
東京二十四節気日記#44立秋 ロン・ミュエク展に行く
✈︎立秋→処暑
8月8日 立秋
終日制作。
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逆走台風接近中。千葉方面から上陸して日本海へ抜ける。18時より雨とのこと。
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正午、ツクツクボウシが混ざる蝉の声を浴びながら雨上がりを歩く。湿度は高く、日差しは暑く、風が涼しい。台風通過中。これからまた雨が降る。
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晴れ、雨、時々雷を終日くり返す。
夜、制作途中の作品の進行計画を立てる。
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朝、丹沢山渓に灰色の雲がたなびくを、雨跡のつく窓ガラスから眺める。今日も一日晴れと雨を繰り返すとのこと。欅並木の下、雨上がりの蒸気を含んだ空気にひいやりと柔らかな風が吹く。
夕、キツネの嫁入り。ザバザバと降る雨に西から光が差し込んできらきら きらきらと光る。曇っていては力が入る眉間も光がさすだけで和らぐもの。問題は雨量ではないのだ。
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ペリリュー外伝全4巻を読み終わる。
最終巻の巻末に作者さんの言葉。「調べ、考え、描く。自分が描いたことを疑う。見落としはないか?考え違いはないか?知った気になって思考停止していないか?最終的には自分の表現が真理に到達していることを願って信じて、世に送り出します。」とあり。
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冷凍庫に私のコーナーが設けられていた。Kが買ってきたアイスのうち、私が食べていいものはここに置いてもらえるとのこと。帰って扉を開けるたび、ひとつふたつと増えていて嬉しい。お礼は食レポ。
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終日制作。
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ロン・ミュエク展@森美術館へ。
オーストラリア出身で現在イギリスを拠点に活動されている作家さん。1958年生まれ。本物のような皮膚、しわ、体毛の一本一本まで作り込んだリアリティーのある人物彫刻を30年にわたって制作している。元々はテレビ番組などの小道具の職人さんだったとのこと。
サイズが人間の原寸よりも異常に大きかったり(4mとか)、小さかったり(30cmとか)して、作品のほとんどがヌードか、着衣でも水着、タンクトップなどで肌を大きくあらわにしている。近づいてまじまじと見ていると、少しの背徳感と共にその人の人生に触れているような感覚があった。

どの作品も人間を賛美している感じが全くない。どれもちょっと不穏な顔をしている。諦念だったり、猜疑心だったり、警戒だったり、狡猾だったり、嘲るようなものだったり。表現されている身体も、たるんでいたり、贅肉がついていたり、できものがあったり、足の小指が曲がっていたり、爪が汚かったり。
生きること、特に生まれることや死ぬことはセレモニーもあって美しくされがちだけど、生まれることも、生きることも、死ぬことも、いろんなものを取っ払ってしまえば人間きたないものなんだな、とみていて思った。
展示会場の最後には制作風景を記録した映像が流れていて、1時間弱と見応えがあり、どうやって作っているのかが垣間見れてとても面白かった。その中に、ある作品の制作過程と、展示、展覧会のオープニングパーティーのシーンがあった。それを見て、きたないものに服を着てアクセサリーやメイクや教養や社交や言葉使いを身につけて、どうにかこうにかきれいにしているのが人間なのかも知れないと思った。

頭蓋骨ってこうなってるのね…
キリスト教がわかっていたら、きっともっと深く作品を理解、共感することができるんだろうなあ。作品に使われている白と黒の色や、シーツ、船、鶏、枝、翼、髑髏といったモチーフから受ける印象が、キリスト教のルーツがない私とでは全然違うと思う。
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8月23日
処暑
読みにきてくださりありがとうございます。
前回に引き続き、漫画ペリリュー-楽園のゲルニカ-を読んで過ごしていました。本編全11巻には納めきれなかったエピソードが外伝に描かれています。特に印象に残ったのが、3巻の戦後占領軍の米兵と結婚した日本人女性たちのお話と、沖縄での遺骨収集のお話。作者の武田一義さんはインタビューで次回は沖縄戦について描きたい、とおっしゃっています。
ロン・ミュエク展についてはnoteにもたくさんの記事が上がっていますね。
表情やポーズが言葉では表現しきれない繊細なものなので、見る人や見る時によって感じ方は全く違うだろうなあ、と思います。東京六本木の森美術館にて2026年9月23日まで。
次回は9月7日、白露の頃更新します。