
ささやかな夢。待つ時間は25歳のときに無くなった。
待つ時間ずっとずっと空腹だった。
お腹が減るよりも気持ちがすり減った。
母子家庭だった僕。
仕事ではなくパチンコに出て帰ってこなかった母をずっと待った。待つしかなかった小学生の僕。
料理が食べたい。でも食べるものが何もない。作ってもらわないと何もない。お金も持たせてもらえてない。
僕は思った。僕の夢は、自分ひとりで自分のことができるようになること。
ひとり自炊して、ひとりで食べたいものを料理して、ひとりで食器を洗って片づける生活。それが僕の夢だった。
ひとり暮らしが始まった25歳の時、その夢は完全にかなった。
待つ時間は無くなったのだ。
もう待たなくていい。自分を待たせることはないのだ。
今ではもう、冷蔵庫の中にある材料と調味料で、レシピなくして1品が作れるようになった。
今があるのは母のおかげ。
母よ、こんな僕にしてくれてありがとう。