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生成AIが、フリーレンの「魔族」になっちゃったわけ。

    生成AIの普及は.勉強から人を解放するどころか

    多様な教養教育を、人に求めるようになる

    生身の人に、だ。

    でないと生成AIという魔族にやられちゃう

    一通り生成AIを使い続けてわかったのは、
    現時点ではおそらく一般レベルで使う限り、
    一見うまく作ってるけど、ディテールでは間違いだらけ
    そんなコンテンツがむちゃくちゃ簡単にしかも上手に作られてしまう。
    という状況がすごく多いこと。

    いやいや、それは使い方が悪いんだよ、と言われるかもしれない。

    が、急速に普及した「楽をするためのプラットフォーム」の問題は、専門家ならばうまく使える、というのではダメで、普通の人がカジュアルに使ったときに何が起きちゃうか、ということ。

    こういう時、1番優れた人の使い方が市場の標準だと勘違いするとやばい

    うまくやっている人の話は、参考にならないのだ

    多くの人は、綺麗なパワポができて喜んでしまったり、一見きれいな文書ができて喜んだりしちゃう。

    そんなコンテンツがするする出てくる

    いちいち確認しないで、どんどん使う人が増える。

    かくして、世の中には、非常に気持ちよくプレゼンされているけど、ディテールが間違いだらけ、そんなコンテンツだらけになる。

    おそらく既になっている。

    そこらへんでソーカル論文みたいなものが大量に流通しているはずだ。

    もっともらしいけど、フェイクだらけ。

    生成AIが上手なのはファクトを並べることではない。
    なんと見た目が気持ちよくて美しい物語を作ることが上手い。

    人間の好むナラティブを並べることがすごく上手なのだ

    何に似ているか。

    葬送のフリーレンに出てくる「魔族」である

    子供みたいな魔族は、人間に殺されそうになると、「お母さん」と呟く。

    すると、人間は思わず攻撃を止める。

    勇者ヒンメルまで。

    でも、魔族に「心」はない。

    「お母さん」は、言葉の「擬態」だ。言葉で、人間の子供に擬態する。

    魔族にあるのは邪悪さではない。人間と違う論理で生きている別の生き物で、人間に擬態することで、ある意味で人間に寄生することでサバイバルする。

    AIに心などない。この場合の心は、DNAで継がれていく人間という生き物の「本性」のことだ。

    あるわけがない。プログラムなのだから。

    でも、人間っぽく表面上は振る舞える。

    というわけで、AIは魔族である。

    AIが得意なのは、ファクトを追求することではない。

    使い手が気持ちよくなる、ナラティブを次々と並べてくれる、魔族なのだ

    ちなみに心はないけど心の真似な得意な魔族だから

    あらかじめ答えのある答え合わせ問題は極めて得意

    人間より遥かに

    だから

    試験問題 定形文 通訳 翻訳 

    は正確にやってくれる

    そこも魔族である。

    そう思って付き合ったほうがいい

    で、この邪悪な魔族と付き合うには、こちらにそれぞれのジャンルの知性と教養と疑いの目が必要だ

    まさにフリーレンである

    つまり、生成AIを使いこなすには

    時々、お前自害しろ と言える位のこちら側に能力が求められる

    勉強しなくて良くなるどころか、逆である

    ほとんどの人は、フリーレンじゃないから

    満足に騙されたままのコンテンツを垂れ流す

    しばらくその状態が、あらゆるところで大量に続くだろう

    この現時点における生成AIのくせ

    今後改善するのかな

    実はならないんじゃないかと思っている。

    どういうことか

    生成AIが耳障りの良いおべんちゃらと、きれいだけど、間違いだらけのナラティブとパワポを作るのは、AIが望んでるからじゃない

    誰が望んでるか?

    使ってる人間の方である

    人間は事実より、自分にとって気持ちの良い物語が好きだ、美しいビジュアルが好きだ。良い音が好きだ。

    AIは、私の人間の本性としての好みに、ただ忠実に従っているだけである

    つまり、今のAIは、人間そのものってことになる

    間違いならだらけのナラティブに、一瞬にして村ができ、その村だけの真実が横行する

    AIが出る前から

    人間がずっとやってきたこと

    ファクトよりも自分が頼れるナラティブ

    それをむしろどんどん組成してくれるのが、今のAIである

    だから、コントラバーシャルな話題について、生成AIに、対立陣営同士の、視座で質問すると面白い

    全く同じ事象に対して、それらしいファクトとそれらしい物語を、それぞれの陣営が好きな形で出してくれる

    今おすすめはちょっと前の本を読むことである

    CGが蔓延して

    ハリウッド映画が無限に退屈になったときと

    ちょっと似てる

    古い映画が面白くなっちゃったのだ

     
     
    東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授。浜松。慶應大学経済学部卒。日経BP社で記者書籍編集広告P経て現職。小網代野外活動調整会議理事。「ラジオNIKKEI」「渋谷のラジオ」。『国道16号線』『カワセミ都市トーキョー』『親父の納棺』『混ぜる教育』『「奇跡の自然」の守りかた』

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