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この心変わりは私が悪いんじゃない!

     「遠足のおやつは200円までです」
    こんな小学校低学年の頃から絶対必ず持って行く私の定番おやつ。

    それが小枝でした。

    ナッツとパフが入ったこの小枝チョコが大好きで、遠足のおやつ以外でも母についてスーパーに行くと、ごく稀に母が一つだけお菓子を選んでいいよと言ってくれる事があって、そんな時に選ぶのも小枝チョコでした。

    私が小枝に夢中になっている当時は140円。

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    好きになるとそれだけを愛で続けるクセのある私は、例に漏れず小学校から高校まで遠足と言えば小枝。金額が上がれば小枝が増加。

    小枝、小枝、一貫して小枝でした。

    でも、小枝より美味いチョコなんて他にないんじゃね?と思っていた私に変化が訪れました。

    それは

    「ん???・・何じゃこりゃ?」

    ある時から小枝は個包装になった事を足掛かりにぐっと大胆な目減り。

    しかし、それ以上にガッカリしたのは味!


    こっ、これはっ、

    私の知ってる小枝じゃない!!


    以前はもっと・・・もっと・・・

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    ♀「貴方は・・・本当に変わってしまった!」

    ♂「・・人間誰しも昔のままじゃいられないさ。でも俺は俺だよ。
     こうしてずっと君の傍にいるじゃないか。」

    ♀「違うっ!貴方・・・昔はこんな人じゃなかった!
     貴方を心から愛してた私にはわかる。
     貴方はもう貴方の皮を被った別人なのよ!」

    ♂「おいおい、俺の皮を被った別人だって?!
     随分突拍子もない事を言うじゃないか。君はさっきからそうやって、
     俺の事ばかりを責めているが、変わったのは君だって同じだろう。
     その証拠に誰だコイツらは?ここは俺の定位置だったはずだ!」

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    ♀「責任転嫁はやめて!だってもう、貴方は私の知ってる貴方じゃない!
     もうここに貴方の居場所はないの」
    ♂「心変わりを正当化するのはやめろ!見苦しい。」

    ♀「私は、貴方のそのエグミも苦みも残ったままの
     荒々しい所が好きだった!小粒のパフが、
     それでも噛みしめるとちゃんとサクッとしてるのが好きだった!
     そして貴方のその子供のおやつにしては、どっしり重量級な
     ボリューミーなところが大好きだった!」

    ♂「!・・・っ!
     君に俺の気持ちがわかってたまるか!時代の変化なんだよ! 
     チョコはひたすら滑らかにくちどけがイイように。
     製法技術が上がったんだ!精製純度が上がったんだから
     苦みやエグミでいつまでも尖ってなんていられないんだよ!
     皆大人になるにしたがって丸くなるモンなんだ!

     パフもアーモンドクラッシュも際立ったサプライズ的な美味しさよりも、
     むしろチョコと一体化した、歯茎にも引っ掛からないような
     きめ細やかな贅沢アーモンドクラッシュ。

     大事なのは口当たりの良さなのさ!
     そしてお友達と手軽に交換できる個包装!
     そういう時代のニーズについていかなければ、あっという間に
     見向きもされなくなってしまうんだよ!」

    ♀「でも!あの荒々しいチョコとパフは貴方の個性じゃない!
     個性を殺してまでこの世界で生きていきたいの?
     時代が変わっても、大人になっても、私はずっと貴方だけを見つめて
     貴方を愛してきた・・・。貴方のエグミも苦みもサクッとしたパフも
     やたら大盤振る舞いなボリューム
    も、そのありのままを愛したの」

    ♂「・・それにしちゃ、新しいヤツはやたら軽薄そうじゃないか。
     全くボリューミーじゃない。そんなの食って腹の足しになるのかい?
     パフだってアーモンドクラッシュだって入ってない。俺を愛してると
     言いながら、そいつは俺に似ても似つかないじゃないか!」

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    ♀「・・ええそうよ。彼は貴方とは違う。御大層に一袋にたった二本しか
       入ってないし、アーモンドクラッシュもパフもない。」
    ♂「だったら何故っ・・!?」

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    ♀「・・・でもね・・知ってた?彼、チョコレートコーティングの下は
     サックサクのウェハースなの。どこにいるかわからないような
     粒粒パフよりも確実にサックサクなの。例外がないのよ!
     しかもその中身はね・・ヘーゼルナッツクリームなの。
     歯茎に引っかからないどころか、口に入れると
     香り高いヘーゼルナッツクリームがトリュフのようなくちどけなの。

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     貴方とは何もかも違うけど、しっかりしたチョコ、
     サックサクのウェハースにナッツの香り。私は彼の中に昔の貴方を
     感じられる
    のよ!・・・。」

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    ♂「!!・・・。時代のニーズを追いかける余り・・
     俺は大切な何かを見失ってしまったのかもしれないな・・・。
     でもこれだけはわかってくれ、俺は『今より良くなろうとして』
     努力してきたんだ。」

    ♀「・・・うん、知ってる。貴方が白くなってもピンクになっても
     ツートンになっても、ジャンボになってもオシャレになっても
     長くなっても和風になっても、洋風になってもボールになっても、
     バーになってもドンになっても、ベビーに若返っても
     私も貴方を追いかけ続けて来たわ」

    ♂「・・・そっか///・・そんなに深く俺の事を・・。」

    ♀「でも!やっぱり私は昔の貴方が良かったの。・・・もうお互い後戻りは
     できないわね・・。」

    ♂「・・・そうだな・・・。君は・・俺の戦友みたいなモンかな。」

    ♀「ええ。だから貴方がリニューアルされる時はまた会いに行くわ。
     そしてやっぱりイマイチだったら、彼を食べて昔の貴方を
     思い出すから。」

    ♂「・・・。昔の俺の名残りを感じられるというなら、俺は喜んで
     そいつを認めよう・・。
     だがなぁっ!エキスパートの俺だから言っておくが
     そいつのそのへーベルナッツクリーム、カロリー半端ないぞ!
     カロリーの摂りすぎで今以上にブクブク太らないように、
     せいぜい気をつけるんだな!」

    ♀「!・・そうよ!その歯に衣着せぬ物言い!それが・・私の愛した貴方。
     ありがとう・・!」

    ♂「あばよ!(・・幸せになれよ!)」

    **********************************

    **上記小枝チョコが昔と今で違ってしまった理由は100%私の虚構です**
    (↑↑タダの壮大な勘違いかも?!)

    でも、昔の小枝が大好きでした。今の小枝じゃないんです。


    お陰さまで

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    ありがとうございます。

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    富山出身。香港在住約20年。アパレルメーカー駐在員として広州、香港に赴任。香港人の旦那と結婚して現在アラフィフのフリー通訳。ディープな香港をお伝えします。格闘技好きで中国拳法(詠春拳)を10数年習っている他、ヘヴィメタルが好きでバンド活動もしています。どうぞよろしくお願いします。

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