
またまたまたまた中国製Android端末に犯罪用バックドア
以前、「フィッシング詐欺全盛の今こそ、スマホは“現金輸送車”として扱うべきだ」という記事を書いた。
その中で、中国製Android端末に出荷段階から不正ソフトが仕込まれていた事件を紹介したのだが……。
まーたやってやがる。
今回Googleが問題視したのは、中国の端末メーカー「Videostrong Technology」。
130万台以上のAndroid端末に犯罪用のバックドアが仕込まれ、外部の犯罪者にアクセス権が販売されていたという。
対象の中心は、テレビにつなぐだけでYouTubeなどが楽しめる「Android TVボックス」。
同社と関連するMECOOLブランドの製品は、日本のAmazonや楽天市場にも掲載されている。
実際に「KM2 Plus Deluxe」という商品を検索すると、Amazonでは3万円台、楽天では4万円台の販売ページが見つかった。
しかも、この型番はセキュリティ企業が公開したXCPE関連の調査リストにも登場する。
ただし、型番が一致するだけで販売中の商品にバックドアがあると確定するわけではないし、事件後に値下げされたという証拠もない。
それにしても、このタイミングで普通に商品ページが存在するというのは、なかなか衝撃的である。
事件発覚記念セールでも開催しているのだろうか。
さて、今回の事件で興味深いのは、その収益構造だ。
業務用複合機には、本体を安く導入し、印刷枚数に応じたカウンター料金で継続収益を得るビジネスモデルがある。
今回も構造は似ている。
端末を販売し、購入者が自宅に設置すると、その通信回線を犯罪者に利用させて継続収益を得る。
通信費も電気代も購入者負担。
お前ら、客を収益物件だと思ってんのか。
しかも感染したのはテレビ用端末だけではない。
遠隔医療端末、カラオケ機器、デジタルサイネージなど、業務用機器にも感染が確認されている。
ここで気になるのが、街中の無料Wi-Fiだ。
今回の不正ソフトにはネットワーク探索機能も備わっており、感染端末と同じネットワーク上にある別の機器へ侵入を試みられる可能性がある。
もちろん、同じWi-Fiにつないだだけで感染するわけではないし、適切にネットワークが分離されていれば危険性は抑えられる。
しかし、すべての店舗が十分なセキュリティ管理を行っているとは限らない。
以前は通信容量の制約から無料Wi-Fiを利用するメリットも大きかったが、現在は大容量のモバイル通信プランも普及している。
月1GBなどの小容量プランを契約し、外出先では無料Wi-Fiに依存する運用は、そろそろ見直してもよいのではないだろうか。
私は以前、スマートフォンは人生の「現金輸送車」だと書いた。
銀行口座、証券口座、クレジットカード、仕事の情報まで詰まった端末である。
そして今回、もう一つ考えたいのがAmazonや楽天といった販売プラットフォームの責任だ。
製造段階から仕込まれたバックドアを、一般消費者が見抜くことなど不可能に近い。
それならば重大な問題が発覚した際、販売事業者が安全性を調査し、必要に応じて販売停止や購入者への通知を行うべきではないだろうか。
もちろん、今回確認した商品自体が感染していると判明したわけではない。
しかし、メーカーによる意図的な不正行為が指摘されている以上、販売側にも相応の確認が求められると思う。
安さを追求することは悪くない。
ただし、節約する場所を間違えてはいけない。
端末を買ったつもりが、犯罪組織に通信回線を提供し、電気代まで負担していた。
そんな新しいサブスクリプションサービスには、くれぐれも加入しないようご注意いただきたい。
もっとも、今回の場合は利用規約への同意すら求められないのだが。