
イメージ通りの1枚に近づける、AI写真生成で指定すべき項目16個
こんにちは、ユウです。
今回は写真生成のプロンプト設計の話です。
MidjourneyやNano Banana Pro、ChatGPT Imagesといった画像生成ツールが進化を重ね、今では簡単なプロンプトを入れるだけで綺麗な画像が生成できるようになりました。
でも、ただ「綺麗な風景写真を生成して」「かっこいい人物写真を生成して」と伝えて生成してみたもののどこかAIっぽい違和感のある写真になってしまった…という経験のある方も多いのではないでしょうか。
そこから一歩踏み込んで「イメージ通りの、クオリティの高い写真」を作りたいと思うと、AIの出力をコントロールする「プロンプト設計」の考え方が必要になってきます。
今回はその「プロンプト設計」の際に考えるとよい項目をご紹介していきます。
プロンプト設計をした写真、していない写真の比較
まず、本題に入る前に比較です。
例えば、以下に2枚の街中を歩く女性を横から撮影したような写真があります。
1枚目はシンプルに「青いコートを着た女性が歩いている、横から撮影したかっこいい写真を生成してください。」とだけ指定、
2枚目は細かくプロンプト指定を加えた写真です。


2枚目の写真は以下のプロンプトを指定して生成しています。
AIに相談しながら作ったプロンプトではありますが、さまざまな項目に分類して細かく指定をしています。

いかがでしょう?
1枚目もまるで実際の写真のようで、簡単なプロンプトだけでこの写真が生成できるようになったという意味では確かにすごいことなのですが、
周囲の雑多感、看板の文字の違和感、モデルのポージングと背景やパースの噛み合わなさ、とりあえず東京でよくある光景を詰め込んだようなまとまりのなさ、など気になる部分が多いように感じます。
被写体はスタイリッシュなモデルなのに背景に大衆居酒屋のような看板が目立っているのも雰囲気的にもミスマッチですよね。
2枚目はスタイリッシュでアーティスティックな印象が出るよう、被写体のサイズ/配置や影の形、構図の潔さ、モノトーンの中で一色だけ青が際立つ色彩指定など複数の意図を持って指定しています。
このように違和感を抑えたり表現したいイメージに近づけるためにプロンプト設計の考え方が必要になってきます。
16個の切り口 - 考えるべき項目
私は、写真生成に限らずプロンプト設計は何を考えるべきかという「切り口」と、それらに具体的にどのような指定を入れるかという「キーワード」という2つの軸に分けて考えるようにしているのですが、今回はその中でも写真生成の「切り口」についてご紹介したいと思います。
ちなみに、私は画像生成はNano Banana Proを用いることが多く、この記事もその経験が前提になっています。
ただ、おそらく他のモデルの場合も若干解釈やテイストの差はあれど基本的な考え方は近いと思います。
ちなみに、↑の例でもそうなっているように毎回の生成で全ての項目を埋める必要はありません。不要な項目、相性の問題で逆にノイズになってしまう項目が出ることもあるので、そこは様子を見ながら調整をしています。
サイズ・アスペクト比

まず最初に決めるのは画像サイズ、アスペクト比です。
1:1の正方形、4:3のような一般的な写真の比率、モニターなどでよく使われる16:9、さらに横長の21:9などもあり、用途や表現したい印象に近い画角を指定します。
画像のクオリティに直接関わる項目ではありませんが、写真の土台になる部分なので、最初に指定しておきます。
色味・トーン


写真全体の印象をコントロールするうえで、欠かせない要素のひとつが色味・トーンです。
青っぽいトーンにしたいのか、緑っぽいのか、赤っぽいのか。
青の中でもスカイブルー、エメラルドブルー、コバルトブルーなど様々な呼び方があり、これらの指定を細かくするとより仕上がりがイメージした写真に近づきやすいです。
また、作り込んでいく工程では写真全体に単一の指定をするのではなく、「この要素はこの色にしてほしい」という個別の指定も加えてより精度を上げていくこともあります。
この後に紹介する色温度や時間帯指定との相性も大事になってくるので、仕上がりをイメージしながら相性の良い組み合わせで指定していくことになります。
色温度


色温度は、カメラや写真補正をする人なら馴染みのある言葉と思いますが、光の色を数値化した用語です。
簡単に言うと、数値が低いほどオレンジ系の暖かい色味に、高いほど青系の色味に近づく指標で、K(ケルビン)という単位で表されます。
カメラの設定で見ると、よく2000〜3000Kの低い温度は電球色、5000K以上の光のような高い温度は昼光色などとラベリングされたりもします。
夕方のようなオレンジ系の色味を求める時は低めに、逆に陽が上がっている時のような青っぽい雰囲気にしたい時は高めに設定します。
プロンプトによっては意図しない方に印象を固定化してしまうケースもあるので指定しないこともありますが、写真全体のトーンをまとめるのに一役買う指定です。
また、数値指定だけだと解釈が揺れてしまう時もあるので(夕方の低い太陽光のような暖色)のような言葉での補足を入れることもあります。
時間帯


こちらは文字通り、早朝、午前、正午、夕方、日没直後、夜、といった時間帯の指定です。
また、時には単純な時間帯だけを表記するのではなく、たとえば夕方なら、写真用語で「ゴールデンアワー」「ブルーアワー」のように、その時間帯をたとえた言葉で指定することもあります。
ブルーアワーは意味としては日の入り直後や日の出前の時間を指しますが、写真の文脈で、よりドラマチックな描写の写真を表現する時に使われやすい言葉なので、少しAIに意図が伝わりやすくなります。
例えば上記の画像のように、「ブルーアワー」と指定することでよりあの時間帯の静寂さが際立たせた表現を目指しているとAIが解釈し、その静寂さを際立たせた写真を生成してくれやすくなります。
天候



これは言葉通り快晴、晴れ、曇り、雨、雪など。生成したい写真の天候を指定します。
特に風景や街中の写真など、屋外の様子が写される写真では天候によって同じ場面でもがらっと印象が変わるので、最もイメージに近い天候を指定します。
屋内の写真ならわざわざ指定しなくてもよいですが、屋外の写真を生成したいときに入れておくと、イメージした雰囲気に近づきやすくなります。
シーン・場所



写真の舞台となるシーンを定義します。
街中なのか、郊外なのか、自然のあふれる場所なのか。自然の中でも、山なのか海なのか草原なのか。
街だとしても、東京の都心のような街並みにしたいのか、ベッドタウンの街並みにしたいのか。日本ではなく、イギリスっぽい街並み、アメリカっぽい街並みにしたいのか。
バリエーションが広すぎるので解説の難しい項目ですが、ここをしっかり定義しないとAIが考えたそれっぽい風景・モチーフが採用されやすいので、
前段で載せたような雑多な光景や、あるいは定番すぎて引っかかりのない光景が描写されてしまいやすいです。
カメラ



写真の印象を大きく左右するのが、カメラの種類です。
カメラ機種によって仕上がりの傾向が結構違います。
同じプロンプトをカメラ指定だけ変えて生成した参考写真を載せてみましたが、CONTAXなら温かみのある印象になったり、Leicaは少しアンダーで締まりのあるシックな仕上がりになりやすいです。
デジタル感のあるはっきりとした写真がほしいのか、少しフィルム的なアナログ感のある写真が欲しいのか、また違った個性のある表現をしたいのかなどによってイメージに近い機種の名前を指定していきます。
レンズ



カメラとセットで考えたいのがレンズの指定です。
レンズの種類のほか、焦点距離(何mm)や絞り(F値)を指定すると、写真のスケール感やボケ具合、ピントの合い方が変わってきます。
被写体をクローズアップして背景を大きくぼかしたポートレートなら単焦点や中望遠レンズ、広大な風景や街並みを移すなら広角レンズ、特定のオブジェクトに寄りたいならマクロレンズなど、どのレンズを指定するかで、写真の印象が変わってきます。
カメラアングル



これも写真の印象を決めるうえで大事な項目です。
少し高い場所から街を見下ろすようなハイアングル、人の視線に近いアイレベル、周囲を見上げるようなローアングルなど、角度によっても写真の印象が変わってきます。
また、あえてカメラを傾けるダッチアングルなどもあります。
一般的には不安感を出す技法として知られていますが、私は垂直水平の綺麗すぎる写真を回避し、手持ちカメラで撮ったようなリアルな印象を出す狙いでよく使用しています。
構図



構図は、簡単にいうと被写体をどう配置するかを決める考え方で、有名なものだと例えば以下のようなものがあります。
三分割構図: 画面を3×3に分けたグリッドの交点にモチーフを配置する
日の丸構図: 上下左右中央に被写体を配置
トンネル構図: 周囲をオブジェクトで囲み、中央に視線を集める
三角形構図: 中央の高い建物を頂点に、左右がやや低くなる安定感のある構図
対角線構図: 画面の対角にモチーフを配置したり、端から端へ流れを作ったりする
こういった指定を入れることで写真全体のバランスをコントロールし、狙った表現に近づけることができます。
ちなみに慣れてくるとこれだけの指定だと不十分で、実際のプロンプトではもっと具体的にこのモチーフをこの位置にこうやって配置して、と細かく指定することが多いです。
まずは基本系として上記のような構図を覚えておくと良いと思います。
ライティング


写真の光の当たり方を決める項目で、写真の印象を大きく左右する項目の一つです。
例えば上記の写真では1枚目は空間全体に均等な光が当たる、普通に部屋の電気が点いているような仕上がりになるよう指定、
2枚目は暗い部屋の中に一つ強力な光源があり強いコントラストが生まれるような仕上がりになるように指定しています。
均等な光は良くも悪くも日常のワンシーンを撮影したようなスナップ感が出る一方、強い光源指定をした写真はファッション写真のような印象的な仕上がりになります。
このように、どんな光がどのように当たるかをコントロールすると同じシーンの写真でもまるで違う世界観の写真に仕上がります。
被写体(人物)



人が写る写真で使う指定で、人物の特徴を指定します。
性別、年代、服装、髪型、骨格、表情、ポーズ、人種といった項目を指定します。
特に人物は微細な差も分かりやすいので、例えば年代なら10代なのか20代なのか30代なのか。さらに言えば同じ10代、20代、30代でも前半か後半かでも雰囲気が変わってくるので、大体5歳刻みくらいのレンジで年代は指定したりなど、なるべくディテールまで指定してあげるのがおすすめです。
モチーフ(物)



被写体と一緒にしてもよいのかもしれませんが、私の場合、「物」はモチーフとして分けて指定しています。
例えばテーブル、椅子、花瓶、窓。屋外なら特徴的な建物、といった要素です。
物に関しては形状や質感の指定が結構大事で、自分も勉強中ですが材質の名前などを具体的に指定するとイメージに近づきやすくなります。
例えば木材なら高級感がありつつ主張しすぎないウォールナットなのか、明るめで自然な木目の印象が出やすいパイン材なのか、経年の味を感じさせるヴィンテージウッドなのか、など。
この項目を細かく指定しないと、AIの特性上、経年感の強い質感、過剰にテクスチャが強調された素材のオブジェが出てきたり、やたらアンティークなインテリアや洋書の画像が生成されやすいです。
雰囲気


写真全体の印象をコントロールするための指定です。
エモーショナルな、穏やかな、静かな、あるいは力強くダイナミックな、など。
これだけで印象を作るというよりは他の指定を補助するような役割になることも多いですが、この項目で全体の方針を示してあげることで、AIが解釈してより狙ったイメージに近づきやすくなることがあります。
質感


雰囲気とまとめて良いのかもしれないですが、私は写真全体の世界観を定義する「雰囲気」とディテールの手触りを定義する「質感」とで分けて考えています。
例えばフィルムカメラで撮ったような粒子感のある印象にしたいときは「フィルムグレイン」のような指定を入れたり、あえてピントが若干合っていないような「ソフトフォーカス」のような指定を入れたりします。
他にも古ぼけた味のある印象を出したいなら「ヴィンテージ」。逆に、アナログ感を打ち消してデジタルカメラで撮ったようなクリーンな印象にしたいなら「デジタルクリーン」のようなキーワードで、写真の質感をコントロールしています。
ネガティブプロンプト



最後は言葉の候補は無数にある話ですが、「こういうものは生成しないでね」という指定、いわゆるネガティブプロンプトです。
定義はもう少し広い言葉ですが、私は主にAIの癖でつい起こりがちな描写を抑制するために使っています。
AI任せに写真生成するとどうしても起こりやすい癖のようなものが色々あります。
いくつかサンプルを載せていますが、例えば古典的なモチーフのオブジェクトや内装、レンズフレア(カメラレンズに入った光の反射)が起きたり、CGぽい、どこかリアルじゃない質感など。
それらをなるべく起こさないようにするために、あえて「こういうことはしないでね」とAIに伝えるのがネガティブプロンプトです。
指定を入れたからといって確実に抑制できるわけではないですが、これらの指定を入れておくことで、こういった生成がされる確率を抑えることができます。
まとめ
長文になってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございます。
自分なりに普段写真生成で意識していることをまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?少しでも皆様の今後の写真生成の参考になれば幸いです。
また、今回は写真生成に必要な「切り口」についてご紹介しましたが、前段でも触れた通り、もちろんその切り口に対してどんな言葉で指定をすべきなのか、も同じくらい重要です。
この辺りのキーワードの見つけ方や蓄積の仕方なんかも別の記事でご紹介できればと思います。
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