
成長には過負荷をかける必要がある“オーバーロード ” #105
人が成長するためには、具体的な目標設定が欠かせません。
目標を具体的にすることで、「今の自分」と「なりたい自分」の間にあるギャップが見えるようになります。
そして、そのギャップを埋めるために「いつまでに」、「何を」、「どのように」行うのかが明確になります。
曖昧な目標では、成長のための行動も曖昧になってしまうのです。

■ 成長を実現する「逆算思考」
目標設定には、バックキャスト(逆算思考)という考え方があります。
まず重要なのは、明確な期限を決めることです。
そして、その期限までに何を達成する必要があるのかを、5W1Hなどのフレームワークを使って具体化します。
5W1Hとは、計画を立案する際に曖昧な思考を整理するために、Why(なぜ)、What(何を)、Who(誰が)、When(いつ)、Where(どこで)、How(どのように)と因数分解したものです。
そして、ここまで明確になって、初めて「目標」が成立します。
逆に言えば、期限も課題も曖昧なものは目標とは言えません。
さらに、その目標を達成するためには、長期計画、中期目標、短期目標といった経過目標を逆算して設定していくことが重要になります。
■ 成長するためのオーバーロードの原則
成長とは、高い目標を達成することで、そのレベルが「当たり前」になることだと考えています。
そして実は、目標を達成するまでの過程以上に、達成した後の心構えが大切なのではないかと思っています。
トレーニングには、オーバーロードの原則(過負荷の法則)という考え方があります。
例えば、50kgのバーベルを5回持ち上げられる人が、毎日同じく50kgを5回だけ持ち上げ続けたとします。
この場合、筋力は維持されることはあっても、向上することはありません。
なぜなら、成長するためには今の自分より少し上の負荷が必要だからです。
そのため、パワーを高めたいなら「重量」を増やすこと、スタミナを高めたいなら「回数」を増やすことが重要となります。
つまり、現状より少し高い負荷をかけ続けることが必要なのです。

■ 成長する人は「基準」を上げ続けている
これは心理学者アンダース・エリクソンが提唱した
デリバレイト・プラクティス(意図的練習)の考え方にも通じます。
人が成長するためには、理論や根拠に基づいた練習を行い、自分の能力の限界を少しだけ超える負荷をかけるトレーニングが必要だと言われています。
ただし、ここで重要なことがあります。
それは、負荷を上げたからといって、すぐ成果が出るわけではないということです。
例えば、一度や二度の成功で満足してしまう。
あるいは、一度や二度の失敗で諦めてしまう。
それでは、その瞬間、成長は止まります。
一方で、同じ行動ばかりを繰り返している人は、それが自分の「あたりまえの基準」になってしまいます。
その結果、新しい学びは生まれず、パフォーマンスは向上せず、場合によっては弱体化することさえあります。
■ 成長は、ある日突然、加速する
一流アスリートの愛読書とも言われる「メンタルタフネス」という書籍の中に、こんな言葉があります。
ある日、あなたは上手くなる
より早く
より強く
より多くを知り
より多くを達成する
自然と解決してしまう
続けてどんどんできていく
あなたはずっと上手くなる
努力の成果は、すぐには現れません。
しかし、努力を積み重ねていると、ある瞬間に一気に飛躍する「ブレイクスルーポイント」が訪れると言われています。

■ ブレイクスルーの直前で諦めていないか
もし、その瞬間の手前で諦めてしまったとしたら、それは自分の中に眠っている潜在能力を放棄することに近いのかもしれません。
だからこそ、妥協せず、少し高い負荷をかけ続け、高い目標に挑戦し続けるべきです。
その積み重ねによって、「あたりまえの基準」は少しずつ引き上がっていきます。
そして、その先に、本当の意味での成長があるのだと思います。