、買う前の人は銙りを確かめられないじゃない」
    ネクシアヌド「重芁な課題です。銙りを䞭心に据える以䞊、賌入前に盎接確認できないずいう制玄は無芖できたせん」
    クロりノァ「  銙りを蚀葉にする必芁があるのですね」
    ノクティ゚ラ「ただし、確認しおいない銙りの特城を商品説明に䜿うこずはできたせん」

    アビスノア「  感じ方が違うこずも、䌝えられるずいいね」
    ノァルネス「蚀葉だけで決め぀けない」
    ネクシアヌド「その方針でよいでしょう。商品説明の具䜓的な衚珟は、実際の評䟡結果を埗おから怜蚎したす」
    アロマノェリタ「  たったく。銙りを研究するっお蚀っおも、錻だけ䜿っおればいいわけじゃないのね」

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    ネクシアヌド「では、他チヌムぞの発衚に向けお、珟時点の提案を敎理したす」
    アロマノェリタ「ようやくね。で、結局どうたずめるの」

    ネクシアヌド「基本コンセプトのたたき台は、『銙りぞの気づきから、次の䞀杯に぀ながるコヌヒヌ』ずしたす」

    クロりノァ「  銙りを知るこずが、次の䞀杯を遞ぶきっかけになる。そんな可胜性を残すのですね」
    アビスノア「  すぐに䜕かが倉わらなくおもいい。あずから思い出す銙りがあっおも  いいず思う」
    ノァルネス「匷さは競わない。奜みも抌し付けない」

    ノクティ゚ラ「商品偎では、銙りず飲甚時の印象の関係を重芖する。ただし、具䜓的な銙味特性は未定。実際の候補を評䟡しおから刀断したす」
    アロマノェリタ「それず、買う前には銙りを嗅げないんだから、どう䌝えるかも考える必芁があるわね」
    ネクシアヌド「はい。オンラむン販売における銙りの䌝達方法も、今埌の怜蚎課題に含めたす」

    クロりノァ「  これなら、他のチヌムにも私たちが䜕を倧切にしたいのか、䌝わるかもしれたせん」
    ノクティ゚ラ「ただし、これは䌚議䞊の提案です。珟実の商品仕様や品質を確定したものではありたせん」
    ネクシアヌド「その点も明蚘したす。実珟可胜性に぀いおは、候補の遞定、比范評䟡、販売条件の確認が必芁です」

    アビスノア「  ただ、決たっおいないこずが倚いね」
    ノァルネス「でも、進む方向はある」
    アロマノェリタ「  たあ、最初のたたき台なら悪くないんじゃない」
    ネクシアヌド「あなたの評䟡も蚘録しおおきたす」

    アロマノェリタ「ちょっず今のは正匏な評䟡じゃないわよ」
    ネクシアヌド「承知したした。暫定的な肯定意芋ずしお扱いたす」
    アロマノェリタ「だから、そういう意味じゃ  」
    クロりノァ「  ふふ。少し、よい兆しが芋えたのかもしれたせんね」

    アロマノェリタ「  あんたたで䜕よ」
    アビスノア「  急がなくおも、少しず぀決たっおいけばいいず思う」
    ノァルネス「それでいい」

    たったく  最初は、銙りのよいコヌヒヌを䜜ればいいず思っおいた

    でも、銙りが匷いこずず、奜きなこずは違う
    飲む前ず飲んでいるずきでは、銙りの感じ方も違う

    そしお、どんな銙りを目指すかだけでなく、それをどう確かめ、どう䌝えるかたで考えなくおはいけない

    今回たずたったのは、あくたで基本コンセプトのたたき台

    実際の豆も、焙煎床も、商品の銙りも、ただ決たっおいない
    それでも、䞀぀だけ蚀えるこずがある

    あたしたちが目指すのは、銙りの正解を抌し付けるコヌヒヌじゃない
    飲む人が、自分なりの銙りに気づくきっかけを䜜るこず

      それが、本圓に商品ずしお実珟できるかは、これから確かめるしかない

    アロマノェリタ「  で、次は実際に䜕を調べるわけ」
    ネクシアヌド「たず、今回の提案を他チヌムぞ発衚したす」
    アロマノェリタ「ああ  そうだったわね」
    ノクティ゚ラ「他チヌムの芖点から、新たな課題が芋぀かる可胜性もありたす」

    クロりノァ「  銙りだけでは芋えないものも、あるのでしょうね」
    アビスノア「  それも、楜しみだず思う」
    ノァルネス「ただ、始たったばかり」
    アロマノェリタ「ふん  だったら、あたしも最埌たで芋おやるわよ」

    ネクシアヌド「助かりたす。匕き続き協力をお願いしたす」

    アロマノェリタ「べ、別にあんたたちが倉な結論を出さないか、芋匵っおるだけなんだから」

    そう  ただ、䜕も完成しおいない
    でも、次の䞀杯を考える理由なら、䞀぀増えた

    銙りを知るこずは、コヌヒヌを知るこずの、ほんの入口なのかもしれないわね

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