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かけがえのない乗り物

    僕には娘がいます。

    名前は、そうですね、ツムジの娘ということで、うずちゃんとさせていただきましょうか。


    うずちゃんは、小学2年生の女の子。

    素直で物知りで優しくて、好き嫌いがハッキリしていて繊細で、天使のような小悪魔のような、スーパーカワイイ女の子です。

    目に入れたって痛くないぜ。

    心臓欲しけりゃあげてもいいぜ。

    僕の価値観を劇的に変えてくれた存在です。


    (離婚したので)一緒に住んではいないのですが、月に何回か遊ぶ日があります。

    ちなみに娘もスマホを持っているので、普段からLINEしたり、一緒にゲームをしたりもします。


    そんなうずちゃんですが・・・
    ついに自転車に興味を持ち始めました!

    ちょっとね、遅めかもしれないけど。

    でもこれまでは見向きもしなかったのに、ここへきて、「乗れるようになりたい」と思うようになったみたい。

    ほうほうほーう。

    そうですかそうですか。

    実は夢だったんですよね。

    子どもと一緒に自転車に乗る練習するの!


    そんなわけで、最近うずちゃんと遊ぶ日は、二人で自転車の特訓をしています。

    うずちゃんは、「最初から補助輪なしでやりたい!」とのことだったので、まずはペダルを外して、ストライダー的にバランスをとる練習から始めました。

    そしてなんとなく感覚がつかめたら、次はペダルをつけて漕ぐ練習。

    僕は専属コーチとして、自転車の後ろを支えながらレクチャーしていきます。

    こちとら昭和生まれですからね。

    心を鬼にしてスパルタ熱血指導でビシバシいきます。

    「良いよ良いよ!!」

    「上手上手!!」

    「うわ〜すごいじゃ〜ん!天才!(かわいい!)」

    ・・・鬼甘です。


    それにしても。

    自転車って不思議な乗り物ですよね。

    乗れるようになるまではちょっと苦労するけど。

    一回コツを掴むと、もう乗れなかった頃には戻れない、不思議な乗り物。

    他の乗り物は、長いこと乗ってないとその感覚を忘れてしまうけど。

    自転車はそう簡単には忘れない。

    だからこそ、乗れるようになるまでのこの時間が、なんだかとても大切で、かけがえのないものに思えるのです。

    歩く、ことにも似てるかな。

    でも僕は歩けるようになった時のことは覚えてないけど、自転車に乗れるようになった日のことはなんとなく覚えてる。

    秋田の実家から少し離れた。

    畑に向かうまっすぐな農道。

    夕陽に照らされ、父に後ろを支えてもらいながら、よろよろ自転車を漕いだあの風景。

    覚えてる。

    がんばって練習したからかな。


    今、がんばってよろよろ漕ぐ娘も、大人になって、この練習風景を覚えているだろうか。

    覚えていてくれたら、嬉しいな。

    いつか僕が後ろにいなくても、きっと一人でどこまでも行けるようになるんだろう。

    僕の知らない世界をたくさん見るのだろう。

    それでいい。

    君が見た景色や、思ったことを、聞かせてくれたら嬉しいな。

    でも今はもう少しだけ、後ろで支えさせてほしい。


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    ま、正直一つ心配なのは。

    うずちゃんが途中で飽きちゃうことですね!
    (すごい気分屋なので)


    それにしても。

    一生懸命なうずちゃん、かわいいぜ。



    佐渡ツムジの自己紹介記事はコチラ▼


    #創作大賞2026 #エッセイ部門

     
     
    脚本家(演劇/映画/ドラマ)・演出家・俳優です。 noteでは、日々のあれこれを書いたり、脚本の過去作品・新作を投稿したり、気ままにやっていこうと思います。

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