
保育士20年が教える、イヤイヤ期に効いた声かけ5選
「イヤ!」「やだ!」が続くと、親の方がまいってしまいますよね。私は保育士として20年、たくさんの子どもたちのイヤイヤ期に付き合ってきました。この記事では、現場で実際に効いた声かけと対応を5つ紹介します。共通するのは、「やらせる」のではなく「自分で選んだ形にしてあげる」こと。全部をやる必要はありません。ひとつでも、明日からの気持ちが少し楽になれば嬉しいです。
イヤイヤ期は、成長のあかし
2歳前後から始まるイヤイヤ期は、「自分でやりたい」という気持ちが育ってきた証拠です。親の育て方が悪いわけではありません。
ただ、「着なさい」「食べなさい」と言うほど、子どもは反発します。そこで効いたのが、子どもが自分で選んだ形にしてあげる声かけでした。
①「じゃあ先生がママと帰っちゃおうかな〜」
「まだ帰りたくない!」と粘る子には、あえて逆を言います。笑顔で、少し大げさに。
すると「嫌だ!」と言って、自分から帰る準備を始める子が多いんです。
「帰りなさい」と言われると反発する子も、「帰っちゃおうかな」と言われると「ちがう、自分が帰る!」と、自分で選んだ形に変わります。
※本気で置いていく言い方や、怖い顔でのおどしはNGです。不安が強い子には使わないでくださいね。
②「じゃあ先生がこれ着ちゃおうかな!」
着替えを嫌がる子には、子どもの服を手に取って、着るフリをします。ちょっとおどけて、「わあ、ぴったり!」なんて言いながら。
すると「ちがう!ぼくの!(わたしの!)」と、すんなり自分で着てくれることが多いです。
「着なさい」と言われると嫌でも、「取られる」と思うと、自分のものにしたくなるんですね。
※笑顔と明るい声で、遊びとして楽しむのがポイントです。からかわれるのが苦手な子には、無理に使わないでください。
③「先生がもらおうかな〜」からの、気を取られたフリ
ご飯を食べない子には、無理強いはしません。
代わりに、スプーンにご飯をのせて「先生がもらおうかな〜」と食べるフリをします。そこで「あっ、外にカラスがいる!」と、窓の外に気を取られたフリ。
すると、スプーンの上のご飯を、子どもがパクッと食べていることがあります。
私が「やっぱり食べよう!」とスプーンを見ると、ご飯がなくなっていて、子どもがニヤリ。「あれ?ないよ?」とおどろいてみせると、子どもは大満足です。
食べさせられるのではなく、「こっそり自分が食べた」という形にしてあげるのがコツです。
※食べない日が続く、体重が増えないなど気になる場合は、小児科や園に相談してください。
④「パパとママは寝ますよ〜」と、寝たフリをする
寝る前に嫌がる子には、「パパとママは寝ますよ」と声をかけて、寝室まで一緒に行きます。そして、本当に寝たフリをします。
すると、寂しくなって、子どもが自分から間に入ってくることがあります。
「寝なさい」と言われると嫌でも、自分だけ起きているのは寂しいんですね。自分から布団に入った、という形にしてあげるのがポイントです。
※暗いのが怖い子や、不安が強い子には無理に使わず、そばで安心させてあげてください。
⑤何を言っても泣くときは、待つ
ここまでは「反対に出る」作戦でしたが、最後は言葉をかけずに待つ対応です。
癇癪で大泣きしている子には、まず周りを見ます。他の子がいる場合は、巻き込まれてケガをしたり、つられて泣いたりしないよう、その子を離します。二次災害を防ぐためです。
そして、何を言っても大声で泣く子は、落ち着いた場所に移って、気が済むまで泣かせます。泣いているときは、どんな言葉も耳に入りません。説得しようとするほど、長引くこともあります。
そばで見守りながら、泣き終わるのを待つ。それも、立派な対応のひとつです。
※ケガをしないよう、危ないものは遠ざけて、目の届く場所で見守ってください。
まとめ
イヤイヤ期の声かけは、「やらせる」のではなく、「自分で選んだ形にしてあげる」こと。①〜④は反対に出る作戦、⑤は待つ対応でした。
子どもによって効くものは違いますし、全部できなくても大丈夫です。うまくいかない日があっても、親のせいではありません。
ひとつでも試してみて、「あ、効いた!」という日があれば嬉しいです。