
【異業種転生】転生したら駅裏の個人ラーメン店、昼の行列を夜売上に変えるには
もしあなたが突然『駅裏ラーメン』のオーナーになってしまったら、どうやって利益を出していきますか?
あなたがオーナーになった駅裏にある個人経営のラーメン店の現状はこうです。
席数は14席。店主とアルバイト1名で、昼は2.5回転して平日70人前後入る店である。
月商は約220万円。内訳は昼が165万円、夜が55万円で、売上の75%が昼に偏っている。
原価率は34%前後。家賃22万円、水道光熱費18万円、人件費32万円を払うと、店主の手取りは月24万〜28万円ほど。
19時以降の客数は1日8人前後。20時台は14席中、埋まっているのが2〜4席の日もある。
味の評価は悪くないが、夜の新規客は1日2人程度。昼客の再来店も、夜にはほとんどつながっていない。
自由に使える資金は5万円。設備投資や大きな広告を打つ余裕はない。
▶ 狙うのは、2年で月商270万円・店主年収600万円。その先は夜メニューを型にして2号店やのれん分けまで広げ、年収1,000万円も見える店にしていきます!
まず最初にやるべき施策は何か。逆にやらなくていい施策は何か。やってはいけないNG施策まで、本気でシミュレーションしてみました。
🍜 昼は満席なのに、夜が伸びない理由
この店は、味で負けているわけではありません。昼に70人入っている時点で、近隣の会社員から「昼飯の選択肢」としては認識されています。昼のピークを回せるラーメン店は、すでに商品力と最低限の信頼を持っています。
ただ、夜になると急に弱くなる。
昼は分かりやすいんです。ラーメンを食べる。食べたら出る。滞在時間は15〜20分。客単価は900〜1,050円。オペレーションも、麺を茹でて、スープを張って、トッピングして、回転させる形に最適化されています。
ところが夜の客は、少し迷います。
仕事帰りに食事をしたい人もいます。瓶ビール1本だけ飲みたい人もいます。飲んだ帰りの締めを探している人もいます。店頭から「この店は夜にどう使えばいいのか」が伝わっていないと、歩いている人はそのまま通り過ぎます。
たとえば今の夜メニューが、昼と同じ「ラーメン850円、特製1,100円、チャーシューメン1,200円」だけだとします。これは食事としては成立します。でも19時以降の会社員から見ると、少し重い日もある。飲むにはつまみが見えない。締めには量が多い。
結果、夜の売上はこうなります。
18〜19時:早めの夕食客で15人
19〜21時:空席が目立ち、8人
21時以降:締め需要を拾えず、3〜5人
夜の売上が伸びない構造は、客数不足というより「利用シーンの表示不足」です。
ここを間違えると、すぐに「夜はラーメン需要がない」「駅裏だから人が来ない」と考えたくなります。でも昼に70人来ている店です。人はいる。店も知られている。ならば最初に直すべきは、夜の入口です!
▶ 昼の強いラーメン店が夜を伸ばすなら、まず狙うのは知らない新規客より、昼客の別利用です。
🥟 この店には、夜の商品を作る材料がもうある
ラーメン店のいいところは、仕込み済みの素材を組み替えやすいことです。ここは強いです!
スープがあります。チャーシューがあります。餃子があります。味玉があります。メンマ、ネギ、海苔、ライスもある。夜のために新しい仕入れを増やさなくても、すでにある材料で「夜に見える商品」を作れます。
たとえば、今ある材料の原価をざっくり置くとこうです。
半ラーメン:麺半玉45円、スープ90円、具材70円で原価205円
餃子3個:皮・餡・タレで原価95円
小ライス:米・漬物で原価45円
チャーシュー皿:チャーシュー60g、ネギ、タレで原価170円
瓶ビール中瓶:仕入れ260〜300円
ここから夜用に組むと、こうなります。
半ラーメン+餃子3個+小ライス:980円、原価345円、粗利635円
チャーシュー皿+瓶ビール:1,100円、原価470円、粗利630円
味玉メンマ皿+半ラーメン:850円、原価300円前後、粗利550円
もちろん、原価だけ見ればラーメン単品のほうが良く見える日もあります。けれど夜の空席は、何も売れていない時間です。空いている14席に、粗利550〜650円の商品が1日10食入るだけで、月の粗利は13万〜16万円変わります。
1日10食×25営業日=250食。平均粗利600円なら15万円。
これは店主の手取りに直結しやすい数字です。家賃は増えません。厨房も今のまま。アルバイトの時間を少し伸ばすとしても、1日1時間×1,200円×25日=3万円。差し引きで月10万円以上残る可能性があります。
ラーメン店の夜改善で効くのは、派手な新商品より「店にあるものを、夜客の言葉に翻訳すること」です!
📣 いきなり広告を打たない理由
自由資金5万円なら、最初に広告へ使うのはもったいないです。チラシを1万枚刷ってポスティングしても、夜に来た人が店頭で迷えば取りこぼします。入口の商品が曖昧なまま集客しても、反応率は上がりにくいです。
GoogleマップやSNSを整えるのはありです。営業時間、外観写真、メニュー写真が古いなら直したほうがいい。ただ、それは下ごしらえです。今回の主役にしません。
この店の場合、昼にすでに70人来ています。25営業日なら月1,750人。広告費ゼロで、毎月1,750人に夜の案内を見せられる状態です。これは個人店として、使える接点です。
店内の券売機。カウンター上のメニュー。会計時のひと言。店外A3看板。ここに夜の使い方を出すだけで、まず昼客の一部が反応します。
たとえば昼客1,750人のうち、3%が月に1回夜へ来るとします。52人です。客単価1,000円なら月5.2万円。5%なら87人で8.7万円。広告より先に、すでに店を知っている人へ「夜も入っていい理由」を渡すほうが早いです。
しかも昼客は味を知っています。場所も知っています。駅からの帰り道も分かっています。新規客より心理的な距離が近い。ここを使わない手はありません!
▶ 5万円しかない店で最初に買うべきものは露出ではなく、夜の注文を迷わせない表示です。
🧾 初日にやることは、3品だけ作って見せる
初日にやることは、増やしすぎないことです。夜メニューを10品作ると、厨房が崩れます。仕込みも読めません。アルバイトへの説明も増えます。最初の10日間は、19時以降限定で3品だけ出します。
最初の1時間でやる作業はこれです。
麺、スープ、餃子、米、チャーシュー、瓶ビールの原価を確認する
既存食材だけで夜メニューを3つ決める
スマホで写真を撮る
A3看板、店内メニュー、券売機の左上に夜枠を作る
10日分だけ、各メニュー1日10食上限で仕込む
夜メニューはこう置きます。
19時以降限定 半ラーメン餃子セット 980円
19時以降限定 チャーシュー皿+瓶ビール 1,100円
19時以降限定 味玉メンマ皿+半ラーメン 850円
券売機がある店なら、左上の見える場所に「夜限定」枠を作ります。物理ボタンの入れ替えが面倒なら、まずは既存の予備ボタンに貼り紙で対応します。券売機の左上は、客が最初に見る場所なので、夜の入口商品を置く価値があります。
店外A3看板には、必ず写真を入れます。文字だけの「夜セットあります」では弱いです。量感が伝わらない。半ラーメンがどのくらい小さいのか、餃子3個で足りるのか、ビールと皿の見た目は飲める雰囲気なのか。夜客は、値段と滞在イメージが見えたときに入りやすくなります。
費用はこのくらいです。
写真撮影:スマホで0円
A3カラー印刷:300〜600円
ラミネート:300〜500円
店内POP数枚:1,000円前後
予備の写真紙、テープ、クリップ:1,000円前後
合計3,000円程度。予算5万円のうち、ほぼ使いません。最初の施策は、お金を使うより注文データを取りに行く設計にします。
10日間は各メニュー10食まで。売り切れても追いません。厨房の負担、廃棄、追加仕込みの手間を見たいからです。ここで見る数字は、売上だけではありません!
どの商品が何食出たか
何時台に出たか
1人客か2人客か
ビールの追加があるか
提供に何分かかったか
店主がしんどくないか
このメモが、次の判断材料になります。
🕖 10日後に、夜の入口商品を1つに絞る
10日間やると、だいたい傾向が出ます。
たとえば、こんな結果だったとします。
半ラーメン餃子セット:10日で72食
チャーシュー皿+瓶ビール:10日で38食
味玉メンマ皿+半ラーメン:10日で21食
この場合、入口商品は半ラーメン餃子セットです。一番売れた商品を残し、ほかの2つは目立たせすぎない位置へ下げます。夜の看板で見せる商品が多いと、通行人は読む前に歩きます。
次の3週間は、提供時間を19時〜21時に固定します。
「いつでもあります」より、「19時以降あります」のほうが伝わります。さらに「21時まで」と書くと、仕事帰りの人が帰宅前に寄る時間を想像しやすい。夜の売上を作る初期段階では、営業時間の長さより、来てほしい時間帯の明確さが効きます。
昼の会計時には、小さな紙を渡します。クーポンではありません。値引きもしません。
紙にはこれだけ。
「19時〜21時限定
半ラーメン+餃子3個+小ライス
980円
軽く食べて帰りたい日にどうぞ」
サイズは名刺より少し大きいくらいで十分です。昼に来た会社員へ、夜の使い方を1秒で伝える紙にします。
仮に昼客1,750人のうち、4%が3週間で1回来ると70人。既存の夜客に加えて、1日あたり3〜4人増える計算です。店外看板からの流入も合わせて、19時以降が8人から14人になれば、客単価1,000円で1日6,000円増。25日で15万円です。
ここにビールセットが少し乗れば、月20万円増も見えてきます。原価率35%、追加人件費3万円なら、手元に残るのは10万円前後。店主の手取りが月25万円から35万円へ近づくなら、個人店にとっては大きいです!
🚫 今やらないこと、やってはいけないこと
まず、深夜営業は延ばしません。22時閉店を24時にしても、店主の体力が削れます。締め需要を取りたい気持ちは分かりますが、駅裏の個人店で深夜2時間を増やすと、光熱費、人件費、片付け、翌日の仕込みに響きます。今の課題は営業時間の短さより、19時〜21時の空席です。
次に、居酒屋並みに品数を増やしません。
冷奴、唐揚げ、ポテト、枝豆、サワー各種……と増やすと、ラーメン店の厨房が一気に別物になります。油の管理、冷蔵庫の場所、発注ロット、提供順、洗い物。品数を増やすほど、昼の強みだった速さと仕込みの読みやすさが消えます。
大量広告も後回しです。外から新しい人を呼ぶ前に、店頭で「夜は何があるのか」を整えます。看板を見ても伝わらない店に広告で人を送ると、費用対効果が読みにくいです。
あと、安売りもしません。夜限定でラーメン500円、餃子無料、ビール半額。これは瞬間的には人が増えます。でも原価と席数14席を考えると、利益が残りにくい。個人店の夜改善で欲しいのは満席の写真ではなく、無理なく残る粗利です。
やってよい追加は、仕込みに乗るものだけです。チャーシュー皿の味変に辛味噌を添える。味玉を半分に切って見栄えを作る。餃子のタレを小皿で出す。これくらいなら厨房負荷は軽いです!
▶ 夜に売上を足すなら、昼のオペレーションを壊さない範囲で商品を組み替えるのが先です。
🌙 自分がこの店のオーナーなら、まずこれだけやる
自分がこの店を任されたら、初月は大きなことをしません。初日で原価を確認し、3品だけ夜メニューを作り、A3看板と券売機左上に出します。費用3,000円で、19時以降の客数と注文データを取りに行きます。
10日後、売れた1品を入口商品にします。おそらく一番強いのは「半ラーメン+餃子3個+小ライス」です。食事にもなる。飲んだ後でも重すぎない。1人客も入りやすい。ラーメン店の夜入口として、食事・軽い飲み・締めの真ん中に置ける商品です。
3週間は19時〜21時に固定。昼会計時の小さな紙、店外A3看板、券売機左上、この3点だけを揃えます。SNS投稿はしてもいいですが、主役にはしません。この店の最大の広告面は、毎日70人が座るカウンターと、駅から帰る人が見る店先です。
数字の見立てはこうです。
現状:月商220万円、店主年収300万〜340万円
1年目:夜売上を月15万〜25万円足して、月商240万〜250万円、年収420万円前後
2年目:入口商品を固定し、夜客を1日10人増やして、月商270万円、年収600万円前後
数年後:夜メニューと仕込みを型にして、駅裏・オフィス街近くに小型2号店、または店主候補へののれん分けで、オーナー年収1,000万円を狙う
もちろん、2号店は簡単ではありません。人材、スープの品質、家賃、立地選定、店主不在でも回る仕組みが必要です。けれど1店舗目で「昼だけ強い店」を「夜も使い方が分かる店」に変えられれば、次の物件を見る目が変わります。
最初の一歩は、派手な改装でも広告でもありません。
19時以降の空席に、既存食材で作った分かりやすい入口商品を置くことです。
あなたが夜にラーメン店へ入るなら、食事目的・軽く飲む目的・締め目的のどれが一番入りやすいですか?
これは店によって答えが分かれます。コメントで聞いてみたいです!
「空いている時間に来る理由がない」は、町中華でも喫茶店でも同じ症状でした。
35業種やって、原因は7つ。自分の店がどれかは、5つの数字で分かります。
次に転生してほしい業種があればお気軽にコメントください!
良かったらフォロー&スキよろしくお願いします!