
Dr. タラ・スワートの脳神経美学とワイン:五感で楽しむ幸福の秘訣『日経xwoman Terrace』寄稿文
Dr. タラ・スワートの脳神経美学とワイン
飛行機の旅は、フランスと日本を行き来する私にとって特別な時間。機内では、映画やニュースを観たり、仕事をしたり、ワインを楽しんだりするのが定番だ。今回のJALのフライトでは、偶然にも非常に興味深いドキュメンタリーに出会った。それは、イギリスの人気起業家スティーブン・バートレットがホストを務めるインタビュー番組で、脳神経学者のタラ・スワート博士が登場していた。彼女の語る「脳神経美学」とは、ワイン好きの私たちにとっても興味深いテーマだった。
(以下のYouTubeでも、ご覧いただけます。)
タラ・スワート博士とは?
タラ・スワート博士は、脳神経科学者、医師、エグゼクティブ・アドバイザーであり、MITスローン経営大学院の上級講師も務める。彼女の著書『The Source』は38の国と地域で翻訳され、世界的なベストセラーとなっている。
今回の番組で取り上げられたテーマは「企業エグゼクティブの健康管理」。
ビジネスの最前線で活躍するリーダーたちは、過密なスケジュールとプレッシャーの中で、心身の健康を後回しにしがちだ。しかし、ストレスによるコルチゾールの過剰分泌は、本人の健康だけでなく、周囲の人々のパフォーマンスにも影響を与える。では、どうすればストレスを適切に管理できるのか?
タラ・スワート博士が推奨する「脳に良い習慣」
十分な睡眠をとる(22〜23時に就寝し、8時間15分の睡眠を取る、できれば休日等に9時間はベッドで休む。目覚ましを使わないで起きるのがベスト)
睡眠中、脳は新しく学んだ情報を整理し、記憶を定着させ、回復を行っている。このプロセスの積み重ねが、重要な瞬間に素早く的確な判断を下す力(スーパーパワー)を高める。脳を休めることは非常に重要であり、たとえ眠れなくても、横になってリラックスするだけでも効果がある。日記を書く(思考の整理と感情のデトックス)
有酸素運動やヨガを行う(汗をかいてストレス発散)
色の濃い野菜を食べる(抗酸化作用のあるアントシアニンを摂取)
例:白豆より黒豆、緑の野菜より紫の野菜、イチゴよりブルーベリー
料理を学ぶ(栄養バランスを考えた食生活を送る)
毎日5分間、具体的な夢をイメージし、感謝する
美を楽しむ(自然に触れたり、花や香りを楽しむ)
自身のパートナーや家族とのスキンシップを大切にする
アイコンタクトやハグを大切にする(人とのつながりを深める)
他者に与えることを意識する(ボランティア活動や友人との交流)
新しいことを始める(語学や楽器など、脳を刺激する活動を取り入れる)
ポジティブな人々に囲まれる(原始的な共同体のあり方に学ぶ)
ワインと脳神経美学の関係
タラ・スワート博士の「脳神経美学」とワインには、深い関係があると感じる。脳神経美学とは、人間が美しいものに触れたとき、脳にオキシトシンが分泌され、幸福感を高めるという研究。自然に囲まれた生活、部屋に花を飾ること、アロマを香らせること等が、脳に良い影響を与えるのだという。また、体に良い美味しいものをいただくこと、新しいことを始める「余裕」も脳に良く働くという。
そして、コロナ禍を経て、人と人とのつながりがより大切にされる今、ワインはまさに「人と人を結びつけるツール」として最適ではないだろうか?
ワインを通じて幸福感を高める方法
好きなワインを囲み、気の合う仲間と楽しい時間を過ごす
ワインを通じて、初対面の人ともリラックスした雰囲気を作る
TPOに合わせたワインを選び、五感で楽しむ
落ち着いた環境(レストランや自宅)で、素敵なグラスと料理と共に味わう
高品質で美味なワインをゆっくりと味わうことは、心身の健康と長寿に貢献すると私は確信している。あなたもぜひ、自分だけの「脳神経美学的ワインタイム」を見つけてみては?