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『信じていた嘘』ーわたしだけしか気づかないー

    俺の趣味は嘘をつくことだ。
    嘘と見破られない嘘をつくのが楽しいのだ。
    だから、自分以外に嘘と思っている者はいない。

    世間から見れば成績優秀と受け取られるだろう。それこそこちらの思うツボ、勉強など大嫌いだがそう思わせないように嘘をついた。
    嘘をつくにも大嘘でないと快感が半減する。そこで、他校の生徒が憧れる私立の進学校に入学した。
    その時に、鼻持ちならない奴がいた。中学までは常にトップの成績で神童といわれ、当人もその気になり自惚れていた。

    授業中同級生が質問に答えられずにドギマギする姿を鼻で笑っていた。俺はそいつをターゲットにすることにした。
    中間テストでそいつを抜いて僅差でトップになった。そいつは強がってまぐれだろうくらいに思っていた。これも計算の内で、期末テストではぐうの音も出ない程点差を広げトップになった。すれ違いざまそいつの横を通り過ぎたが、目を合わせなかった。

    この時の気持ちよさは言い表せない程興奮した。そいつは、進級する毎に俺に挑むも悉く撃破してやった。すっかり自信を失くし、学校へ来なくなった。俺はどのみち次のターゲットを探すだけなのだが。

    嘘を突き通して最高学府を卒業し、一流企業に潜り込むのは造作もないことだった。
    会社の上下関係は非常に厄介で、肩書きを持つ者の傲慢さは堪え難い。

    ある日、接待ゴルフを命じられた。あらゆるノウハウ本を漁り、ゴルフ教室に通い、セミプロに手ほどきを受け、その場に臨んだ。ほぼノーミスでハーフを終え昼食時に、一緒に回っている部長から、相手を立てろと注意を受ける。
    ゴルフは紳士のスポーツ。相手を立てるも何も無いだろうに。

    午後のコースもナイスショットを連発しながら、接待相手に的確なアドバイスを施すとフォームの改善が見られ接待相手もナイスショットに繋がった。

    後日、取引相手から再度ゴルフの誘いを受ける。部長抜きの。
    二度目の接待ゴルフを終えた数日後、その会社から大型契約を取り付けた。

    面目を潰された部長の矛先が俺に向けられると思い、その契約は部長のアドバイスの賜物と大嘘をついた。

    ゴルフという嘘も完璧にこなしてしまい、この場所に騙す相手がいなくなった。

    即座に辞表を提出して会社を去った。

    結局、世間は嘘で塗り固められているのかもしれない。

    それは、自分以外に嘘と分かるものがいないから。



    『信じていた嘘』ーその先は……ー

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    色んなコトへの向き合い方に変化を感じています。些細な事が気になるので、イチイチ戸惑いがあります。

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