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「あたたかい家族」を知らない私が、それでも誰かの「帰る場所」を願う理由【エッセイ】

    ご両親のこと、好きですか?

    いきなり変な質問をしてしまって、ごめんなさい。 でも、私にとっては、ずっと心に引っかかっている問いなんです。

    残念ながら私は、いまだに「親なんていなければ良かった」と思ってしまうタイプの人間です。

    もちろん、今まさに子育てを頑張っていらっしゃる方や、ご両親を心から愛している方を否定するつもりは全くありません。

    ただ、私自身は、いわゆる「家族仲良し」という輪の中には、どうしても入れなかったんです。

    私の家族のかたち

    以前の記事でも少し触れましたが、私の父は、ある日突然いなくなりました。蒸発、というやつです。

    過去記事:父がジュワッと消えた話

    そして母とは、正直今もあまり良い関係とは言えません。

    過去記事:「あんた、性格悪いね」と言う母親

    母の話によると、父は母や私に対して暴力を振るっていたそうです。 不思議なことに、私自身にはその記憶がほとんどありません。 でも、幼い頃のつらい体験は、たとえ覚えていなくても「発達性トラウマ」として心に残り、ときには精神疾患の要因になることもあります。

    (実際に、日本うつ病学会診療ガイドライン 双極性障害(双極症)2023によれば、小児期の逆境体験は環境要因の一つとして挙げられています)

    他の多くの家庭にあるような、あたたかい食卓、優しい言葉が飛び交うリビング……。 そういったものへの憧れは、確か12歳くらい、不登校になった頃に、そっと心の奥底にしまい込みました。 期待しても、どうせ無駄なんだって、幼いながらに悟ってしまったんですね。

    それから今に至るまでに、母とは何度か関係を修復しようと試みました。 でも、残念ながら、あまりうまくいきませんでした。 それどころか、母と関わろうとすると、あからさまに私の精神状態が悪化してしまうんです。

    母の前では、なぜかうまく自分らしくいられない。そんな感覚に、ずっと苦しんできました。母の方も同じかもしれません。

    家族だからこそ、他人よりも深い断絶があります。

    無理に関係を築かなくてもいい

    家族とのコミュニケーションについて、時々記事を書くことがあります。 それは、こんな私だからこそ書けることがあるんじゃないか、と思っているからです。

    コミュニケーションにおいて、「自分を傷つけてまで無理する必要はない」というのが、私の基本的なスタンスです。

    もちろん、関係が良いに越したことはありません。でも、それが自分や相手にとって大きな苦痛を伴うものなら、無理に関係を推し進めるのは……決して優しさではない、そう思うんです。

    それでも、「うまくいく」可能性が高いやり方はあります。それをお伝えしようとしています。

    それでも、どこかで憧れている

    ふとした瞬間に「あの家族、あたたかそうでいいな」なんて気持ちが顔を出すことがあります。

    だって、自分の家庭はうまくいなくても、例えば叔母夫婦の家は本当に仲睦まじくて、遊びに行くといつもホッとした気持ちになれました。 それに、友達の家庭や、最近よく見るYouTubeの家族チャンネルなんて、本当に仲が良くて、見ているだけで心がほっこりします。

    もちろん、家族に依存しすぎるのも、それはそれで別の問題を生むこともあるでしょう。 自分があたたかい家庭に育っていれば、なんていう仮定はしません。だって過去があってこその私ですから、そこを否定しても仕方ありませんし、私は今の自分で完全だと思います。

    (もし、家族仲が悪いなんてかわいそうと感じられてた方がいたらすみません……自分では自分を、かわいそうだとは思っていません😅)

    でも、やっぱり「家族ならではの絆」も、それはそれで「いいな」とも思うんです。だからこそ、「帰る家がない子」の話を聞くと、どうしても肩入れしてしまうのかもしれません。

    青森の自立援助ホーム「はれ」さん

    以前、青森にある「自立援助ホーム」の「はれ」さんについて、記事を書かせていただきました。

    15歳から20歳くらいの多感な時期に、「帰る家が無い」という状況を、みなさんは想像できるでしょうか?

    私自身、思春期の頃にはアルバイトをしたりして、一人暮らしをしていました。でも結局、アパートを借りるにも、何か手続きをするにも、親との関わりがどうしても必要で……それは私にとって、とても困難な道のりでした。最近では成人年齢が引き下げられましたが、当時は20歳にならないと、何一つ一人では決められませんでした。どこまで逃げても親がついてくる。見えない鎖のようでした。

    多くの人にとって、「帰る家がある」というのは、当たり前のことかもしれません。でも、もし自分に帰る家がなかったら? もし、頼れる大人が誰もいなかったら?

    私が子どもの頃、もし「はれ」さんのような場所があったなら……そう思わずにはいられません。だからこそ、応援の気持ちを込めて、以前の記事を書きました。

    経済的な事情は人それぞれですし、考え方も人それぞれです。でも、もし15歳から20歳の自分が、本当に帰る家がなかったとしたら、一体どうなっていただろう? そんな気持ちで、ほんの少しだけでも、この問題について知っていただけたら、と願っています。

    誰かの「あたたかい場所」を、心から。


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    「知る」ことは優しさ。不登校/双極症の経験を持つひきこもりのITエンジニアが、生きづらさを抱えるあなたへ「それでもきっと、大丈夫」のヒントを3年間、毎日発信しています。病気でも、不登校でも、ひきこもりでも。きっと、私たちそれぞれの「だいじょうぶ」を見つけられる。(毎日19時更新)

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