メインコンテンツへスキップ
見出し画像

ツノがある東館の謎【毎週ショートショートnote】

    「東の館にはツノがある。あそこに近づいちゃいけないよ」

    この村には森があり、森の中には湖がある。
    湖畔には大きな屋敷が二つ、湖を挟んだ対岸に存在している。
    二つの塔があり角が生えているように見えるのが東の館。塔が無い以外は同じ形に見えるのが西の館だ。
    村に住んでいる大人たちは皆、東の館には近づくなと言う。
    理由を聞いても教えてくれない。何かを怖がっているような目で首を振るだけだ。
    興味本位で東の館に向かった子どもたちは、ほとんど戻って来なかった。
    稀に戻ってきた者は顔を引きつらせ、何を聞いても答えようとしない。
    そのことから東の館には何か恐ろしいものが棲んでいて、近づく者を食らうのだと憶測が飛び交った。

    村人たちは忘れているのだ。
    自分たちが牛の血を引いていることを。この村に棲んでいたのは牛の獣人であったことを。
    先祖返りで角を持って生まれた者が東の館に集められ、自らの角を売って生活し、角が無くなったら西の館に移されていることを。

    (410文字)


    こんにちは。羽根宮です。
    たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】に参加しました。
    お題は「【ツノがある東館】のお題で【一行目で惹きつける】」です。

    【○○】のお題で【△△】の形になって、二回目ですね。
    前回は考えてはみたものの思いつかなかったので、お休みしました。
    今回も【一行目で惹きつける】という難題でしたが、参加することに意義がある精神で投稿しました。

    前回書けなかった「【アメリカ製保健室】で【大どんでん返し】」もどこかで書きたいです。
    noteで企画の期間中に書けなかったものは、どこかのタイミングで書いて、文学フリマに出す本に入れられたら良いなと妄想しています。妄想です。

    角が生えている人が集まっているだけでも驚くのに、その人たちが角を切っている姿を見たら怖いんじゃないでしょうか。
    水牛の角製の印鑑とかアクセサリーがあるから思いついたのですが。
    何も知らない子どもが見たら泣いちゃうかも。


    今までに【毎週ショートショートnote】に参加したものはこちら


    読んで下さってありがとうございます。
    羽根宮でした。

     
     
    本が好き。ぬりえ好き。手芸好き。インドア派。 昼夜逆転傾向。短歌。日記や雑文。創作文。 過酷な環境で働いていた結果メンタルダウン。 親の価値観の中で生きてきた。おふとんマン13号サラブレッド。 Amazonのアソシエイトとして、羽根宮糸夜は適格販売により収入を得ています。

    あなたへのおすすめ