
食卓の、その先へ
〜ワインがある時間〜
ワインという文明 #27
(約3分で読めます)
若々しいワイン。
円熟したワイン。
年月を重ね、複雑さを増したワイン。
ワインについて語るとき、
私たちはまるで人間の年齢や成長を表すような言葉を使います。
もちろん、ワインは年月を経れば必ず良くなるわけではありません。
若いうちに楽しむものもあれば、
熟成によって新たな魅力を見せるものもあります。
▪️ワインにも、生まれた年がある
ワインのラベルに記されたヴィンテージ。
それは、原則として葡萄が収穫された年を示しています。
収穫された葡萄がワインとなり、
年月を経て、今、目の前にある。
一方、人々もまた、それぞれの人生を歩んできました。
新しい生活を始めた人。
家族が増えた人。
人生の転機を迎えた人。
▪️記憶を呼び覚ます一本
生まれた年や、結婚した年。
その年のワインを手にすると、
ラベルの数字が、過ぎ去った日々を思い起こさせることがあります。
けれども、忘れられないワインは、
必ずしも特別なヴィンテージとは限りません。
旅先で偶然出会った一本。
久しぶりの友人と開けた一本。
銘柄は覚えていなくても、
その場の風景や交わした言葉が、記憶に残っていることもあります。
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コラム|娘の20歳に開けたシャンパーニュ
2016年、コラムニストの河崎環さんは、
娘さんの20歳の誕生日に、
1996年のシャンパーニュを開けた体験を綴っています。
娘さんが18歳の頃、生まれ年のワインを一緒に飲もうと思い立ち、
購入して保管していた一本でした。
そして迎えた20歳の誕生日。
家族でその一本を開けました。
ところが、娘さんには少々苦すぎたようです。
母親自身も、微かな苦味や酸味を感じたといいます。
娘が20歳になったということは、
自分も母親になって20年が経ったということ。
そのシャンパーニュの微かな苦味や酸味は、
河崎さんに、
母親として歩んだ20年間をも思い起こさせました。
出典:河崎環「20年もののシャンパンの味は、微かに酸っぱかった」
PRESIDENT WOMAN Online、2016年8月2日。
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▪️二つの時間が出会うとき
ワインにはワインの時間があり、
人には人の時間があります。
別々に流れてきた二つの時間が、
一杯のグラスの中で出会う。
今日、誰かと開けた何気ない一本が、
いつか懐かしい記憶になるかもしれません。
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次回予告|一本のワインに、想いを託す
自分にとって特別な一本を、誰かに贈る。
そのとき、私たちはワインとともに何を届けようとしているのでしょうか。
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ワインを通して、人類愛・地球愛を伝える
by Wise Wine Club
<参考文献・資料>
・河崎環「20年もののシャンパンの味は、微かに酸っぱかった」『PRESIDENT WOMAN Online』2016年8月2日。
https://president.jp/articles/-/19866
・International Organisation of Vine and Wine(OIV), International Standard for the Labelling of Wines, Section 3.1.5, “Vintage or harvest year.”
https://www.oiv.int/standards/international-standard-for-the-labelling-of-wines/part-iii-optional-information/optional-information/vintage-or-harvest-year