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リアル桃太郎


    桃太郎の3人の家来中随一の熱血漢であり、正義感あふれる犬ケンは悩んでいた。

    鬼ヶ島で暮らしていた鬼たちを宣戦布告なしに襲撃し、問答無用で成敗という名の虐殺、あまつさえ島の金銀財宝を根こそぎ接収…

    そこに本当の「正義」はあったのか?…と。

    そんな懊悩の帰路の中、パーティ内の知恵袋でもある最年長の猴コウが、こう言って手を差し伸べてきたのだ。

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    「猴こうさん…」

    犬ケンは思った。
    もう一度、桃太郎マスターを信じてみよう。
    いや、猴が信じている桃太郎を信じてみよう、と。

    差しのべられた猴コウの手をしっかりと握りしめ、立ち上がる犬ケン。

    見つめ合う二人の目には熱い力がこもっており、
    もうそれ以上言葉は要らなかった。

    そんな二人を、少し離れてところで見ている雉のホロロ。
    生来涙もろい彼の顔は、すでに涙でぐしょぐしょになっている。
    ケーン、ケーンと嗚咽したいところをぐっと堪える。
    鳴いてしまうと、どこからともなく撃たれる危険性があるからだ。

    ――『リアル桃太郎』第4章 正義の名のもとに
    より一部抜粋

     
     
    野球と音楽とほんの少しゲーム、とるに足らない凡愚です。野球は地元・北海道日本ハムファイターズを贔屓にパ・リーグ全般、音楽は基本なんでも、ゲームは女神転生シリーズとカルドセプトをちょいとかじる、というマニアックなこじらせ者。こんなんですが、どうぞよろしくお願いします。

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