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かっこつけたいお年頃

    皆さんは「かっこいい人」といえば、どんな人を思い浮かべるだろうか。

    私にとってかっこいい人といえば、ある1人の主婦さんが思い浮かぶ。
    新卒で入社し、初めて店長として働いたカフェ。
    そこで一緒に働いていた30代のFさんが、私にとって最高にかっこいい人だった。

    Fさんは3人のお子さんのお母さん。
    「少しずつ子供の手も離れてきたから、久しぶりに社会復帰がしたい!」と情熱的な目で語り、いつも一生懸命に働いていた。

    決して長くはない休憩時間にお店からスーパーへチャリを飛ばし、勤務終わりにはそのままお子さんを迎えに、またチャリをかっ飛ばす。
    そんな圧倒的ハードスケジュールでも弱音一つ吐かず、毎日元気に「てんてん!」と話しかけてくれた。
    ちなみに「てんてん」とは、Fさん流の親しみを込めた「店長」の呼び名である。
    なんだか言葉の響きが可愛くて、私はこの呼び名も気に入っていた。

    その頃の私は店長とは言っても、まさに名ばかりで。
    20代前半の田舎から出てきた小娘が、大都会でいきなり「はい!あなたは今日から店長です!」と言われても、そりゃあもう何もかもうまくいかなくて。

    慣れない仕事に、慣れない都会での生活。
    わからないことだらけな上に完璧主義な私は、今考えると人生の大部分を仕事に注ぎ込むような、ちょっと性に合わない生活をしていた。
    そんな私を心配しごはんに連れて行ってくれたり、空き時間に話を聞いてくれたのも、会社の先輩社員ではなくFさんだった。

    「なんでこんなに助けてくれるんですか?」と、ふと聞いたことがある。
    「てんてんがいつも頑張ってるのが伝わってくるからだよ。」
    そう言ってくれたFさんの笑顔を、私は今も覚えている。

    私の頑張りを見ていてくれる人がいた。
    嬉しくてホッとして、鼻の奥がツンとなった。
    Fさんはそんな私を見て、また笑っていた。

    Fさん、私も出会った時のFさんと同じ歳になりました。
    話を聞いてもらっていた当時お付き合いしていた彼とは別れたし、思い描いた未来予想図通りには、全くもって進んでおりません。笑
    でも、私も誰かにとってFさんみたいな、かっこいい大人になれたらなと思うのです。

    今の年齢は、私にとってちょっと特別で、かっこつけたいお年頃。
    私も誰かの頑張りにそっと気付ける、かっこいい大人でありたい。


    ナツメグさんからバトンをいただき、#エッセイしりとりに参加させて頂きました。
    ナツメグさん、嬉しいお誘いをありがとうございました!

    ナツメグさんの記事はこちら↓

    主催者さま、マイキーさんの記事はこちら↓

    期日が8月いっぱいと近いためお次の方にバトンはお渡しせず、こちらの記事でおしまいにさせて頂きます。

    素敵な企画に参加させて頂き、ありがとうございました!


     
     
    集団行動が苦手な元カフェ店長。 夫と犬と、静かにのんびり暮らしています。 おうちコーヒーと静かな暮らしが好き。

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