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希少がんのデスモイド腫瘍を経験、秋田の画家でドッグトレーナー

    むかしむかし、ある森の近くに、心空(こくう)という名の青年が住んでいました。心空はいつも何かが足りないような、心に穴が空いているような気持ちで暮らしていました。
    「僕は一体何のために生きているのだろう」
    「なぜこんなに心が満たされないのだろう」
    心空は村の人たちと話をしても、本を読んでも、どこか上の空でした。
    ある雨の日、心空は軒下で震えている小さな子猫を見つけました。
    「君も独りぼっちなのか」
    心空は子猫を家に連れて帰り、温かいミルクをあげました。子猫は心空の膝の上で安心したように眠りました。その時、心空は初めて心の穴が少し埋まったような気がしました。
    それから心空は、困っている動物たちを見つけては助けるようになりました。怪我をした鳥、道に迷った子犬、やせ細った野良猫...
    やがて心空の家の周りには、たくさんの動物たちが集まるようになりました。朝起きると猫が頬を舐め、鳥たちが美しい声で歌い、犬は尻尾を振って迎えてくれました。
    「あ...そうか」
    心空は気づきました。自分は一人では完成しない存在だったのだと。動物たちがいて初めて、自分らしくいられるのだと。
    猫の無邪気な甘え方を見ていると、自分の中の優しさが溢れ出ました。鳥たちの自由な飛び方を見ていると、自分の心も軽やかになりました。犬の忠実さに触れていると、自分の中の誠実さが育ちました。
    村人たちは心空の変化に驚きました。
    「心空さんは前とは別人のようですね」
    「動物たちと一緒にいる時の心空さんは、本当に輝いています」
    心空は動物たちとの暮らしを通して、季節の移ろいを感じ、命の尊さを知り、無条件の愛を学びました。そして何より、自分という存在が動物たちによって完成されることを実感しました。
    ある日、旅の僧侶が心空の家を訪れました。
    「あなたの家には美しい調和がありますね。まるで極楽浄土のようです」
    心空は動物たちに囲まれながら答えました。
    「私は一人では半分の存在でした。この子たちがいて初めて、完全な自分になれるのです」
    僧侶は深くうなずきました。
    「それこそが真理です。すべての命はつながっている。一つだけでは完成せず、互いに支え合って初めて美しい世界が生まれるのです」
    心空は後にこう語りました。
    「人は一人で完成する存在ではありません。動物たちは私に、愛すること、愛されること、そして命あるものすべてとつながっていることを教えてくれました。彼らがいて初めて、私は本当の自分になれるのです」
    そして「命あるもの皆で一つの心」ということわざが、この森の里から全国に広まっていったとさ。
    めでたし、めでたし。
    そして次にインタビューされるのはきっとこれを読んでいるあなただし、そしてインタビュアーになる日もそう遠くはないでしょう。
    と思う2025年6月1日20時12分に書く無名人インタビュー1078回目のまえがきでした!!!!!
    【まえがき:qbc康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】

    今回ご参加いただいたのは ヒロマサミ さんです!

    年齢:不詳
    性別:女性
    職業:画家andドッグトレーナー
    https://twitter.com/HERO_WOLFDOG


    現在:動物がいることで自分が完成されてるっていうんですか

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    初めて飼ったウルフドッグのロック

    qbc:
    今、何をしている人でしょうか?

    ヒロマサミ:
    今は画家です。画家とドッグトレーナーです。

    qbc:
    どんな絵を描かれてるんですか?

    ヒロマサミ:
    犬中心で、動物の絵です。

    qbc:
    なんか画材とかは?

    ヒロマサミ:
    画材はいろいろ…日本画とか、アクリル色鉛筆、あとは筆を使ったものですね。

    qbc:
    油絵とかは?

    ヒロマサミ:
    油絵はやってないです。

    qbc:
    なるほど。勉強されたんですか?

    ヒロマサミ:
    いや、全然学校とか行ってなくて、本当に独学なんですけど。
    昔アニメーションの仕事をちょっとやってたときがあって、それで少し絵のことを覚えたのと。今はここ8年ぐらいは絵画教室に行って、いろいろ画材の使い方を基礎から学んでるっていう形です。

    qbc:
    今の生活ってどれぐらい前からされてますか?

    ヒロマサミ:
    あ~っとですね、95年からですので。もう95年ですと…30年になりますね。

    qbc:
    今の生活って言われたときにイメージされた生活って、なんかどんな感じの日々なんでしょうか?

    ヒロマサミ:
    昔テレビに出てたムツゴロウ(畑正憲)さんって、あの動物王国されてた、田舎でたくさんの動物に囲まれながら作家活動をしてのんびり暮らすみたいな、そういうイメージがありました。

    qbc:
    はい。そのムツゴロウさんってあくまでテレビのイメージですよね?

    ヒロマサミ:
    テレビで昔フジテレビでやってたのと、あと小説やエッセイ書かれてて、それすごい憧れてたんですよね。
    それのイメージで、いつか田舎でいっぱい動物と暮らしたいなっていうのを、首都圏、本当に都会の借家住まいだったのでなかなか思うように動物飼えなくて、それで憧れてたっていうのありました。

    qbc:
    じゃあもう、つまり、ムツゴロウさんを積極的に…

    ヒロマサミ:
    そうですね、目指してたっていう。

    qbc:
    イメージしてるってことですね。なるほど。
    日々どんな気持ちで過ごしてるんですか?そういう生活で。

    ヒロマサミ:
    今ですか?正直言うと、年齢今私61歳なんですけど、だんだん不便さの方が混ざってきちゃって。なんでこんなに不便なとこ住んでんのかなとか。あと首都圏のイベント行くのに交通費が行って帰ってくるだけで3万円かかってしまうんで、首都圏にいたときは交通費かからないで日帰りできて楽だったのになとか。何かマイナス面がどんどんちょっと感じてこられるようになっちゃったっていうのが正直なとこです。

    qbc:
    ちなみに3万円というのは、リアルに3万円ですか?

    ヒロマサミ:
    あ、リアルに往復で3万円です。

    qbc:
    あ、どちらにお住まいとおっしゃってましたっけ?

    ヒロマサミ:
    秋田県です。

    qbc:
    そんなに安かったでしたっけ?

    ヒロマサミ:
    そうですね。片道1万7000円。秋田でもちょっと手前なんですよ。微妙に都会よりっていうんですか。

    qbc:
    あ、そっか、秋田新幹線で1本で行けるんですね。

    ヒロマサミ:
    そうです。はい。

    qbc:
    今の気持ちっていうのは、ポジティブとネガティブで言うと、どっちなんですか?

    ヒロマサミ:
    いや…ネガティブが来たりポジティブが来たりっていうのの波がすごくあって。
    ポジティブなときは動物といっぱい過ごせて、空気が良くてご飯が美味しくていいなっていう。犯罪とかも少ない場所ですし。そういうとこはすごくいいなって思うんですけど。
    でもやっぱり不便。冬とか本当に猛吹雪で、家出るのがやっとみたいなときもありますんで、あ~不便だなとか。
    あと地元でイベントっていうのは本当少ないんで、そういう文化的な部分の触れるっていうことがないのが、ちょっとネガティブになっちゃう要因かな~みたいな。そんな感じです。

    qbc:
    いつごろから感じ始めました?

    ヒロマサミ:
    やっぱり震災あった後で、私大きい病気、ちょっとデスモイド腫瘍という希少がんにかかっちゃって。それで8時間施術して。腹膜のとこにがんができちゃったんですよ。それを取り除く手術をしたんで、体がだんだん体力がなくなっちゃったり。そういうのが出てきて、思うように仕事ができないとか。体が弱ったのがやっぱりきっかけですね。

    qbc:
    それは震災と関係なく?たまたま重なっただけ?

    ヒロマサミ:
    たまたま重なっちゃったんです。はい。

    qbc:
    ペットはどんな構成というか…

    ヒロマサミ:
    犬がまず、8歳のオオカミ犬と、ラフコリー13歳ですね。それからウェルシュテリアっていうのが5歳で、あと猫が4匹います。
    それから、比内地鶏っていう鶏が6羽いて。それはペットっていうよりも、卵を取るために飼ってるっていう感じです。以上です。

    qbc:
    これシンプルに聞くんですけど、小型犬はやっぱり飼わない?

    ヒロマサミ:
    あ~、小型犬は、昔飼ってたんですけど、震災のときに飼い主さん亡くしたチワワ引き取って飼ってて。それは6年前亡くなっちゃったんで、その後は飼うっていう頭があんまりないっていうか…。どっちかっていうとやっぱり大きい犬の方が、私的には好きだし相性が合うなっていうのがあります。

    qbc:
    ウェルシュテリアって、小型犬に入るんですか?

    ヒロマサミ:
    一応10キロだから小型ですけど、本当に抱っこして歩くような犬ではないんで、結構活発な運動量多い犬ですしね。

    qbc:
    なんか動物と過ごしてるときの感覚ってどんな感じですか?

    ヒロマサミ:
    あ~やっぱり動物と一緒にいるのが自分にとって自然だなっていう。
    なんか、例えばイベントとか、動物のいないとこ、イベント会場とかそういうとこに行ってホテルとか何日か泊まると、だんだんペットロスみたいになっちゃうんですよ。
    で、イベント楽しいのに、動物触りたい触りたいって気持ちがずっとずっと途切れないっていう、ちょっと不思議な感じで。

    qbc:
    どんなホテルに入りました?で、どんな瞬間に寂しさみたいなペットロスを感じるんですか?

    ヒロマサミ:
    やっぱり横になって寝るときですね。猫が4匹いて自由に歩き回って、寝るときも、猫が寄ってくれば一緒に寝てるみたいな状態なんで、なんかがらんとした感じっていうんですか。すごく楽で綺麗でいいんだけど物足りないって感じですね。

    qbc:
    あ、犬は外?

    ヒロマサミ:
    犬は犬専用の部屋があって、そちらにいます。

    qbc:
    その今の状態になるまでに何か変遷とかっていうのはあったんですか?ペットと生活してる状態に。

    ヒロマサミ:
    あ、何て言うんですか…私の場合ペットでもあるけど、ムツゴロウさん目指しつつ犬の展覧会とかブリーダーも目指してて。それでこっちに引っ越してきて、ラフコリーのメスを飼って、展覧会に毎週出たり。あとは子犬を産ませて、それをまた飼ったり、人に譲ったりっていうことやったんで、普通にペット飼ってる人と感覚がちょっと違うかもしんないんですよね。

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    qbc:
    何だろう。今のペットの数ってちょうどいいんですかね?ちょっと変な質問なんですけど。

    ヒロマサミ:
    そうですね。ちょうどいい感じで。多いときは10頭とか普通にいたんで、朝から晩までもう動物の世話ばっかりしてるっていうんですか。
    そのときは、一応同人誌は作ってたけど、そんなにそっちには力入ってなくて、もう動物の世話と繁殖と展覧会とでずーっと何年も何年も過ごして。正直、ブリーダーなんで売ってそのお金で犬を賄ってっていう、本当にそっちが本業になってました。

    qbc:
    なるほど。動物の良さって何ですかね?

    ヒロマサミ:
    なんでしょうね~…人間だけだとギクシャクしちゃうっていうか。動物がいることで癒されるっていうのと。ちょっと何か、本当の自分に帰れるっていう感じがするんですよね。感覚的に不思議な感じなんですけど。
    動物がいることで自分が完成されてるっていうんですか。普通にペット飼ってる人とはちょっと違うなと思うんですけど。動物と一緒にいる生活が当たり前っていうのが、自分の中に小さいときからずっとあったんで、飼えないのが長年不満だったっていうのが強かったですね。

    qbc:
    ちなみに鶏だけだったらどうですか?その気分って。

    ヒロマサミ:
    あ、鶏はなんか本当に家畜、家禽ですね。家禽なんで、例えば飼ってて綺麗だなとかぐらいは感じるんですけど、もうかわいくて抱きしめたいとかそういうのは全然ないですね。本当に。

    qbc:
    今、飼ってるような犬猫以外にって、何か感じたことあります?この動物はいけるなみたいな。

    ヒロマサミ:
    それ以外はあんまり…っていう感じですね。飼うっていう意味では。

    qbc:
    逆に試されたことあります?犬猫以外だとすると、モルモットとかハムスターとか。

    ヒロマサミ:
    あ~、ハムスターとかセキセイインコは、首都圏に住んでて犬猫飼えないときに、飼ってたんですよね。それでもやっぱり小さいし、例えば逃げちゃったり、あっけなく死んじゃったりっていうのが繰り返されて。学生時代に、もうちょっとあんまりちっちゃいのは、すぐ亡くなっちゃうし。小さすぎて逆に怖いっていう感覚が、身に付いちゃったんですよね。

    qbc:
    でも本当の自分みたいな感覚は感じられたんですかね?

    ヒロマサミ:
    うーんと、そのときは本当にただのペットだった感じですね。かわいがって慈しんで、飼育の楽しさを味わうっていうんですか。それで世話をするのもすごく…子供って結構ほったらかしにして死なせちゃうとかあるんですけど、私すごく世話するのが好きで、まめに掃除したりとか、そういうのは楽しかったですね。

    qbc:
    いつ気付いたんですか?自分は動物がいないと駄目だっていうのは。

    ヒロマサミ:
    そうですね、小学校のときに、何か飼育したいっていう気持ちがすごい強くなってしまって。
    そのときはまだムツゴロウさんとか全然知らなかったんですよ。シートン動物記っは読んでました。その頃読んだのが、ファーブル昆虫記。で、虫を飼ってみようって飼ったけど、やっぱり失敗するんですよね。子供なんで。

    qbc:
    何年生のとき?

    ヒロマサミ:
    え~、小学校1年2年ですね。

    qbc:
    あ、そんな小さい時期に。

    ヒロマサミ:
    はい、もう子供向けの本で読んで、昆虫ってこんな面白いんだって。
    で、その後は、今度はお祭りに行くとカメとか金魚とか、金魚すくいとかやって持って帰ってきて。それを飼ってみて、そうすると人間以外に自分の生きてる空間に生き物がいるっていうのがすごく不思議で面白かったんですよね。それからペットの本とか飼育の仕方の本を一生懸命読んで。
    その中で、大体小学校高学年のときにムツゴロウさんの本読んで、世の中にはこんなすごい人がいるんだって衝撃受けちゃったんですよね。

    qbc:
    そこから、そんな今感じてらっしゃるような、ペットといると本当の自分だなみたいな感覚がいつ得られたんですか?

    ヒロマサミ:
    それは犬を飼ったときですね。犬を飼ったのが、小学校6年生のときに近所で雑種犬が生まれて、それをもらってきて飼って。飼ってる間は普通に世話して楽しいだったんですけど、金魚とかインコと違って、例えば散歩に行ったときに人に迷惑かけないとか、予防接種のときに大暴れしてなかなか注射打てないとか、そういう大変さっていう方が逆に先行してたんですよ。こんな大変な生き物なんだって。
    ところがその犬が、5歳であっけなく死んじゃったときに、自分が抜け殻になったっていう感覚にものすごい襲われちゃって。

    qbc:
    じゃあそれは高校生の頃ですか?

    ヒロマサミ:
    そうですね。高校1年のときですね。
    で、そのときに犬がいないと駄目なんだって思ったけど、やっぱり高校生忙しいんで、なかなか親に飼っていいかどうか聞かなきゃいけないし、自分から飼うってことは言わなかったんですよね、そのときは。

    qbc:
    そこから自分で犬猫などを飼えたのっていつ頃ですか?

    ヒロマサミ:
    あれですね。社会人になって、88年のときに犬の展覧会を友達に誘われて見に行ったんですよ。それがコリーの展覧会で、普通に図鑑で見てる犬と違って、生身の犬が展覧会いっぱい出てるの見て、また衝撃を受けてしまって。
    それで何としてもコリーを飼いたいってなって、親にもOKもらっていろいろ探して、ブリーダーさんと巡り合うことができてそれで入手したのが、本当に積極的に、自分からある程度いいのを飼いたいっていう気持ちが強くなって飼った初めての犬ですね。

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    写真が初めて飼ったロバート

    qbc:
    まだ20代ですか?

    ヒロマサミ:
    20代ですね。

    qbc:
    いわゆる飼育環境っていうのは大丈夫だったんですか?

    ヒロマサミ:
    あ、一応借家だったんですけど犬はOKだったので。一軒家の借家だったので、それで飼うことができるようになったんですよね。

    qbc:
    なるほどね。ありがとうございます。ちなみに同人誌はどんな同人誌?

    ヒロマサミ:
    あ、同人誌は、実は一番最初に作ったのが高校生のときで。その頃アニメージュとかアニメ雑誌をよく読んでて。で、同人誌っていうものがあるんだっていう…あるんだっていうのは認識があったけど、自分で作るってことはしなかったんですよ。

    qbc:
    その頃って、ガンダムとかの頃ですか?

    ヒロマサミ:
    もうそれより前なんですよ。
    ガンダムより以前、ヤマトとかのブームの中で。それで、その後だとガンダムより前のロボットアニメーション、ボルテスVとかそこら辺ですね。

    qbc:
    はいはいはい。

    ヒロマサミ:
    で、そこら辺でアニメ雑誌読んだり同人誌ってのがあるんだって認識はあったんですけど。最初に読んだのが、特撮とかSF雑誌の『宇宙船』っていう商業誌があって、それを読んだら同人誌っていうのを作りましょうみたいなコーナーがあったんですよ。
    同人誌サークルの作り方みたいな、仲間を集めてコピーでこんなふうに作りましょうっていうのがあって、それに感化されちゃったんですよね。あ、作れるんだって思って、まずクラスメイトに声をかけて。じゃあSFとか特撮の同人誌を作ろうってコピーで作って、それが最初の同人誌なんで。1980年。

    qbc:
    はい。

    ヒロマサミ:
    それを作った後で、『宇宙船』のサークル会員募集コーナーがあって、そこで募集して。で、会員を募集して10人ぐらいになって。そしたら会員の方がコミックマーケットっていうのがあるよって連れてっていただいたんですよ。

    qbc:
    何回目か覚えてます?

    ヒロマサミ:
    晴海に来て初めてのコミックマーケットですね。

    qbc:
    へ~!

    ヒロマサミ:
    全くそういうのを知らなくて、行ってやっぱり衝撃を受けちゃったんですよ。で、面白いからうちの本もちょっと出してみようかとか。例えば何百冊も売れるんじゃなくて10冊売れればもう御の字だなみたいな感じで。
    で、サークル参加したのは社会人になってからですけど。18の時ですね。

    qbc:
    いやあ、すごい。今調べたら、「コミックマーケット19」ですって、晴海で初めては。

    ヒロマサミ:
    あ~なるほど、そうですね。それぐらい昔だったんです。

    qbc:
    うんうん。

    ヒロマサミ:
    それで、SF特撮ものは5年ぐらいやって辞めて。次は個人の活動にちょっとシフトし始めて。それでやっぱりオリジナルの本を作りたいっていうのがあって、創作漫画や犬の本を作ったりっていうのをずっと重ねてったら気がついたら40年作ってたっていう(笑)

    qbc:
    漫画ですか?

    ヒロマサミ:
    最初は漫画でしたね。怪獣に変身する主人公の作品。あと犬の漫画。
    わかりやすく言うと、犬のはちょっと銀牙みたいな漫画描いてみたりとか。そういう創作漫画とか犬のイラストの本を作ったりしてたんですけど。やっぱり実際、ショードッグ飼うようになったら、そちらにシフトが移って。ドッグショーの、そういうコリーとシェルティーの個人誌を作ったり。っていう感じで、ずっと作ってましたね。

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    91年発行『しっぽのきもち』

    qbc:
    それはコミックエッセイに入るんですか?

    ヒロマサミ:
    そうですね。コミックエッセイで。

    qbc:
    何ページぐらい描かれるんですか?一部に対して。

    ヒロマサミ:
    コミックエッセイは、本当に20ページぐらいのほんと薄い本で作って。

    qbc:
    でも結構描かれるんですね。

    ヒロマサミ:
    はい。

    qbc:
    じゃあほぼ1次創作ということですかね?

    ヒロマサミ:
    そうですね。そのSF特撮関係辞めてからは、ずっと1次創作の、創作少女動物ジャンルで参加し続けてるっていう形です。

    qbc:
    40年って一口に答えてくださいって難しいですけど、どんなもんなんでしょうか?コミックマーケットは自分ご自身にとって。

    ヒロマサミ:
    あ~、そうですね、なんかやっぱり、ここまで同人誌活動をやる支えになってくれた存在っていうんですか。ここに行けば誰かに会えるみたいな。ここに行けばうちの本を待ってくれる人がいるっていう。なんかそれですごく励みになったっていうのはありますね。

    qbc:
    辞めようと思ったことはある?

    ヒロマサミ:
    あ、あります。

    qbc:
    ちなみに、もちろんって言い方変ですけど、参加できなかった回はあるんですよね?

    ヒロマサミ:
    あ~、あります。

    qbc:
    なるほど。辞めようと思ったのは?

    ヒロマサミ:
    辞めようと思ったのは、夏コミがあまりにも過酷すぎちゃって(笑)もう駄目だっつって。やっぱり年齢がどうしても若くはないんで、もう行くたびにもう駄目もう駄目って思って(笑)

    qbc:
    じゃあ最近の話なんですか?辞めようと思ったのは。

    ヒロマサミ:
    コロナの頃はまだやめようって気持ちなくて、本当にここ2年とか3年ぐらいですね(笑)

    qbc:
    気持ちの問題じゃないということですね。

    ヒロマサミ:
    そうですね。体力で。ちょっと無理無理、コミケは無理ってなって。
    あとは、やっぱり年末の本当にギリギリなんですよね、冬コミが。
    で、私、結婚していて主人の両親と同居でずっときたので。そんな年末に嫁がいないってとんでもない話なんで(笑)
    それで、だんだん参加がちょっと…遠慮しながら参加して。さすがに大晦日のときは家族口聞いてくんないんじゃないかぐらい、ハラハラしながら参加したりとかっていうんで。
    やっぱり年齢行くと無理になってきましたね。お年寄りがいつ具合悪くなるかわかんないしなとか。っていうのはあります。

    qbc:
    でも、夏も夏でお盆ですよね?まだ。

    ヒロマサミ:
    あ、お盆ですね。でも微妙に外してるんで、何とか参加できてたっていう。

    qbc:
    あ~、そうなんだ。なるほど。

    ヒロマサミ:
    ドンピシャではなかったんで、参加できてたり。
    ただ本当にここ1、2年は、逆に言うとコミックマーケット自体がちょっと雰囲気が変わってきたなっていうのが感覚としてあって。

    qbc:
    40年の中で?

    ヒロマサミ:
    はい、そうですね。どっちかっていうと本中心ではなくて、全体的にアマチュアの漫画のお祭り、コスプレとかあとは企業ブースが出てたりとか。来場者が本を買いに行くんじゃなくて、そこの空気を吸いに来るみたいな、そういう感じになってきたんで、意外に本の方に人が来なくなってきたんですよ。

    qbc:
    本以外のブースって何ですか?

    ヒロマサミ:
    本以外だと、雑貨やハンドメイドグッズ。それと企業ブースと。あとはあれですね、本当にコスプレの方がどんどん華やかになって有名になって、そっちに人が来るようになってきたかなっていう。

    qbc:
    なるほど。同人誌即売会ではなくなってきてるというか。

    ヒロマサミ:
    そうですね。コミックマーケットっていう全体的なサブカルのお祭り的な感じです。
    だから自分の居場所っていう意味ではちょっと違ってきたのかなっていうのがここ数年であって、それもありますねやっぱり理由としては、

    qbc:
    ただ、そのヒロさんぐらいの世代っていうのがコミケの黎明期の人たちだと思ってて。まだそういった方々がいらっしゃるっていうのはすごいことだとは思うんです。50代でボーイズラブ好きな方とかのインタビューとかもあったりするんですけど、そういう意味で周りを見渡すと同世代はどんな感じですかね?

    ヒロマサミ:
    同世代の方でコミケ参加辞めた人がかなり多いのと、コミュニティとか別のイベントにシフトしてる人とか、あとは完全に読者になってしまった人、総じて作るのはもう辞めちゃったって人がものすごい多いですね。

    qbc:
    なるほど。ありがとうございます。
    では、パーソナリティについての質問になるんですが、人からはどういう性格だって言われますか?

    ヒロマサミ:
    どういう性格…うーん、なんか最初会ったときは、すごくのんびりして優しい人に見られんですけど、自分自身は心の中に悪魔が住んでるっていつも思ってんですよ。そういう意味で結構毒が強い人間だと思ってるんで、人間社会で普通に暮らすためには、なんか本とかを作って自分自身を出すっていうんですか。そちらで昇華してるっていう感じがすごく強いんですよね。

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    写真は毒出し漫画同人誌

    qbc:
    直で対峙になるとまずいってことですか?

    ヒロマサミ:
    一応あの人間のフリはできるんで。(笑)人間のフリというか、普通の人のフリぐらいはできるけど、疲れてしまうんですよね。

    qbc:
    それはいつ頃発見されたんですかね?

    ヒロマサミ:
    それはもう、中学生ぐらいのときからですね。

    qbc:
    あ、でも比較的早いですよね。

    ヒロマサミ:
    そうですね。やっぱり中学のときって、結構親が、今で言うと毒親的な人だったんで。思った通りにしないと親に殴られたりとか、結構やられてしまったんで。例えばそれで本当にこっちが暴力に走ったら犯罪になっちゃう。で、漫画とかでちょっとそういう暴力的なの、バトル漫画とかそういうのを一生懸命読んで、自分の中に住んでる悪魔を昇華してったっていうのが、ものすごい大きかったんです。
    コミックマーケットの活動も、昔は本当にアングラ的な雰囲気が強かったんで、そういうところに行く楽しさっていうのを知っちゃって、家よりコミケの方が居場所。アングラ的な、そういうサブカルの世界の楽しさで、自分のモヤモヤをこう、晴らしてったみたいなところが結構ありますね。

    qbc:
    なるほど。ちなみに絵を描いたのって、いつごろのタイミングだったんですか?

    ヒロマサミ:
    絵を描いたのも、小学校のときからずっと描いてましたね。

    qbc:
    漫画を描いたとかイラストを描いたみたいなのは?

    ヒロマサミ:
    漫画は、小学校高学年でなんかもうコマ割ってたんですよ。

    qbc:
    その頃のなんかコミックヒーローとかコミックヒロインって、ご自身の中でこの作品みたいなのってありますか?

    ヒロマサミ:
    あります。サイボーグ009ですね。

    qbc:
    リアルタイムじゃないですよね?

    ヒロマサミ:
    えっと…ちょっと遅いかもしれない。連載当初、本当のリアルタイムでは…でもその頃も009っていろんな雑誌で連載されてたんで。ある意味ではリアタイですね。

    qbc:
    へぇ~!アニメも?

    ヒロマサミ:
    アニメも、やっぱりサイボーグ009、遅れてですけど見たり。あとは特撮ヒーローものとか。まぁウルトラマンなり仮面ライダーなりゴジラなり、そこら辺はすごくはまって大好きだったですね。

    qbc:
    じゃあ、どっちかというと男の子漫画ですよね。

    ヒロマサミ:
    そうです。完全に男の子漫画ばっかりでした。

    qbc:
    ちなみに、私はそんな詳しくないんですけど、009のキャラは誰推しだったんですか?

    ヒロマサミ:
    推しっていうか…なんかあんまり推しって感覚がなくて。まぁ、島村ジョー、009は好きですけど、ストーリー的な面白さとかっていうのにすごく惹かれたっていうのがありますね。

    qbc:
    あ、そうなんですね。じゃあでも特撮ってことは石ノ森章太郎先生の…

    ヒロマサミ:
    そうですね。石ノ森先生のキカイダーとか、あと仮面ライダーも見てたし。本当に特撮ヒーローはどんなものでも、ほぼ見てたっていう感じですね。

    qbc:
    シン・仮面ライダーは見ました?

    ヒロマサミ:
    行きました。劇場で見て。

    qbc:
    それはどういう評価になるんですか?

    ヒロマサミ:
    あれは何か好き嫌いが激しいけど、私は結構クセが強くて好きだなっていう感じですね。

    qbc:
    多分同世代というか、オリジナルを見てる人たちにとっては全然OKな作品だろうなと思って。

    ヒロマサミ:
    あ~、そうですね。原作読んでる人には結構受け入れられやすいのかなっていう。


    過去:家族から反対されればされるほど燃え上がっちゃって、絶対この趣味はやめないとか言って

    qbc:
    ちょっと過去について聞いていきたいんですけど。お子さんの頃の子供の頃はどんな子供でしたかね?

    ヒロマサミ:
    子供の頃は、結構アウトドア人間で。虫取り網持っては走り回ったり外で遊び回ったりしてるのが小学校あがるまでで。
    で、小学校入ったら今度はインドアになっちゃって、絵ばっかり描いてるっていう。絵ばっかり描いたり絵物語を自分で考えたり。で、ずっとそんなことをやってんで、あの子は何で1人で教室に籠っちゃってんだろうって学校の先生からすごく心配されました。

    qbc:
    そういう漫画の世界に入ったきっかけみたいのって。

    ヒロマサミ:
    きっかけは、漫画の方が先ではなくて、テレビのアニメーションとか特撮ものをずっと見てて。で、小学校高学年になっていろいろ雑誌を見始めたら、あれ、これはテレビでやってた作品が漫画で連載されてんだって気がついて。それから、009とかは小学校の6年生で単行本買い始めたっていう感じです。それではまってったっていう感じですね、漫画の世界に。

    qbc:
    特撮もので、最初これ見てたんですよって言うと、どんなのですか?

    ヒロマサミ:
    テレビシリーズだとやっぱりウルトラマンとか、ウルトラセブンとかですね。

    qbc:
    何歳ぐらいの時?

    ヒロマサミ:
    たぶん…でも再放送だと思うんですけど、4、5歳ぐらいですかね。

    qbc:
    でも男の子ものだと思うんですけど、なんかそれは受け入れられたんですか?

    ヒロマサミ:
    あ、もう、あの女の子のキラキラかわいいのは全然好きじゃなかったんですよ。

    qbc:
    あぁ、なるほどね。

    ヒロマサミ:
    親にもね、だって買ってもらうおもちゃが、全部怪獣のソフビ人形だったんですよね。

    qbc:
    なんか特撮の良さみたいなのってのは、ご自身の中にあります?

    ヒロマサミ:
    やっぱり今の世界と地続きっていうんですか。実際の人が演じているし、怪獣も実際そこにいるんじゃないか、どっかにいるんじゃないかって思わせてくれるっていう、あの世界観がすごく好きなんですよね。日常の中に非日常が入ってくる。

    qbc:
    10代の頃はどんな過ごし方をされてたんですか?

    ヒロマサミ:
    10代の頃はひたすら漫画書いて。それで高校生になると、同人誌ずっと作り続けてみたいな感じです。

    qbc:
    20代は?

    ヒロマサミ:
    20代もひたすら同人誌を作って、コミケ出て。あと犬の飼育を始めて、展覧会…展覧会に頻繁に出るようになったのは30代なんですけど、20代は犬を飼育しながら、犬の勉強するために、毎週のように展覧会出かけて写真撮って。それを見ながら絵を描いたりとかっていうのはしてました。

    qbc:
    お仕事自体はされてたんですか?その20代の頃は。

    ヒロマサミ:
    普通に事務員やったり、あとアニメーションの仕事と。それから漫画雑誌の編集の仕事もちょっとしてました。

    qbc:
    じゃあもう業界に入ったってことですね。

    ヒロマサミ:
    そうですね。

    qbc:
    で、30代はどんな感じですかね。

    ヒロマサミ:
    30代は、95年にこっち秋田に引っ越して、98年に結婚したんですよ。

    qbc:
    じゃあもう結婚と同じタイミングで秋田だったんですね。

    ヒロマサミ:
    あぁそうですね。

    qbc:
    95年だとお年は何歳ぐらい?

    ヒロマサミ:
    95年だと30代ですよね。えっと、31歳です。

    qbc:
    もともと住んでたのは関東?

    ヒロマサミ:
    そうです。東京の杉並区で生まれて、5歳で世田谷の上馬ですね、上馬に引っ越して。それから12歳で千葉の船橋に引っ越して、95年に秋田っていう形です。

    qbc:
    私、三軒茶屋で上馬はよく分かるんですが…

    ヒロマサミ:
    あぁ~、懐かしいです。

    qbc:
    私も日暮里に住んでたんでよく分かるんですけど。あと私、父親が秋田なので、秋田もよく分かるんですけど。

    ヒロマサミ:
    あぁ~、そうなんですね。へぇ~

    qbc:
    よく秋田に行こうって踏ん切れましたね。

    ヒロマサミ:
    実はそのとき、実家の家族全員で引っ越すってことに決まって。私は実は反対してたんですよ。

    qbc:
    ご主人の家族全員が?

    ヒロマサミ:
    いや、実家の家族です。

    qbc:
    えっ、あ、ごめんなさい、じゃあ結婚で秋田に行ったわけじゃないんですね?

    ヒロマサミ:
    じゃないんですよ、実は。

    qbc:
    あ~、はいはい。

    ヒロマサミ:
    母親が元々秋田の人間で。年齢ある程度いったら秋田に住みたいってことをすごく言ってて。で、今なら行けるみたいな形で95年に話がまとまって、こっちに引っ越す算段をつけたけど、私がすごい反対して。
    そんな雪国で車の免許も持ってないような人間が生きて行ける場所じゃないでしょ、ってことをすごく言ったんですよね。実際引っ越してからもちょっと険悪だったんですよ、家族と。親が秋田はやっぱり大変だったみたいな愚痴ばかり。今更ですよね。
    それでも、引っ越してしまったのはもうしょうがないんで、私はそこで生きてくしかないんって奮起して。まぁ言っちゃえばまだ若かったし、仕事に就いて。仕事しながら、こんなに広大な場所だったらどっかで犬飼って普通に暮らせるぞなみたいな。
    でも親と一緒にいると、やっぱり親はあんまりそんなに犬好きではなかったんですよ。

    qbc:
    はいはいはいはい。

    ヒロマサミ:
    なので、親と大喧嘩して家出して。それで犬飼ってもいい借家に住んで、そこで
    犬を何匹か増やしちゃって。で、もうその間に旦那と知り合って、結婚しようかみたいな話になり。
    私は犬の好きな人じゃないと結婚しないってことを、固く、親戚中にも全部釘刺しておいたんですけど。たまたま旦那が前にシェルティー飼ってたよっていう話したのと、旦那のすぐ近所に親戚がいたんですけど、その人が何か結構有名な秋田犬のブリーダーさんだったんですよね。
    それで、それ聞いてなんか、いや、これはもうちょっと不便な場所だけど結婚しちゃおうみたいな感じになって。それで結婚しちゃったんですよね。

    qbc:
    出会い自体はどういう出会いだったんですか?

    ヒロマサミ:
    出会い自体は人からの紹介でした。

    qbc:
    じゃあまぁそんな強くって感じじゃなく、友達になればみたいな?

    ヒロマサミ:
    そうですね。そんなに結婚する気満々とかそんなことは全然なくて。まぁこういう人いるよ、いるけどどう?みたいな。

    qbc:
    ご両親からはどのように育てられましたか?

    ヒロマサミ:
    あ~、全然、育てて貰った感じ無くて。毒親だったし両親とは仲悪かったです。なんていうんですか親は漫画ばっかり描いて、女の子なのに怪獣好きで怪獣ばっかり見てるし、この子はちょっと頭おかしいんじゃないかっていう(笑)

    qbc:
    じゃあ家族にそういう、趣味に没頭するタイプの人いなかったんですか?

    ヒロマサミ:
    あ、誰もいなかったですね。

    qbc:
    へぇ~。じゃあちなみに自分で何でそうなったかみたいに考えたことありますか?

    ヒロマサミ:
    いや、全然考えないです。好きなもんは好きだからみたいな感じで(笑)

    qbc:
    まぁ、そうですよね。

    ヒロマサミ:
    はい。ある意味負けず嫌いなんで、家族から反対されればされるほど燃え上がっちゃって、絶対この趣味はやめないとか言って。コミケ行くのも、そんなものばっかり行ってって言われたけど、もうコミケには行くし同人誌は作るしってことはやめない。
    要するに、それが逆に逆風になって、きっかけになっちゃったっていう。

    qbc:
    結婚してから30代どんな感じだったんですか?

    ヒロマサミ:
    30代はもうひたすら犬の世話と同人誌作りで、生きてきたなみたいな。だから全然それ以外の仕事してなかったんですよね。

    qbc:
    40代は?

    ヒロマサミ:
    震災はありましたが40代も引き続きそんな感じでしたね。

    qbc:
    うん。50代は?

    ヒロマサミ:
    50代は震災があって数年でいろいろ…。秋田は震災の被害ってほとんどなかったんですけど、やっぱりちょっと価値観とかいろいろ変わってっちゃったっていうか。なんかこのまんまのんびり生きていけないのかなとか。東北全体が暗い雰囲気になっちゃって。

    qbc:
    あ、なるほど。

    ヒロマサミ:
    はい。っていうのが、自分の考えを変えるきっかけにはなったかなっていう。それはありますね。
    で、震災がある前から、2000年くらいから犬とか猫関係のボランティア活動は地元でやってたんですけど、震災で余計に犬猫保護活動に参加したり、そういうボランティアも活発にやってた時期ですね。

    qbc:
    なるほどね~。ご病気の方はどれぐらいで?

    ヒロマサミ:
    やっぱり病気しちゃってからそのボランティア活動もできなくなり、やっぱり体が弱ってるんで、どうしても展覧会出るとかブリーダーっていうのも、ちょっと自分で限界感じ始めて。で、展覧会とか繁殖は、病気してからは辞めちゃったんですよね。

    qbc:
    なるほどなるほど。闘病というか、入院生活はどれぐらいだったんですか?

    ヒロマサミ:
    入院は、2週間で出されちゃったんですよ。

    qbc:
    あ、へぇ~、そんな感じなんですね。

    ヒロマサミ:
    ええ。ずっと抗がん剤とか打つとかじゃなくて、切除の手術して、じゃあ元気そうだからあとは家で養生してください、みたいな感じで。定期では通ってたんですけど。
    病気って、治療しても病院側は例えばメンタルを何とかしてくれるとは全然なくて。その病気がきっかけになって、メンタルを病んじゃったんですよね。体が自由に動かないとかもあって。
    で、それに伴って実家の両親が離婚しちゃったんですよ。

    qbc:
    はいはいはいはい。

    ヒロマサミ:
    で離婚して、父親はこっちの秋田残ったんですけど、母親と妹は千葉に帰って行っちゃったんですよね。

    qbc:
    そっちに実家があるんですか?

    ヒロマサミ:
    実家はないですけど、向こうで借家見つけてそっちに引っ越しちゃって。で、父親はアパートに1人で入って。
    そしたら今度は父親の介護生活みたいなのが始まっちゃった。

    qbc:
    お父様はおいくつでいらっしゃいます?

    ヒロマサミ:
    父親はもう今は亡くなっちゃったんですけど、昭和13年生まれですから、70代。1回55歳で脳梗塞で倒れちゃってるんで、それで介護生活が始まったんです。
    あとは母親が千葉に引っ越したけど欲求不満タラタラで、そういう電話ばっかりかかってきて、私がメンタルの方更に病んじゃって。
    それで50代、体力もなくなるしメンタルは病んじゃうしで、結構大変でした。

    qbc:
    それはいわゆるメンタルクリニックには通われたんですか?

    ヒロマサミ:
    通いました。

    qbc:
    薬だけでみたいな?

    ヒロマサミ:
    そうですね。薬と、通院して先生に指導を受けながら。薬、今もずっと飲み続けてるんですけど。
    ただ、その中でやっぱ支えになってくれたっつうのは動物がいるっていうこと。と、あと同人誌作って。まぁ変な話、病気してから家にいる時間が増えたんで、同人誌の発行率が上がっちゃったんですよ(笑)

    qbc:
    なるほど(笑)なんか人生振り返っていただいて、ご自分の人生の中での転換点みたいなのは?

    ヒロマサミ:
    転換点は、秋田に引っ越したことですね。

    qbc:
    震災とどっちが大きいですか?

    ヒロマサミ:
    やっぱり、秋田に引っ越したことが大きいですね。

    qbc:
    はい。ちょっと重なる部分もあるんですけど、どういうふうに変化があったんですか?

    ヒロマサミ:
    何て言うんですか、首都圏にいたら見えなかった地方、地方から見た首都圏が見えてきたっていうのと。
    あとは動物と囲まれて暮らすっていう、そのときは本当に楽しいんです。やっぱり自分が目指してたものに、ここに到達したなっていうのが。まぁ達成感ですよね。

    qbc:
    到達したっていうのはどの時点で感じられたんですか?何歳?

    ヒロマサミ:
    到達したって感じたのは、2001年に初めてオオカミ犬、ウルフドッグっていうオオカミと犬の混血種を飼って。それが夢だったんですよね、本当に。ムツゴロウさんもオオカミ犬飼ってたんです。そこに行き着いた、ついにここまで来ちゃったかって自分で思うぐらい。

    qbc:
    なるほど、じゃあ夢が叶ったってことですよね。

    ヒロマサミ:
    はい。

    画像
    写真はウルフドッグのカーリー

    qbc:
    ちなみに地方から見た首都圏でどう見えたんですか?

    ヒロマサミ:
    やっぱりきらびやかで楽しそうっていう。ただ、楽しいんだけど、楽しすぎて疲れちゃうみたいな。楽しさに追い立てられるような、っていう感じですね。

    qbc:
    頻度的にどれぐらいであればいいんですか?首都圏は。

    ヒロマサミ:
    首都圏は、多くても月1回行ければいいのかなみたいな。

    qbc:
    多くて。それぐらいは行かないと。

    ヒロマサミ:
    本当はそれが理想ですがさすがに無理、それでも3ヶ月に1回は行きたいかなみたいな。

    qbc:
    あ~、なるほどなるほど。


    未来:動物を飼うって、私、一種の業だと思ってんですよ

    qbc:
    未来についてなんですけど、5年10年後どれぐらいなのかちょっとわからないですけど、自分が最後死ぬっていうところをイメージして、今どんな未来を思い描いてますかね?

    ヒロマサミ:
    やはり今いる動物たちを全部見送りたいっていうのが、一番強いですね。最後まで責任を持つってことで、動物を全部見送って。で、見送る前は画家としてしっかり食べていければいいなみたいな、そういう気持ちは強いですね。

    qbc:
    なんか、いつ頃からその見送りたいっていう気持ちは?

    ヒロマサミ:
    自分が大きい病気して、そのときどうなるかわからないって言われたんですよね、病院で。症例があんまりない手術だし。もし何か私に何かあったら、誰かに引き取ってもらうしかないのかなとか、そういうことを、犬とか猫の最期のことを考えるようになって。
    最期、これから考えると、犬猫を最期まで見送るのが自分の一番の責任かなっていうことを、すごく強く考えるようになりました。

    qbc:
    なるほど。なんか、うまくいけそうですか?それは。

    ヒロマサミ:
    多分、多分大丈夫です。
    動物好きなんで、つい、例えばどこどこで子犬生まれてるよなんて言われたら、うわ~欲しいななんて言って、すごい悩んじゃったり。いいコリー生まれてますよなんて言われたら欲しい欲しいって思うけど、そこで、待てよって。一生懸命押し止めて。っていう感じで、何とか見送れるかなっていう。

    qbc:
    画家としては、展望はいかがですか?

    ヒロマサミ:
    画家としては、一応秋田にしっかり腰据えて。地元の私の住んでる市だと、ギャラリーがないんですよね。なので秋田市まで行って、年1回個展を開いて、ファンを増やしていけばいいのかなとか。
    あとはちっちゃいイベントとかいろいろ出てるんですけど、そうするとだんだんなんか名前が浸透したり、たまに絵を買ってくださる方がいらっしゃるようになったんです。これで少しずつ浸透していけばいけるかなみたいな。

    qbc:
    どんな絵を描かれるのかっていうのを、言葉で表現していただくと、どんな感じですか?

    ヒロマサミ:
    何て言うんでしょうね、生命力がほとばしっているような。ちょっと狂気を含んでるような絵ですね。

    qbc:
    え?(笑)

    ヒロマサミ:
    って言われます(笑)言われてみて自分でもちょっと狂ってるような絵が描きたいっていう。

    qbc:
    あ~勝手になんか、動物の和やかな感じかと…

    ヒロマサミ:
    って思いますよね。全然そんなんじゃないんですけど(笑)

    qbc:
    じゃあ生命力ってことですよね。

    ヒロマサミ:
    そうですね、生命力のある絵っていう。

    画像
    写真は第63回秋田県展入選作

    qbc:
    それは参考にされてる画家とかは?こういう感じですよみたいなのは?

    ヒロマサミ:
    う~ん、今のところこの人っていうのはないですよね。いろんな画家の絵はなるべく実物を見には行くんですけど、自分が描きたいものは自分の中で探し当てるみたいな、何かそういう作業になってるなっていう感じです。

    qbc:
    今、話聞いたからあれなんすけど、仮面ライダーとか、ああいうエネルギーみたいのがあるんすかね?

    ヒロマサミ:
    あ、そうですね。やっぱり仮面ライダー、009、特に石ノ森章太郎先生って、結構虐げられたりとか、不本意に改造されたりとか、ちょっと暗さがある。あそこに私すごく惹かれて。
    動物描くのでも、普通に綺麗でかっこいいとかかわいいとかだと、見る分にはいいんですけど、自分が描くのはそれじゃないなっていう。なんかもっと本当に生命力ほとばしって、なんか見た人がはっとするようなっていうんですか。うわっ!ていう。私なんかは自分の絵、今、魔よけの絵を描いてるってよく言うんですよね。それぐらい生命力がほとばしってる絵を今描いてるとこですね。

    qbc:
    その魔よけの魔って何です?

    ヒロマサミ:
    いろんな災害とか病気とか、そういうものを跳ね除ける力を与えてくれるような、見てるだけで元気が出るような絵がいいかなっていう。

    qbc:
    なるほどね。もしもの未来の質問っていうのをしておりましてですね。
    もしも動物か同人かどっちか選べって言ったら、どっち選びます?

    ヒロマサミ:
    う~ん…、動物です。

    qbc:
    なるほど。なぜですか?

    ヒロマサミ:
    やっぱり、同人誌はやらなくても我慢できるけど、ある程度。卒業したりとかっていうのはできるけど、動物はちょっと無理かなっていう。

    qbc:
    どんな意味で?

    ヒロマサミ:
    責任っていう意味で。同人誌は発行しなくなっても誰も文句多分言わないと思うんです。動物は命あるし、心もあるので、最後まで自分が責任持って飼って見送ってくのが、動物を飼った人の…。動物を飼うって、私、一種の業だと思ってんですよ。

    qbc:
    業?

    ヒロマサミ:
    業。要するに、人間が他の動物をそうやって捕まえて改良して飼ってるっていうのは、業を背負ってると思ってんですよね。あとエゴですよね、エゴだと思ってんですよ。だからこそ、ちゃんと最後まで見送るべきじゃないかっていうのを感じてるんで。それでどっちか選ぶなら動物を選んでしまうっていう。

    qbc:
    いつからカルマだと思ったんですかね。何歳の時?いつからそんな。

    ヒロマサミ:
    カルマ、そうですね。
    やはり純血種を自分が飼って。純血種はある意味文化でもあるし、美術にも通じる部分あるなって思いながらも、あぁこんなことまでして人間は動物を作ってきたんだっていうのをすごい感じたんですよね。
    その純血種を飼ったときに、血統書ついてきて。あぁ、ここまで、ここまで人間はするんだっていうのを、まぁ、否定的ではなくて肯定的に捉えたんです。
    それから、動物とか犬とか猫に対する考えがちょっと変わってきたかなっていう。

    画像
    写真は母親がラフコリーのウルフドッグ『ごま』

    qbc:
    それとオオカミ犬を飼うことは関係ってあります?

    ヒロマサミ:
    あぁやっぱり、地続きな部分ありますね。

    qbc:
    純血とその混血?

    ヒロマサミ:
    混血。それもオオカミというのを交配するってのはやはりエゴだけど。自分の中では、それが美しいものっていう…犬とオオカミの両方の違う血が入ってて、独特な雰囲気になるし、それがすごく美しいっていうんですか。それを感じてるんで…まぁ純血種も飼ってオオカミ犬も飼ってるって、ちょっと矛盾してるけど、どっちも自分にとって好きなものっていう。

    qbc:
    うんうんうん。ありがとうございます。
    なんかこんな話が続いちゃうと、仮面ライダーの話に聞こえてきちゃうんすけど(笑)

    ヒロマサミ:
    そうですね(笑)改造とかのような。

    qbc:
    でも…なるほどね、種の間とかそういうこと。
    なんか、自分の中のその衝動というか、エネルギーみたいなものっていうのは、どう向き合ってきた気がします?

    ヒロマサミ:
    そうですね。衝動に駆られるとじっとしてられないみたいなところがあるので。そういうときは何か絵を描いて落ち着くとか、本を読んで落ち着くとか。そんな感じですね。

    qbc:
    中学生ぐらいのときに、何かこうしなきゃいかんみたいなのに気づいたとかっておっしゃってましたよね?

    ヒロマサミ:
    ええ。

    qbc:
    それは何か大きい出来事とかがあったんですか?

    ヒロマサミ:
    いやぁ、親に結構暴力振るわれたり、下げられたり散々されてたんで。逆に言うと、親は自分にとって親らしいことを教えてくれなかったけど、石ノ森章太郎先生は、例えばサイボーグ009とか仮面ライダーで、人間にとって大事なものとか愛とか、そういうのをすごい教えてくれたなっていう。そこで、道踏み誤らなかったのかなっていう。それすごい感じてますね。

    qbc:
    ありがとうございます。最後の質問がですね、最後に言い残したことは?っていうので、遺言でも読者向けメッセージでも、インタビュー受けての独り言でもいいんですけど、最後に言い残したことがあればお伺いしています。

    ヒロマサミ:
    最後に言い残したこと…あ、じゃあ宣伝になっちゃってもいいですか?

    qbc:
    もちろん、もちろん。

    ヒロマサミ:
    私は首都圏のいろんな文学フリマ、コミケ、コミティア、資料性博覧会に、工房斑狼っていうサークル出ておりますので、いろんな面白い本を持っていきますので、ぜひお立ち寄りくださいませ。

    qbc:
    ありがとうございます。


    あとがき

    動物を飼うことが、業!
    【インタビュー・編集・あとがき:qbc】

    【編集:mii】

    #無名人インタビュー #インタビュー #画家 #ドッグトレーナー


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    あなたよ輝け「有名人だから面白いんじゃない。人は誰でも素晴らしく面白い」。2020年設立。メンバー約20名。主宰は栗林康弘。1,500人以上をインタビュー。聞く=愛💕🫶無料インタビュー応募は固定記事からどうぞ。公式サイトhttps://mumei.me/

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