
遅れてきた反動 | ショートショート
…なんて、大勢の前で大胆なビッグマウスを、何の躊躇いもなくかましてしまったわけなのだが。
もしどこかに一つでも、成人男性一人がぴったりと入れそうな穴があったら、すかさず入ってしまいたい。
そういう衝動に駆られるのは、あの時に撒き散らした例の台詞を、死ぬほど後悔してしまっているからなのだろう。
それを証拠に、頭上から滝のように流れ込んでくる冷や汗が止まらない。昨日まで、あれだけ悦に浸っていたのが嘘みたいだ。
まるで薬の効果が切れたかの如く、押し寄せてくる波らしき不安に全身もろとも襲われる始末だ。
あの場で、一言一句間違えてしまったつもりはない。むしろスピーチ自体は、完璧な出来だった。
ただ一つだけ気掛かりがあるとするならば、此処から先は足を踏み外すことは許されない場所に、自ら立たされていることだけだ。
なんとも馬鹿げた行動に出てしまったのだろうか。もしも過去に戻れるならば、その当日に戻って自分自身を阻止してやりたいところだ。
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