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殺し屋1の感想。ちょ、な、なんだよ

    浅野忠信「ちょ、な、なんだよこれ、さいこうじゃねぇか」

    『殺し屋1』という映画のセリフなのです。数十年ぶりに原作の漫画を読み返し、おもしろくて実写化された映画をU-NEXTで観た。なかなかにグロい漫画。

    いじめられっ子だったイチと呼ばれる青年がやくざマンションでやくざを殺しまくる漫画。やくざはやくざで垣原という親分がいて、マゾヒズムを求めすぎて唇の両端が裂けている。

    イチは暴力でしか勃起しない変態。垣原は暴力を受けることで性的興奮を得る変態。全編血みどろ。針で刺したり、ぽこちんを油で揚げたり痛い描写も多い。漫画は血が真っ黒だけど、映画は真っ赤っか。

    大学生くらいの時に映画を観たつもりになっていたけど、久しぶりに映画を観返したら、途中から観てなかった事を思い出した。

    当時そんな言葉はなかったけど原作厨で、ところどころ設定が違うことにイラついて観てなかった。もったいないことした。

    久々観たら、原作の魂がそのままでおもしろかった。なにより、垣原役の浅野忠信がとんでもなくかっこいいし、おもしろい。部下が全滅した血みどろの部屋に入ってきて「ちょ、なんだよ、これ、さいこうじゃねぇか」ってクールなテンションで言うのは笑ってしまう。

    映画オリジナルのシーンだけど松尾スズキが女の人の股間のにおいを嗅いで、彼氏の匂いが分かり、居場所をつきとめるという中々の倫理観の変態。

    原作と違うからと毛嫌いせずに観ればよかった。『殺し屋1』の映画そのものがカルト映画の金字塔のように扱われて、人気があり、最近リバイバル上映してたらしいし。4Kリマスターで。なにを4Kにしてんだ、ちょ、さいこうじゃねぇか。

    漫画も映画もそれぞれの良さが奇跡的にある『殺し屋1』は最高だ。漫画を久々に読み返したら、最後のほうは、グロと変態性が行き過ぎてラブコメになるのが最高だった。
    漫画の方の垣原は口の裂けた小太りのおじさんでカッコよくはないけど。

    映画はひたすら、役者陣がすばらしい。松尾スズキの双子(一人二役)と浅野忠信のやりとりが最低なことしてるのに、笑えてしまう。笑った後、こわっ。と思うのだけど。


    90年代〜2000年前半のあの頃のノリなんかな、ああいうの。テンションを無理にあげないもん。

    部下全滅して血みどろだったら「うわあああ」と叫ぶもんね、今だと。「わあああ最高だ~あははははは、あはははは」みたいな狂気の表現が多い気がする。偏見だけど。

    エンドロールもキャストやスタッフの名前の途切れ目がなくて、頭がおかしくなりそうだった。ますます最高じゃねぇか。ちょ、おれどうしたらいいんだよ。

    あの頃の映画の渇いた空気は今観ても独特だな。


    そういえば多感な時期になんでこんなエログロの漫画を読んでいたんだろう。当時のカルチャー特有なものだろうか。同じ時期の名作漫画「寄生獣」もなかなかグロかった。

    『寄生獣』の映画は悪くないけど微妙だったな。あれも浅野忠信が後藤役だっけ。あれは最高だった。東出の寄生獣高校生もハマってたな。寄生獣高校生ってやな響きだな。


    『殺し屋1』の原作漫画の話に戻るけどそういえば忠告する感じのセリフで「○○だゾ」って表現がよく出てきたな。クレヨンしんちゃん意識してんのかな? 「ちんこをまっぷたつにしちゃうゾ」とか言ってたもの。

    PTAが腰抜かすほど、つまらないどころか激怒するだろうな。

    みなみかわさんと大島育宙さんのポッドキャスト「炎上喫煙所」で紹介されていて、久々に観てよかった。炎上喫煙所は平成の映画を掘り下げてくれて嬉しい。『金融腐食列島』も観なくちゃ。

    おしまい

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