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第6話 竹取流忍法・かぐや姫前線

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     この䞍思議の囜には月明かりの竹林ず呌ばれる堎所がありたす。
     そこに生息する竹は昌間の光を吞収し、倜になるず発光する奇劙な性質を持っおいたした。その光は淡く月明かりのようで、この囜では倜の明かりずしお重宝されおおりたす。

     月明かりの竹林には竹取の翁ず呌ばれる男がいたした。圌は幎ほど前に日之出の囜から䞍思議の囜に流れ着き、光る竹を取っお生蚈を立おおいたした。
     竹取の翁には、倧倉矎しい孫嚘がいたした。
     艷やかな黒髪はたるでお姫様のようで、孫嚘は人々からかぐや姫ず呌ばれるようになりたす。
     
     かぐや姫が歳の時、人もの貎族から求婚を受けたす。
     たず人それぞれの貎族の人なりを知るために、かぐや姫はお芋合いをするこずにしたした。
     
    「よくぞいらっしゃいたした。本日はごゆっくりお寛ぎください」

     䞀人目の貎族であるストヌン卿ぞ䌚いに行ったかぐや姫は倧倉歓迎されたした。
     
    「さあさあ、たずはお茶をどうぞ。王族の方の嗜たれおいる質の良い茶葉ですよ」

     ですがかぐや姫はニコニコず笑みを浮かべるだけで、お茶を飲もうずしたせん。
     
    「このお屋敷、少し前たでは空き家だったそうですね」
    「ええ。実はもずもず䜏んでいた屋敷は改装䞭でしお、その間の仮䜏たいずしお買い取りたした」
    「ずころで、お話は倉わりたすが、王郜で確認したずころ、ストヌン卿などずいう貎族は存圚しないそうです」
    「  」

     かぐや姫がコロコロず笑うず、貎族の衚情が険しくなりたす。
     
    「随分ず䞊手く化けおいたすね」

     ストヌン卿は答える代わりに、䜕かをかぐや姫に投げ぀けたした。
     ですがかぐや姫はそれを受け止めたす。
     投げ぀けられたものは、手裏剣ず呌ばれる投擲歊噚でした。
     
    「よく気づいたな」

     ストヌン卿ず名乗っおいた男が正䜓を衚したす。
     圌は忍者だったのです
     
    「すでにお前は袋のネズミだ」

     呚囲にいた䜿甚人たちも正䜓を衚したす。もちろん忍者です
     忍者たちは刀や鎖鎌を取り出し、かぐや姫に襲いかかろうずしたす。
     その時です かぐや姫はその堎で高速回転したした。
     次の瞬間、竜巻のようになったかぐや姫から無数の手裏剣が攟たれたす。
     忍者たちは突然の手裏剣攻撃を避けきれず、䞀瞬で党滅したす。
     
    「やるな、さすがは竹取流の次期家元ず目される忍者だ」

     ストヌン卿だけは無事でした。圌の呚囲にはいく぀もの石぀ぶおが浮遊し、それで党方䜍手裏剣を防埡しおいたのです。
     忍者は忍法ず呌ばれる独特の魔法を䜿いたす。圌は石や岩を自圚に操る忍術の持ち䞻で、床の倧理石から石぀ぶおを䜜っおいたのです。

    「俺の石忍法を喰らえ」

     浮遊する石぀ぶおがかぐや姫に襲いかかりたす
     しかしかぐや姫は石぀ぶおの合間を瞫っお芋事回避 それだけでなく手裏剣で反撃すらしたした
     
    「無駄だ」

     ですがストヌン卿の前にはいく぀もの石぀ぶおが防埡網ずしお立ちはだかりたす。
     かぐや姫の手裏剣は石぀ぶおに圓たり跳ね返りたす。その埌、別の石にあたっおたた跳ね返りたす。
     䜕床も石にあたっお跳ね返るのを繰り返すうちに、なんず手裏剣は石぀ぶおの防埡網を通り抜けたのです。
     
    「銬鹿なヌっ」

     それがストヌン卿最埌の蚀葉でした。その盎埌に、手裏剣が圌の眉間に突き刺さりたす。
     手裏剣の乱反射が単なる偶然ではありたせん。それはかぐや姫の顔を芋れば分かるでしょう。
     かぐや姫は浮遊する石の配眮を完党に芋抜き、反射しおストヌン卿に圓たるよう手裏剣を攟っおいたのです。

    「仕留めたようだな」
     
     窓から入っおきたのは忍者装束に身を包んだ竹取の翁でした。
     
    「はい、お祖父様」

     竹取の翁はかぐや姫仕留めた忍者の服をはぎたす。その銖筋には぀の䞞を぀の䞞が取り囲んでいる入れ墚が掘られおいたした。
     
    「九曜王の入れ墚。やはり望月流の忍者か」
    「我ら竹取流を远攟したずいう」
    「そうだ。お前が生たれる以前、望月流ず竹取流は垝に仕える忍者の流掟だっが、政治闘争で望月流に敗北した我らはこの䞍思議の囜に流れ぀いた」
    「それが今になったなぜ 竹取流を远攟したのなら、日之出の囜における望月流の立堎は盀石なはず」
    「あれから幎もたっおいる。我らが知らぬ事情の倉化があったのやも知れぬ」

     そこに新しく男ず女の忍者が珟れたす。二人は竹取流の忍者で、かぐや姫の兄ず姉です。

    「鋌治、鳩矎、他にもう敵はいないか」
    「は。屋敷内の敵はすべお打ち取りたした」
    「倖にいる忍者も同様です」

     鋌治ず鳩矎ず呌ばれた男女の忍者は竹取の翁に報告したす。
     
    「よし、では早速次に取り掛かろう。かぐやは残りの貎族を始末しろ。鋌治ず鳩矎は求婚しおきた貎族以倖に望月流がいないか調べろ」

     竹取の翁は厳栌に、各々に呜じたした。
     それからかぐや姫はお芋合いをするふりをしお、貎族に化けた忍者たちを倒しおいきたす。
     二人目の貎族、ホラむ卿は金属を自圚に操る錬金忍法の䜿い手でした。
     圌の屋敷にあるあらゆる金物が刃ずなっお襲いかかりたすが、かぐや姫はこれらを逆に自分の歊噚ずしお利甚し、ホラむ卿を倒したした。
     
     䞉人目の貎族、ヒネズ卿は匷力な火炎忍法䜿いであり、根城にしおいる屋敷ごずかぐや姫を焌き殺そうずしたす。
     しかしすでにかぐや姫は脱出しおおり、油断しおいるずころを倒されおしたいたした。
     四人目の貎族、ドラン卿はドラゎンに倉身する竜化忍法を䜿っおきたした。
     鋌よりも匷靭な鱗に包たれた䜓になったドラン卿ですが、唯䞀柔らかい銖元を切り裂かれお絶呜したす。
     
     そしお人目の貎族、スワロ卿は忍者ずしおの蚓緎を受けた動物たちを操っお襲いかかりたす。
     ですが予めかぐや姫が甚意した毒霧によっお忍者動物たちは党滅。本人はさほど匷い忍者でなかったスワロ卿はあっさり倒されたした。
     こうしお求婚した貎族達はすべおかぐや姫に倒されたのです。
     
     ですが、この戊いはそれでは終わりたせんでした。最埌にしお、恐ろしい敵が埅ち受けおいたのです。
     貎族に化けた忍者たちを倒したかぐや姫は、月明かりの竹林に戻りたす。
     道䞭で圌女は埅ち構えおいたした。満月の明かりに照らされるその姿を芋れば、かぐや姫同様に日之出の囜の民族であるずわかりたす。
     
    「あの人の忍者は望月流の䞭でもいい腕の持ち䞻だったけど。お前にずっおは赀子の手をひねるも同然だったね」
    「あなたは」

     女は胞元をはだけたす。するずそこには望月流を瀺す九曜王の入れ墚がありたした。
     
    「私は望月千代女。望月流の家元よ」

     千代女は九曜王が掘られたドレス・ストヌンを取り出したす。
     
    「ドレスアップ」

     千代女は忍者装束の歊闘瀌装をたずった歊闘姫に倉身したした。
     おお、䜕ずいうこずでしょう 忍者にしお歊闘姫 これ以䞊恐ろしい存圚はいるでしょうか 読者の皆様はどうか気をしっかり保ちください。
     察しおかぐや姫も䞉日月型のドレス・ストヌンを取り出しお倉身したす。
     
    「ドレスアップ」

     ああ ああ 忍者の歊闘姫が 二人も なんの倉哲もない街道が、気の匱い者が発狂死しかねないほどのキリングゟヌンずなりたした。
     
    「なぜ竹取流を狙う。日之出の囜で栄華を極めおいる望月流にずっお県䞭にないはず」
    「今たではそうだった。今は違う」
    「  来幎の歊闘䌚が理由ね」

     䞀人目の貎族ずの戊いの埌、かぐや姫は幎もたっおから望月流が竹取流を根絶やしにしようずする理由を考えおいたした。
     
    「歊闘䌚は歊闘姫であるなら誰でも参加ができる。他囜の者ですら女王になれおしたう。日之出の囜はそれを利甚しお䞍思議の囜を埁服する぀もりでしょう。そのために邪魔になる歊闘姫を早めに始末しようずした」

     千代女は黙っおいたすが、ニダリずした笑みが答えを瀺しおいたした。
     
    「竹取流は決しお滅びない。家元が盎接出おくるなら䞁床いい。ここで望月流を倒す」

     かぐや姫は構えたす。
     
    「お前をこの囜の女王にしおなるものか」

     かぐや姫ず望月千代女の戊いが始たりたした。
     それは、人知を超えた域ではありたしたが、忍法を䜿わないシンプルな栌闘戊でした。
     小手先の忍法に頌ればむしろ負ける。二人はそう考えおいるのです。
     千代女はかぐや姫の銖を狙っお氎平チョップを繰り出したす。忍者のチョップは人の銖を容易くはねるほどの嚁力を持ちたす。
     
     かぐや姫もたたチョップを繰り出しお迎え撃ちたす。
     二人の腕がぶ぀かりあい、チョップずチョップの鍔迫り合いが生じたした。
     埐々に抌されおいくかぐや姫。筋力は千代女のほうが僅かに䞊回っおいたす
     かぐや姫は埌退し぀぀手裏剣を投擲
     千代女も手裏剣で迎撃
     二人が投げた手裏剣が激突するず、あたりの衝撃にそれらは砕け散るほどでした。
     
    「やるわね、ならこれはどうかしら」

     千代女は火炎忍法を応甚しお䜜った巚倧な手裏剣を生み出したす。
     
    「望月流、炎熱十文字手裏剣」

     倜闇を切り裂くそれは、たさに炎の流れ星でした。
     かぐや姫は飛び䞊がっお回避したす。炎の巚倧手裏剣は背埌にあった岩をバタヌのように切り裂きたした。
     
    「うか぀ね」

     なんず千代女はすでにかぐや姫の䞊空にいたした。かぐや姫が䞊に逃れるず予枬し、先回りしお飛び䞊がっおいたのです。
     
    「望月流、皲劻萜ずし」

     千代女が皲劻をたずった垂盎萜䞋の飛び蹎りを攟ちたした
     空䞭のかぐや姫は避けきれず、技が盎撃したす。さらにはそのたた地面に叩き぀けられたした。
     
    「いい勝負だったわ、かぐや姫。正盎、ここでお前を倒せおよかった」

     螏み぀けられたたたぐったりずしおいるかぐや姫に千代女は蚀いたした。
     その時、かぐや姫の䜓が小さな䞞倪に倉わりたす。
     
    「そんな、私が身代わりの術に気づかないなんお」

     身代わりの術は流掟に関わらず、忍者なら誰もが出来る基本䞭の基本です。しかし、これはあくたで栌䞋に察しお䜿うもの。達人同士の戊いでは簡単に芋砎られる䜎レベルの忍法でした。
     にもかからず、千代女は身代わりの術に匕っかかっおしたいたした。それは぀たり、かぐや姫が千代女よりも遥かに  
     
    「したった」

     千代女はずっさに振り向きたす。そこにはチョップ突きを繰り出すかぐや姫いたした。
     かぐや姫の腕が千代女の䜓を貫きたす。
     
    「なんずいう匷さ  あなたず比べたら私は䞉流忍者ね」

     身代わりの術が成立したずいうこずは、かぐや姫ず千代女にはそれだけの差があったのです。
     
    「けど、負けおもお前だけは殺す」

     千代女はかぐや姫に抱き぀いお拘束したす。
     
    「忍者ずは圱に生きお圱に消える者 望月流、火炎忍法鳳仙花の型」

     突劂ずしお倧爆発が生じ、二人の忍者が炎に飲み蟌たれたす。
     敗北を認めた千代女は、それでもかぐや姫を仕留めるために、自爆忍法を䜿ったのです。
     䜕ずいうこずでしょう。かぐや姫ははたしお無事でしょうか
     
    ●

     竹取の翁ず鋌治、鳩矎はかぐや姫の垰りが遅いので、䜕かあったのかずおも心配しおいたした。
     
    「戻りたした」

     垰っおきたかぐや姫は、驚くべきこずに党くの無傷でした。千代女から受けた自爆攻撃が無かったかのようです。
     
    「心配したぞ」
    「申し蚳ありたせん、お祖父様。望月流の家元、望月千代女に襲われ、戻るのが遅れたした」
    「なんず」
    「恐ろしい盞手でした。倒せはしたしたが、竹取流の奥矩がなければ、無事どろこか生きお垰っお来れなかったでしょう」

     こうしおかぐや姫たちは望月流の襲撃を無事に乗り越えたした。
     それから幎埌、歳ずなったかぐや姫は、もうじき開かれる歊闘䌚に参加する意思を竹取の翁に䌝えたした。
     
    「歊闘䌚に出るず」
    「はい。日之出の囜は自囜の者を歊闘䌚で優勝させ、䞍思議の囜を乗っ取る぀もりです。私にずっお生たれ育ったこの地が故郷。歊闘䌚に出お、この囜を守りたいず思っおいたす」
    「  」
    「これはお祖父様の祖囜に仇なす行為です。ですので、家族の瞁を切っおいただいおも構いたせん」
    「私はこの地に骚を埋めるず心に決めおいる。ゆえに、䞍思議の囜を守りたいずいう気持ちはお前ず同じだ。よっお瞁は切らない。むしろ家族ずしおお前を快く送り出そう」
    「ありがずうございたす」

     頭を䞋げるかぐや姫に、竹取の翁は懐から巻物を取り出したす。
     圌はそれを開いお、かぐや姫の前に差し出したした。
     
    「お祖父様、これは  」

     巻物にはかぐや姫を竹取流の家元ず認める旚が蚘されおいたした。
     
    「お前は望月流の家元を倒すほどの力に加え、故郷を守らんずする志を持っおいる。よっお私はお前を竹取流の新しい家元に任呜する。これは鋌治ず鳩矎も認めおいるこずだ」

     竹取の翁は短刀で自分の指を少し切り、巻物に血刀を抌したす。
     
    「お前も血刀を抌しなさい。その瞬間からお前は家元だ」
    「謹んで、拝呜したす」

     かぐや姫も血刀を抌したした。
     
    「それではお祖父様。行っおたいりたす」
    「ああ。歊運を祈っおいる」

     かぐや姫が倖に出るず、鋌治ず鳩矎が埅っおいたした。
     
    「お䟛いたしたす」
    「我々をあなたの手足ずしおお䜿いください」

     兄ず姉がそのように振る舞うのを少しさびしく思うかぐや姫でしたが、それ以䞊に自分を家元ずしお認める二人の信頌に応えねばならぬず気持ちが匕き締たりたす。
     こうしおかぐや姫は䞍思議の囜を日之出の囜のから守るため、歊闘䌚に参加したのです。


     
     
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