
世界のどこかで音を買う 〜海外旅行CD屋さん巡りのススメ その⑤【最終回】
前回の記事では、海外のCD屋さんで「店員さんと話す」楽しさについて深掘りしてご紹介しました。最終回となる今回は、海外旅行全般に共通することも含め、気を付けておいた方がいいことを簡単に見ていきます。
念のために気を付けて
私は幸い、海外旅行で怖い目に遭ったことはありません。特にCD屋さんは穏やかで治安がいい印象があり、入るとホッとします。
とは言え、そこが海外であることに変わりはありません。以下の点には最低限注意した上で、安全に楽しみましょう。
◆貴重品管理を疎かにしない
街中ではスリ対策に意識が向いていても、店内ではCDに気を取られてつい警戒を解きがち。試聴機で音楽をお試しする時、棚に向かってCDを探している時などは、貴重品管理が疎かにやりやすいので気を付けましょう。
また、狭い店内ではお客さんと近距離ですれ違うことも少なくありません。落とし物をしないという観点からも、財布やスマートフォン等の管理は十分注意しましょう。
パスポートなどの貴重品は(信頼できるホテルなら)ホテルの金庫に預けたり、持ち運ぶ時はこんな感じのポーチに入れて服の中に隠したりと工夫していました👇
◆会計時のクレジットカードの取り扱いの様子は確認
いくらCD屋さんを信頼しているとは言え、クレジットカードの扱いに不審な様子がないか警戒しましょう。この辺りは、普段の海外旅行と変わりありません。
◆買ったものはすぐ仕舞う
ちょっと大袈裟な言い方になりますが、その国の物価と比べてCDが高い価格帯に入る場合、「CDを大量に買った外国人=お金がある観光客」と認識され、スリなどの被害に遭う可能性があります(あくまでも可能性)。
単純に、落としたり置き忘れたりするのを防ぐためにも、買ったものはなるべく鞄に仕舞っておいた方が安心です。
私の場合は、こんな感じの軽くてカジュアルな感じの鞄を使います。スリ多発地帯では上着の下で斜め掛けにして、チャックがある面を体側にしていました👇
これらはいずれも、CD屋さんに限ったことではなく、海外旅行全般に言える注意事項です。
CD屋さんで人と話が出来、いい音楽を見つけたことでつい浮かれてしまうと、警戒心や判断力が鈍りがちです。楽しい旅の思い出を守るため、そして無事に音楽を楽しむためにも、必要な注意はしておきましょう。

おわりに
◆思い出は人生に効く
私は昔、一緒に働いていた高齢な先輩から、こんな話を伺ったことがあります。
「歳を重ねると、昔の思い出があればそれだけで生きていける」
自由に出掛けられなくなったとしても、昔を思い出すだけで気持ちが豊かになるんだよと、先輩はしみじみ口にされていました。
先輩は恐らく、加齢に伴う健康的理由や家庭の事情を思い浮かべていたのだと思います。しかし私はこの言葉を、パンデミック中に思い出しては、その通りだなぁと実感していました。
旅行が出来なくても、当時の思い出話をしたら写真を見たり、あの日買ったCDを聴いていると過去の追体験が出来る。それはなかなかに楽しくて、前向きな気持ちになれる経験です。
◆思い出と「音」
さて。記憶を呼び起こすためには、何らかのきっかけが必要。そんな時、「音」は重要な役割を担います。旅先で聴いた音楽、CD屋さんで流れていたローカルの流行歌、会話の内容……。それらがきっかけになって、記憶は鮮明になるというわけです。
ガイドブックには書いていない自分だけの思い出が増えれば増えるだけ、その旅はパッケージツアーではなく「あなただけの旅」に変わります。
もしあなたが音楽好きならば。楽しい思い出がよみがえるきっかけが、「好きな音楽」であることほど、素敵なものはないでしょう。
好きな音楽を聞いて、楽しかった旅を思い出す。そしてまた、次の旅に思いを馳せる……。楽しさは巡り、新たな冒険に私たちを連れ出してくれます。
旅先でCD屋さんに行くだけで、旅行の後の人生がより楽しくなる。
ちょっと大袈裟な言い方ですが、私はそれを実感しています。だって、どのCD屋さんのことも覚えているし、好きな音楽は増えたし、いいこと尽くしだから。
また気軽に旅行が出来るような時期が来たら、まだ知らない音楽を探しに、どこかの国のどこかの街のCD屋さんへ、ふらりと足を運びたいものです。
あなたも気が向いたら、世界のどこかのCD屋さんを訪ねてみて下さい。きっと楽しいですよ。
それでは、今回はこの辺りで。全5回のシリーズ、お付き合いくださりありがとうございました。
※本エッセイのシリーズはこちらのマガジンにまとめてあります。
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