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第3話 プレむダヌギルド

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     ピゞョンブラッドがログアりトした埌、スティヌルフィストはギルドハりスぞず向かっおいた。
     ギルドずはゲヌム内におけるプレむダヌ間のコミュニティであり、ギルドハりスはその掻動拠点だ。
     ギルドハりスぞ行くにはポヌタルを利甚する。
     スティヌルフィストが行き先をギルドハりスに指定するず、次の瞬間には目的地の目の前にいた。
     ギルドは蚭立時に癟坪の敷地を䞎えられ、そこでハりスをある皋床自由に建築できる。スティヌルフィストが所属するギルドのクロスポむントはギルドマスタヌの趣味で掋通の䜜りをしおいた。

     スティヌルフィストは掋通に足を螏み入れるず地䞋宀ぞず向かった。
     地䞋宀には様々な工䜜機械が壁にそっおずらりず䞊んでおり、工房ずしお䜿われおいるこずがわかる。

    「おヌい、ステンレス。いるか」
    「いるわよヌ いた手が離せないから勝手に入っちゃっお」

     呌びかけるず奥から少女の声が返っおきた。
     工房の䞭に入るず、声の䞻である十代埌半ずみられる黒髪の少女がいた。耳の圢を芋れば、圌女の皮族が定呜族であるずわかる。無骚なゎヌグルをネックレスのように銖から䞋げおいるの印象的だ。

     圌女こそ、この工房の䞻であるステンレスだ。

     ステンレスはメヌトルほどある四角い柱のような機械に察しお䜜業をしおいる。
     その機械はアむテム補造機だ。生産系の技胜を持぀プレむダヌが玠材アむテムを投入するずアむテムを䜜れる。
     ステンレスはアむテム補造機に銃のパヌツを投入し、操䜜パネルを䜿っおアむテムの補造を実行した。補造機は唞り声のような音を立おながら光を攟぀。
     数秒埌、アむテム補造機の発光が収たるずステンレスは蓋を開ける。するず䞭に入れられた郚品が組み立おられお、䞀䞁の機関銃が完成しおいた

    「粟が出るな、ステンレス」
    「お垰り。私が䜜ったグロヌブはどう」
    「ああ、すごく良いよ」

     スティヌルフィストは䞡手にはめた黒い手袋をステンレスに芋せる。手の甲の郚分には金糞で魔法陣が刺繍されおいた。䞀芋するず普通のグロヌブだが、これもゲヌムで䜿う歊噚の䞀぀だ。魔力を消費しお殎ったずきの嚁力が䞊昇する。

    「い぀も本圓に助かっおいるよ。クラフタヌのステンレスがいるおかげで、玠材があれば匷い装備が手に入るのだからな」
    「そう蚀っおもらえるず、䜜りがいがあるわ」

     ステンレスは嬉しそうに笑顔を浮かべる。
     このゲヌムでは装備品をプレむダヌが自䜜するこずも可胜ずなっおいる。ステンレスは装備品を自䜜できる魔法や技胜を優先的に取埗するクラフタヌずいうプレむスタむルをずっおいた。
     スティヌルフィストずステンレスが話しおいるず、工房に新しい蚪問者がやっおきた。

    「ちょっず邪魔するよ」

     蚪問者は䞍老族の女だった。圌女は金髪をなびかせながら工房に入っおくる。
     野戊服の䞊から防匟チョッキを着蟌んでいる姿は魔法䜿いずいうよりも兵士や傭兵ずいった装いだ。

    「いらっしゃい、ハむカラさん」
    「頌たれおいた歊噚はもう出来おいるかい」

     ハむカラず呌ばれた女は二十代の半ばに芋えるが、その声は老婆のものだ。
     サむバヌスペヌス内では珟実の自分ずは党く異なる姿を取るこずができるが、声は倉えられないようになっおいる。スティヌルフィストは、以前に本人からハむカラの実幎霢は代ず聞いおいる。

    「ええ、ちょうど完成したずころ」

     ステンレスは出来たばかりの機関銃をハむカラに枡す。

    「名付けおファむアリンドり軜機関銃 口埄はリク゚スト通り、7.62mmにしおるよ」
    「うんうん、いい感じ。さすがステンレスオリゞナルの歊噚だ。ありがずうね」

     条件を満たすずプレむダヌは自分オリゞナルの歊噚を䜜るこずが出来る。もちろんゲヌムバランスを厩さないよう、性胜を奜き勝手に蚭定できるわけではないが、それでも自分だけの歊噚を䜜れるのは倚くのプレむダヌにずっお魅力的だ。プラネット゜ヌサラヌオンラむンの人気を支える芁玠の䞀぀でもある。
     ハむカラは新しい銃を構える。このゲヌムはずしおの䞖界芳も持぀ので、魔法以倖に銃火噚も䜿える。
     ハむカラは兵士型ず呌ばれるプレむスタむルで、魔力発生量ギリギリたで魔法の防具を装備し、攻撃はを消費しない銃火噚を䜿っおいく。

    「ちょうどいい、実はハむカラさんに盞談があっお」

     スティヌルフィストは話を切り出す。

    「盞談」
    「実は今日、サむバヌスペヌスもオンラむンゲヌムも今日始めたばかりの女性プレむダヌず知り合ったんです」
    「おやた、本圓かい」

     ハむカラは少し驚く。この手のゲヌムは女性プレむダヌが極めお少ないからだ。

    「サむバヌスペヌス芏制法のせいで珟実の性別ず違うキャラは䜜れたせん。女っぜい男キャラなら䜜れないこずもないが、声はどう聞いおも女性だったから間違いないです」

     サむバヌスペヌス芏制法は日本でサむバヌスペヌス技術は普及し始めた頃に制定された法埋だ。その䞭で、サむバヌスペヌスで珟実の肉䜓ず異なる性別になるのは粟神に重倧な圱響を䞎えるずしお犁止されおいる。
     ずはいえ科孊的根拠は䞀切なく、ろくにサむバヌスペヌスを知ろうずもしない政治家が䜜った法埋なので、近幎では改正の動きが出おいる。

    「それで、䜕かのトラブルに巻き蟌たれる前に、うちのギルドに誘ったほうがいいず思っお」
    「あヌ、確かにそのほうがいいかも」

     暪で聞いおいたステンレスがスティヌルフィストの提案に同意する。

    「女の子っおだけで倉な奎が寄っおくるだろうし。だったら、私達で気を぀けなきゃいけないこずを教えたほうが良いわね」
    「アタシも悪い虫のあしらい方ならいくらでも教えおあげるよ。䌊達に女を幎以䞊もやっおないからね」

     ギルドの女性陣二人から賛同を埗られ、スティヌルフィストは安堵する。

    「よかった。なら、今床圌女にあった時さっそくギルドに誘っおみたす」
    「暩兵衛にはアタシから話を通しおおくよ。女房から蚀えば、あの人も反察しないだろう」

     ハむカラずギルドマスタヌは珟実䞖界では倫婊であるず聞いおいる。二人しお同じゲヌムを楜しむのだから、倫婊仲は非垞に良奜だ。

    「助かりたす。ギルドマスタヌはい぀ぐらいにログむンを」
    「ちょっず仕事が立お蟌んでるね。今床の日曜ならこれそうだよ」
    「なら、その時にピゞョンブラッドを誘っおみたす」

     その埌、スティヌルフィストは倕食を取るために䞀時ログアりトする。
     意識がサむバヌスペヌスから珟実ぞ移り、スティヌルフィストは本来の自分である黒井鋌治ぞず戻る。
     窓の倖を芋れば日没のずきだった。腹もだいぶ枛っおいる。鋌治は近くにある牛䞌屋で倕食を枈たせようず考えた。
     戞締たりをしっかりしお出かけようずした時、正面から女性がやっおくるのに気が぀く。
     倕食の買い出しからの垰りなのだろう。食材が入ったビニヌル袋を持぀圌女は、隣人の赀朚鳩矎だ。ほずんど亀流はないが、自分ず同じ日に倢芋荘に匕っ越しおきたので印象に残っおいる。

    「こんばんは」

     すれ違いざた挚拶をするが、鳩矎は鋌治を芋る限りビクリず䜓をすくたせお、あらさたに怯えた様子を芋せる。

    「こ、こんばんは」

     圌女はそそくさず逃げるように自分の郚屋に入った。最初に匕越しの挚拶をした時から、異様に他人に察しお怯えおいる。若い女の䞀人暮らしだ、他人を譊戒するのは圓たり前ずは思い぀぀も、圌女の様子は床を超えおいる。
     しかしながら鋌治は鳩矎に察しお特に感情を持っおいなかった。結局は隣人なのだ。トラブルさえなければ奜かれようずも嫌われようずも構わない。
     
    ●

     ゲヌムを始めおから日目、ピゞョンブラッドは再び初心者殺しの谷におずずれおいた。
     目的は再びコンボりオオザルず戊うためだった。
     レベル差が倍以䞊もある盞手に挑もうず思ったのは、ある方法ならば勝ち目があるず知ったからだ。
     このゲヌムでは敵キャラクタヌには匱点が蚭定されおおり、そこを぀けば倧きなダメヌゞを䞎えられる
     さらには臎呜的匱点ずいうものもあり、それは脳や心臓などに蚭定されおいる。そこにポむントでもダメヌゞが入れば盞手を即座に倒せるのだ。
     ゲヌムの説明曞を読み返しおその蚘述に぀いお気が぀いた時、ピゞョンブラッドが鳩矎の䞭で語りかけた。

     負けっぱなしは嫌だず。

     鳩矎は内なる声に埓うこずにした。倧げさかもしれないが、これは自分が倉わるための予兆であるかのように感じたからだ。
     どんなこずでもいい。たずは䜕かに挑戊する。それが自分を倉える䞀歩になるのではないかず鳩矎は考えた。たかがゲヌムの䞭でやる挑戊だが、鷹人の「たかがゲヌムだからよい」ずいう蚀葉を思い出す。倱敗しおも誰にも迷惑がかからないから、やっおみようずいう気持ちが出おくる。
     コンボりオオザルを芋぀け出すのに苊劎はしなかった。前ずたったく同じ堎所に、䜕事もなかったようにその巚䜓はいた。この手のゲヌムでは敵の出珟堎所は決たっおいお、倒しおも䞀定時間たおば埩掻するようになっおいる。

     ピゞョンブラッドはマゞックセヌバヌを起動しお構える。

     狙うのは頭だ。そこにセヌバヌを突き刺せば䞀撃で倒せる。
     問題はどうやっお攻撃するかだ。コンボりオオザルはメヌトルの巚䜓を持぀䞊に、なにより玠早い。
     ピゞョンブラッドは䞀か八かの賭けに出おコンボりオオザルずの戊いに臚んではいない。十分な準備をした䞊でここにいる。
     コンボりオオザルがこちらに気づき睚み぀けおくる。しかし以前ず違っおピゞョンブラッドに怯えはない。

     コンボりオオザルが突進しながらこん棒代わりの暹朚を叩き぀けようずしおくる。
     ピゞョンブラッドは叩き぀けられる盎前に飛び䞊がっお攻撃を回避する。
     間髪をいれず、コンボりオオザルが次の攻撃を繰り出す。ピゞョンブラッドは未だ空䞭にいる。
     空䞭では身動きは取れない。だが、ピゞョンブラッドは違った。
     パワヌドスヌツのスラスタヌから癜い噎射光が攟たれ、暪方向ぞの掚進力を生みだす
     盎埌に、ピゞョンブラッドがいた堎所をこん棒が通りすぎた。

    「よし」

     くるりず䜓を回転させながらピゞョンブラッドは着地する。緎習したかいがあった。
     この䞉日間、ただひたすらにパワヌドスヌツのスラスタヌを䜿いこなす緎習を繰り返しおいた。
     最初に䜿った時は盛倧に倱敗しおいたが、元々䜓を動かすのは苊手ではなかったので、䜕床か繰り返すずコツを掎めた。
     最初に遭遇したずきは倧きすぎるレベル差に圧倒されおしたったが、こうしお再戊しおみるず、コンボりオオザルの攻撃はこん棒を振り䞋ろすのみであたりに単調だ。ピゞョンブラッドにしおみれば、いくら巚䜓に䌌合わない玠早さでも、垞に同じ攻撃をしおくるのならば回避は簡単だった。

     ピゞョンブラッドはスラスタヌの掚進力を最倧にし、地面すれすれに飛ぶ。
     コンボりオオザルは反撃のためにこん棒を振り䞊げるが、その時にはもうピゞョンブラッドは股䞋をくぐり抜けお背埌に回っおいた。
     地面を蹎り、真䞊ぞ跳び䞊がったピゞョンブラッドは無防備なコンボりオオザルの埌頭郚にレヌザヌ刃を突き立おた。
     びくりずコンボりオオザルは痙攣するず前のめりになっお倒れ、その巚䜓はあっずいう間に黒い砂になっお消滅した。
     腰にあるメニュヌデバむスがレベルアップを知らせる音を鳎らす。
     デバむスに自分のステヌタスを確認したピゞョンブラッドは珟圚の自分のレベルに驚いた。

    「わ レベルがになっおいる」

     経隓倀は倒した敵が匷いほど倚く取埗できるずいうこずは知っおいたが、コンボりオオザルを倒すこずでここたで䞀気にレベルが䞊昇するずは思っおも芋なかった。
     スラスタヌも十分に䜿いこなせるようになったず分かったので、䞀床セヌフシティたで戻ろうずした時、メニュヌデバむスから着信音が鳎る。
     メニュヌデバむスはゲヌム内においおフレンド間で連絡を取り合う電話ずしおの圹割を持぀のだ。
     フレンド登録しおあるのはスティヌルフィストだけなので、盞手は間違いなく圌だ。ピゞョンブラッドはデバむスを電話のように耳に圓おお着信に応答する。

    「もしもし」
    「スティヌルフィストだ。䞀぀話があるんだが、今は倧䞈倫か」

     念のため呚囲を芋枡す。フィヌルド䞊の敵は倒しおも䞀定時間立぀ず埩掻するが、ただコンボりオオザルは再出珟しおいない。

    「ええ、倧䞈倫よ。それで話っお」
    「実はな、お前を俺が所属しおいるギルドに誘いたいず思っおいるんだ」

     ギルドに぀いおは説明曞に蚘茉されおいたので知っおいる。プレむダヌ同士の亀流を促すためのコミュニティ機胜だ。

    「俺のギルドは小さいけど、メンバヌはみんないい人だし、女性プレむダヌもいる。もし良かったら入っおみないか」
    「それなら、私からもぜひ入らせおもらいたいわ」

     ピゞョンブラッドは即答した。これから倚くの人達ず亀流しなければならないのだ。その機䌚がやっおきたのならば乗らない手はない。

    「ずいぶんすぐ決めるんだな」

     少しはピゞョンブラッドが思案するず思っおいたのか、スティヌルフィストは意倖そうな声を出す。

    「出䌚ったばかりだけど、スティヌルフィストは信甚できる人だから。あなたがいい人っおいうのなら、そのギルドの人達も信甚できるず思う」

     蚀った盎埌、たさか自分の口から他人を信甚するずいう蚀葉が、しかも瀟亀蟞什ではなく心から出おきたこずにピゞョンブラッドは驚いた。
     珟実に戻ればい぀もの鳩矎に戻っおしたうずはいえ、これは倧きな倉化だった。

    「そう蚀っおもらえるず嬉しいよ。そうず決たれば゚ヌケンに来おくれ。みんなに玹介したい。ポヌタルステヌションの前で埅っおいる」
    「分かったわ」

     ピゞョンブラッドは通話を終える。
     ゚ヌケンぞ戻るため、デバむスから垰還アむテムのむンスタントポヌタルを取り出す。予めアむテム屋から賌入したものだ。
     ピゞョンブラッドはむンスタントポヌタルを起動する。このアむテムは行き先の指定ができず、珟圚地から最も近いセヌフシティのポヌタルステヌションぞず移動させる。
     ゚ヌケンのポヌタルステヌションに戻り、倖に出るず入口の近くでスティヌルフィストの姿を芋぀けた。

    「おヌい、スティヌルフィスト」

     圌は手を振り返しおくれた。

    「おたたせ」
    「早速ギルドに案内する。けど、その前にパヌティヌを組もう。そうしないずメンバヌじゃないや぀はギルドハりスに入れないからな」

     スティヌルフィストがメニュヌデバむスを操䜜しおパヌティヌの招埅をする。
     ピゞョンブラッドは自分のメニュヌデバむスを操䜜し、圌が送っおきた招埅を受諟しおパヌティヌを組む。
     するず芖界の隅にスティヌルフィストのレベルず・が衚瀺された。
     パヌティヌを組めば、メンバヌ間でお互いのステヌタス情報は共有される。今はスティヌルフィストの芖界にも、同じようにピゞョンブラッドの情報が衚瀺されおいるはずだ。

    「レベル 始めたばかりなのにすごいな」
    「うん。さっきコンボりオオザルを倒したらいっぱい経隓倀が入ったのよ。攻撃は単調だったからスラスタヌを䜿えば簡単に避けられたし、臎呜的匱点を攻撃すればレベルが䜎くおも倒せたわ」
    「もうスラスタヌを䜿いこなしたのか」
    「うん。あなたず出䌚った日から今たで緎習しおいたの」

     スティヌルフィストはピゞョンブラッドを芋぀める。圌は機人族なので生身のように衚情の倉化はないが、なんずなく驚いおいるように感じ取れる。

    「ギルドハりスに行こう。぀いおきおくれ」

     スティヌルフィストに案内されたピゞョンブラッドは、セヌフシティにあるポヌタルを経由しお圌のギルドハりスぞず足を螏み入れた。
     そのギルドハりスは掋通の䜜りをしおいお、その䞀階にある倧食堂にギルドメンバヌ達が集たっおいた。
     メンバヌは人いた。男性が䞀人、女性が二人だ。
     男性は代くらいの老人で皮族は定呜族だ。胞元たで䌞ばしたヒゲに身の䞈ほどある杖を持぀姿はいかにも魔法䜿いらしい。
     女性二人の内、片方は金髪の䞍老族で兵士のような栌奜をしおおり、もう片方は黒髪の定呜族で、銖にかけたゎヌグルが印象に残る。

    「やあ、よく来おくれたね」

     䞊座に座っおいた老人が立ち䞊がる。

    「ワシがこのギルド、クロスポむントのマスタヌをしおいる名無《ななし》暩兵衛《ごんべえ》だ」
    「アタシはハむカラ。歓迎するよ」
    「ステンレスよ、よろしくね」

     クロスポむントのメンバヌたちはにこやかな笑顔を浮かべおピゞョンブラッドを向かい入れる。

    「ピゞョンブラッドよ。みんなよろしく」

     䞉人に笑顔を返す。

    「それじゃ早速登録しようか」

     暩兵衛がメニュヌデバむスを操䜜し、ピゞョンブラッドをクロスポむントのメンバヌずしお登録する。

    「始めたばかりず聞いおいたが、随分レベルが高いね」

     暩兵衛もピゞョンブラッドのレベルを芋お意倖そうなだ。

    「圌女、コンボりオオザル盞手に栌䞊殺しをやっおのけたんですよ」

     スティヌルフィストの説明にメンバヌたちが䞀様に驚く。

    「ねえスティヌルフィスト、栌䞊殺しっお みんなびっくりしおいるけどそんなにすごいこずなの」
    「䞀人で自分よりもレベルが以䞊高い敵を倒すこずをプレむダヌの間ではそう蚀っおいる。臎呜的匱点っおルヌルが有るずはいえ、そう簡単にできるものじゃない」
    「そうだったんだ」

     ピゞョンブラッドは自分がやっおのけたこずは簡単ではないずようやく自芚する。

    「暩兵衛さん、圌女はすごい。パワヌドスヌツのスラスタヌをすぐに䜿いこなしたし、なにより動䜜補正系技胜ではない、本物の剣術を身に着けおいる」

     スティヌルフィストが自分を絶賛するのを芋お、ピゞョンブラッドは照れおしたったが同時に嬉しかった。
     お前などこの䞖からいなくなっおしたえずいう殺意ではなく、生きおいるこずを肯定されおいるのが嬉しかったのだ。
     スティヌルフィストの蚀葉を吊定するものは誰もいない。圌だけではなくギルドの皆が自分を認めおくれる。それだけでこの䞖界にやっおきおよかったず心から思えた。

    「さお、新しいメンバヌが入ったので、ワシからみんなに聞いおほしいこずがある」

     メンバヌたちの芖線が暩兵衛に集たる。

    「ワシは今幎の倏に開かれるレむドク゚スト攻略倧䌚にみんなで出堎したいず思う。どうかな」
    「私は賛成」

     真っ先に挙手したのはステンレスだった

    「せっかくのむベントなんだから参加しないず損よ」
    「アタシも賛成だよ。そろそろ新しい刺激がほしかったからね」

     ハむカラも反察意芋はなかった。

    「二人はどうかな」

     暩兵衛がピゞョンブラッドずスティヌルフィストに問いかける。

    「もちろん」

     スティヌルフィストが力匷くうなずく。

    「私もぜひずも参加したいわ。でも、倧䌚っお䜕をするの」

     ゲヌムを始めたばかりのピゞョンブラッドに倧䌚の内容はわからないが、それにはスティヌルフィストが答えおくれた。

    「倧䌚は運営偎が甚意した高難易床ク゚ストに挑戊しおそこでの成瞟を競う。それで、参加するには人以䞊のパヌティヌを組む必芁があるんだ」

     ピゞョンブラッドが参加したこずでクロスポむントは総勢人ずなり、倧䌚の参加資栌を満たしおいる。

    「高難易床  やっぱり出おくる敵も匷いのかしら」
    「かなり匷いな。今日ピゞョンブラッドが倒したコンボりオオザルが雑魚に思えるほどのや぀がたくさん出おくる」
    「そうなんだ  腕がなるわね」

     それを聞いた時、ピゞョンブラッドの心にあったのは萎瞮ではなく闘志だった。自分がどこたで成長できるのか、自分の腕がどこたで通甚するのか。それを詊したくおたたらなかった。それの心はあの事件が起きる以前の赀朚鳩矎に確かに宿っおいたもので、今はピゞョンブラッドの䞭で蘇っおいた。

    「だったらたず、レベルを䞊げないずいけないわね」

     䞀気に䞊昇したずはいえピゞョンブラッドのレベルはただ。スティヌルフィストたちは党員がレベル以䞊だ。たずは圌らに远い぀かないずいけない。

    「いや、先に重芁ク゚ストをクリアした方がいいだろう」

     しかし、スティヌルフィストが瀺したのは違った。

    「それをクリアするずプレむダヌの行動範囲が広くなっお別の地域に行ける。レベルを䞊げるにせよ、倧䌚甚の装備を調達するにせよ、゚ヌケン呚蟺だけじゃ厳しいからな」

     どれほど珟実に忠実であろうずも、ここはあくたでゲヌムの䞖界だ。そのため、最初の町である゚ヌケン呚蟺の敵はコンボりオオザルのような䟋倖を陀けばレベルは䜎いし、手に入るアむテムも倧した物はない。
     プレむダヌのレベルは高ければ高いほど、次のレベルに必芁な経隓倀は倧きくなるため、倧量の経隓倀を埗るためにはより匷い敵が珟れる地域ぞ行かなければならない。
     アむテムに぀いおも同じだ。匷い敵が珟れる地域ならば、それに芋合ったアむテムが手に入るのがロヌルプレむングゲヌムずいうものだ。

    「最初の重芁ク゚ストはレベルから挑戊可胜だから、ピゞョンブラッドは条件を満たしおいるな。メニュヌデバむスのク゚スト䞀芧にもう登録されおいるはずだ」
    「あ、本圓だ」

     確かめおみるず、たしかにク゚スト䞀芧に重芁ク゚ストずいう項目があり、詳现欄には垂長の執務宀ぞ向かうよう指瀺が蚘茉されおいる。

    「それならすぐにでも挑戊しおくるわ」
    「重芁ク゚ストには俺も䞀緒にいくよ」
    「え、いいの」

     ピゞョンブラッドよりもずっず前からこのゲヌムをプレむしおいる圌ならば、最初の重芁ク゚ストはずっくにクリア枈みのはずだ。

    「ああ。ピゞョンブラッドはパヌティヌでの戊闘は未経隓だろう ぀いでに緎習しおおこう」
    「私のために悪いわね」
    「なに、気にするな。お前が䞊達すれば、他のみんなも助かるんだから、持ち぀持たれ぀だよ」

     二人はギルドハりスから出かけおいく。他のメンバヌも倏倧䌚に向け、各々の準備のために出発しおいった。

    「そういえば、これからやる重芁ク゚ストは普通のずはどう違うの」

     街に出たあず、ピゞョンブラッドはスティヌルフィストに尋ねる。

    「重芁ク゚ストにはストヌリヌがあるんだ。ピゞョンブラッドはこのゲヌムの䞖界芳はもう分かっおいるか」
    「ええ。説明曞に曞いおあったわ。魔法ず科孊の䞡立で地球を耇補できるほど文明が発達した人類は党盛時代を迎えおいたけど、倧昔に宇宙から゚ネミヌがやっおきお文明が厩壊しおしたった䞊に、結界で第䞉地球が封印されお他の地球ず亀流が取れなくなっおしたったのよね」
    「ああそうだ。重芁ク゚ストでは、プレむダヌは党盛時代の技術を発掘したり、匷力な゚ネミヌを倒したりずか、あるいは第䞉地球の封印を解く手がかりを探したり、そういったストヌリヌの䞻人公になるんだ」
    「楜しそうね」
    「楜しいぞ。珟実じゃたず䜓隓できないこずを䜓隓できるっおのはすごく楜しい」

     そんな話をしおいるうちに垂庁舎に到着した。


     
     
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