
ショートショート『肉球人狼』
田原にか様のお題に参加します!
429文字
鋭い牙にキラリと光る満月の光。
音もなく忍び寄り
ガブリと一噛み、遠吠えも気高い。
ワオォーン
〈村人が一人、襲撃された〉
ーカチッ💡ー
暗転が解かれ、役者の緊張が一気に緩む。
狼が抱えていたものを吐露した。
「俺もう人狼やりたくねぇよ…」
「何故だい?適任じゃないか」
血糊を拭きながら羊がきき返す。
「村人の振りして皆のこと食べたくねぇや…」
狼は心が優しすぎた。
「まさか本当に食べるわけじゃあるまいし」
「羊!代わってくれ!」
「蹄の僕には音を消して忍び寄れる肉球が無い
それに白のウールは血糊が映えるんだ」
「なら猫!お願いだ」
「この肉球は私が優雅に猫パンチするためのものよ
それに高く美しい悲鳴は私にしか出せないじゃない」
「なら犬!」
「ぼくの肉球はご主人にお手をするためにあるんだ
それに是非ご主人を庇って噛まれたい」
「ならご主人!」
「人に肉球はないよ
それに食べられる経験なんて貴重だから」
頭を抱える狼。
「何で皆、食べられることにノリノリなんだ!!」
今晩も彼の嘆きが響き渡る。
ワオォーン
最後までお読みいただきありがとうございます!
みんな食べられることに、こだわりがあるみたいですね。
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