メインコンテンツへスキップ
見出し画像

採用後のミスマッチは、なぜ起きる?|人だけでなく「仕事」と「職場」を見る理由

    「面接では良さそうに見えたのに、入職後はうまくいかなかった」

    採用に関わっていると、こんな行き違いが起きることがあります。

    経験もある。受け答えも丁寧だった。本人も「頑張ります」と言っていた。

    それでも、実際に働き始めると仕事が合わなかったり、指示が伝わらなかったり、周囲とのすれ違いが増えたりする。

    そんなとき、採用した側は「自分の見る目がなかったのでは」と悩みます。働く本人も「自分はこの仕事に向いていないのでは」と苦しくなります。

    けれど、採用後のミスマッチは、その人だけを見ても整理できないことがあります。

    人だけではなく、「どんな仕事なのか」「どんな職場で行うのか」まで分けて考える必要があるからです。

    面接では、どうしても「人」が中心になる

    一般的な面接では、次のような点を確認します。

    • 経験や資格

    • 志望理由

    • 受け答えの印象

    • コミュニケーションの取り方

    • 長く働く意思があるか

    どれも大切な情報です。

    ただし、これだけでは「その人が実際の職場で力を発揮できるか」までは分かりません。

    同じ経験を持つ人でも、落ち着いて一つずつ処理する仕事で力を出しやすい人もいれば、予定外の出来事に次々対応する仕事で力を出しやすい人もいます。

    どちらが優れているという話ではありません。

    仕事の条件と、その人が力を出しやすい状況が合っているかどうかの違いです。

    同じ職種名でも、実際の仕事は違う

    たとえば「医療事務」という職種名が同じでも、職場によって求められる動き方は変わります。

    完全予約制のクリニックと、予約外の来院が多いクリニックでは、予定変更の頻度が違います。

    電話、受付、会計が同時に重なる職場もあれば、担当を分けている職場もあります。

    分からないことをすぐ相談できる体制もあれば、少人数のため、その場で判断する場面が多い職場もあります。

    つまり、「医療事務の経験がある」という情報だけでは、その職場との相性までは判断できません。

    介護職や看護師、営業、総務など、ほかの職種でも同じです。

    職種名ではなく、実際にどのような場面が多い仕事なのかを見る必要があります。

    画像

    ミスマッチを「人・仕事・環境」に分けてみる

    採用後に「合わなかった」と感じたときは、すぐに本人の性格や意欲の問題と決めず、次の三つに分けて考えてみます。

    1.人

    • 情報をどのように整理しやすいか

    • どのような伝え方なら理解しやすいか

    • 予定変更が続く場面で、どの程度負担を感じるか

    • 一人で進める仕事と、周囲と調整する仕事のどちらで力を出しやすいか

    ここで大切なのは、診断名やラベルをつけることではありません。

    本人がどのような条件で動きやすいかを、日々の行動から整理することです。

    2.仕事

    • 複数の対応が同時に発生するか

    • 正確さと速さのどちらを強く求めるか

    • 予定外の変更がどの程度あるか

    • 自分で判断する範囲はどこまでか

    • ミスが起きたとき、どのように修正できるか

    仕事の条件が曖昧なままだと、面接で何を確認すればよいかも曖昧になります。

    3.環境

    • 一緒に働く人数

    • 質問や相談ができる相手

    • 指示を出す人の数

    • 手順書や確認表の有無

    • 忙しい時間帯の支援体制

    同じ人、同じ仕事でも、環境が変われば働きやすさは変わります。

    「本人に問題がある」「上司の教え方が悪い」と片方だけを責める前に、三つを切り分けると、変えられる部分が見つかりやすくなります。

    採用前に、仕事の条件を五つだけ書き出す

    難しい分析から始める必要はありません。

    次の採用を始める前に、自分たちの職場について五つ書き出してみてください。

    1. 忙しい時間帯に、何件くらいの対応が重なるか

    2. 予定外の変更は、どのくらい発生するか

    3. 一人で判断する場面は、どこにあるか

    4. 正確さと速さのうち、どちらがより重要か

    5. 困ったとき、誰にどのように相談できるか


    画像

    ここまで整理すると、面接の質問も具体的になります。

    たとえば、「忙しいときも対応できますか?」では、多くの人が「できます」と答えます。

    代わりに、次のように聞いてみます。

    「電話対応中に来院された方がいて、会計処理も重なった場合、最初に何を確認しますか?」

    正解を当ててもらうための質問ではありません。

    何を優先するのか、分からないときに誰へ確認するのかを聞くことで、その人の考え方と職場の条件を照らし合わせやすくなります。

    人材分析だけで、採用の合否は決められない

    人材分析の結果は、採用の合否を自動的に決めるものではありません。

    資格、経験、面接、これまでの実績などと並ぶ、判断材料の一つです。

    結果だけを見て「この人は向いている」「この人は採用しない」と決めてしまうと、その人が持つ経験や、職場側で調整できる条件を見落とす可能性があります。

    分析結果は、人を決めつけるためではなく、次の面接で何を確かめるか、採用後にどのように伝えるかを考えるために使う。

    最終的な判断は、職場の状況と本人との対話を踏まえて、人が行うものだとWakaruは考えています。

    「誰を採るか」だけで終わらせない

    採用後のミスマッチを完全になくすことは難しいかもしれません。

    それでも、人だけを見る採用から、「人・仕事・環境」を一緒に見る採用へ変えることはできます。

    まずは、自分たちの職場で求められる条件を五つ、言葉にしてみてください。

    そこで初めて、「どんな人が優秀か」ではなく、「この職場では、どんな人が力を出しやすいか」を考えられるようになります。

    Wakaruでは、採用や従業員対応で「この人、どう扱えばいい?」と迷ったときに使える視点を、noteとXで発信していきます。

    次回は、同じ職種名でも仕事の条件が変わる理由を、医療・介護の仕事を中心に整理します。

     
     

    Wakaru

     
     
    従業員対応に追われ、本来の経営が止まっていませんか。従業員の意見は聞く。でも、経営の軸は渡さない。Wakaruは心理分析から、採用の見極め、伝え方、任せ方、配置を整理します。良い人材を活かし、難しい関係は見直す。人に振り回されず、本来の経営へ戻るための判断材料を発信します。

    あなたへのおすすめ