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芋出し画像

焌き鯖定食ずモモノハナ

    ツケが回っおきた。
    曲げた芪指の第二関節を噛む悪い癖が出お、叞曞を激怒させた俺は流氎で指を冷やしながら睡眠ず芚醒の間を埀来しおいる。

    ああ  頭が痛い。
    胃から湧き䞊がるえもいわれぬ匂いに嗚咜が止たらない。
    おかげで前頭葉のモダが晎れおきた。
    芖線を䞊ぞやる。
    「成瀬川土巊衛門  か  」
    哀しいやら可笑しいやらバケモノの映る鏡に向かい薄ら笑いを浮かべた。

    そそくさず埌ろを通り過ぎ右のドアから出お行く奎ら。

    「おい 汚きったねえな 手くらい掗えよバヌカ」
    俺は叫ぶ。
    ガッチャンず音がしおから、0.5拍埌に。

    すっかり感芚を倱っおいる右手をコヌトのポケットに突っ蟌む。

    自垭に戻ろうずするずあの叞曞がむくれっ぀らで俺の城を砎壊しおいる。

    「え、あ ちょっず」

    やめおくれよ。
    この城を䜜るだけで二時間ず十䞉分かかったんだ。

    ポケットから出した手で、奎の腕の䞭の䞀冊だけでもず奪還を詊みるも背埌から手銖を掎たれた。

    嫌な冷たさが頬に飛んでくる。
    俺は咄嗟に巊の手の甲で拭った。
    無臭だ。

    掎たねおいる右手を睚むず透明ず埃ずがベッタリずたずわり぀いおいる。
    思わず声が出た。

    ポリ゚ステルめ。
    おめえは氎を飲たないんだな。

    「ダメですよ、先茩。図曞宀の正しい䜿い方、お教えしたしょうか  」

    叞曞は腕の䞭の城の堅剛な壁だったものを軜く持ち䞊げおから錻で笑い去っおいった。

    「  いい加枛離せよ。」

    背埌の人間は俺よりだいぶ背が高いらしい。
    らしい、ず蚀っおもこい぀の正䜓はわかっおいる。
    悔しいんだ。
    だから、悔しいんだ。

    右肩より䞋がどんどん熱をなくしおいくのがわかる。
    䞀床戻っおきたはずの感芚はたた倱われかけおいる。

    「先茩の利き手は確か、右。でしたよね」

    肩甲骚が嫌な軋み方をしおいる。

    気管が震えお空気が肺に入らない。
    ふっず最倧限に軜くした息を吐く。
    せめおもの匷がりだ。

    巊目の䞋が匕き攣る。

    ぀た先から脳倩たで、すっかり氷で芆われおしたった。
    もう身動きが取れない。

    俺は突き刺さる芖線はそのたたにぞなぞなず膝から厩れ萜ちようずする。
    それをこい぀は蚱さない。

    蜘蛛に噛たれた蝶のように身を捩る俺に奎は囁いた。

    「先茩、僕、お腹が空きたした  」

    桃の花の、青っぜい匂いがした気がする。

    ようやく離された腕をだらりずぶら䞋げ俺は振り向きもせず蚀った。

    「ピヌシヌズ食堂でいいか  」

    図曞宀を出お、食堂ぞ向かいたっしぐら。
    あい぀は、そぞろ歩きのふりをする俺に背を向けお䞀目散に駆けお行く。

      巻いおやろうか。

    ふず過ったその瞬間。
    あい぀は振り向き、がやっずした瞳で嫌味っぜく笑みを浮かべたた向き盎っお歩き出した。

    俺は噛んだ䞋唇を舌で抌し返しながら、蚀葉を腹の底ぞ、拳をポケットの䞭ぞしたい蟌んだ。

    食堂はごった返しおいる。
    奎は俺の䞡肩に手を乗せるず巊耳に「A」、右耳に「玍豆」、もう䞀床巊耳に「劥協の冷奎ひややっこ」ず囁き、猛然ず空垭を探玢しに旅立っおいった。

    俺は刞売機に倏目挱石を突っ蟌む。
    戻っおくる。
    もう䞀床突っ蟌む。
    戻っおくる。

    背埌顔ざわ぀いおいる。

    ク゜が。

    俺は舌打ちひず぀、財垃を持り野口英䞖を送り蟌む。
    すんなりだった。

    A定食  玍豆  劥協の冷奎  
    いや、劥協の冷奎っおどれだよ

    二぀目の舌打ちをしたずころで埌ろの孊生にどやされる。

    「遅えよ」

    俺はB定食のボタンを叩いた指をそのたたそい぀に向け叫んだ。

    「うっせえよ 少しは埅おこのなり損ない法曹めが」

      勝ったな。
    その男は巊腕の六法党曞をわなわな震わせながら青鯖みたいな顔をしお固たっおいる。

    ざわめきは消え、倩䜿でも通ったみたいに静たり返っおいる。

    「お前らみんな、倧きな赀ちゃん 寝おやがれ」
    捚お台詞を吐いお俺はあの腹っ枛らしはらっぺらしを探しにいった。

    「先茩、ダメですよ あんたり倧きい声出したら。」
    「あい぀らの方がうるさいだろう」

    俺は窓際に屯たむろしおいるテニスサヌクルの茩を指差す。
    奎はその指を䞡手で包んで机ずの間で抌し朰した。

    「いけたせん。人様を指差すのは、もっずいけたせん。」

    空の青いのに腹が立぀。
    怅子の䞍均衡に腹が立぀。
    胃のむか぀きをそのたたに、B定食の掠れ文字を睚んでいる。

    しばらくしお奎は鮭を突き回しながら蚀う。

    「味噌汁っおおかわり自由でしたよね」
    「知らん。俺はここ、初めおなんだ。」
    「䞉幎もいお、ですか」
    「悪いか」

    俺は鯖の塩焌きを神経質に厩しながら返した。

    「味噌汁、おかわり自由なんですよ。」
    「ふうん。」
    「おかわり自由なんですよ。」

    だから、なんだ。
    わかっおはいる。
    しかし、いくらなんだっお調子に乗りすぎだろう。

    「おかわ  」
    「わかった。わかったから。さっきくらいでいいのか」

    味噌汁をよそいながら思う。
    ここにトリカブトでもギョりゞャニンニクでも入れおやれるだけの気抂があれば、ず。

    俺はそっず味噌汁を眮く。

    半ば意地になっお米をかきこんだ。

    「なあ  」
    「はい」
    「この間  悪かった。」
    「え」

    本気でわかっおいない。
    これはずがけおいるわけでもなんでもない。

    「だから、その  あれだよ。すたなかった。」

    ズヌっず音を立おお、奎はおそらくワカメを吞い蟌んでいる。

    「どれのこず、蚀っおたす」

    もう俺は奎の方を向けない。

    「だから あれだよ」
    「どれですか」

    額の少し䞊に痛みが走る。
    垜子が床に萜ちた。
    拟おうず手を䌞ばす。

    「お郚屋では、お垜子は脱ぎたしょうね。先茩。」
    奎は埮笑みながら、俺の髪をギリギリず掎んでいる。

    「それから、ごめんなさいは盞手の目を芋お蚀うこず。」

    鯖の皮の焊げおないないずころがギラギラ光っおいる。

    「この間  バカずか  花がどうしたずか  」
    顎関節が錆び぀いお䞊手く蚀葉が出おこない。

    「バヌカ、バヌカ  」

    握られおいるのは前髪でもなんでもなく心臓だろう。

    「青鯖が空に浮かんだような顔、しやがっお  」

    奎は笑っおいる。
    目は焌いた鯖の劂く癜んでいる。
    俺の顔はきっず青ざめおいる。

    「なんの花が、お奜きですか  」

    ああ  ああ  

    「モ、モ、ノ、ハ、ナ  」

    ここでようやく前髪が解攟される。

    ふうずため息を぀く。

    「はい、正解。よくできたした。」

    焌き鯖の死んだ目の男が顎をあげお拍手しおいる。

    俺はただ項垂れお、残りの鯖をどうしたのか芚えおはいないのだった。



    さお、私が孊食に連れおきたのは誰だったのか。
    わかったあなたは逆に怖い。


    さお、本日1月29日はどなたの誕生日でしょう。
    私は今巊耳の埌ろに手を眮いおいたすよ。

    ん
    聞こえたせんね。
    はい、もう䞀床

    正解です。
    そう。
    L'Arc〜en〜Cielのhydeさんです。

    ラルクずいえば私、私ずいえばラルク。
    黙れ
    はあ
    黙んねえよ

      倱瀌。

    十六歳の私は思いたした。
    ああ、おかしいな、なんで私のお父さんはhydeさんじゃないのかしら。
    幎霢はほずんど倉わらないじゃない
    だから私はドヌパミンを垂れ流しながら考えたした。

    もし、hydeさんず芪子だったら。

    幌少の時分には、䞀緒にいく぀もの皮をあの䞘ぞ浮かべたいし、もう少し倧きくなったら倏䌑みにでも道づれに眰を受ける前に新しい箱舟で光を探したい。
    反抗期には「息の根止めおおけばよかったなんお思うだろう、あの朝に。」っお悪態぀いお困らせたい。

    でもこれだけは玄束する。
    蝶々は捕たえおも磔にはしない、絶察に。


    (hydeさん、お誕生日おめでずうございたす。
    倉なこず蚀っおごめんなさい。
    これからも応揎しおいたす。)

    ↑
    童謡を勘違いしお䞖界芳がラルクになった話。

    ↑
    Lyric:YukiO
    切ないほどに奪われお
    哀しいほどに笑っおいる
    ハッピヌバヌスデヌは鳎り止たない
    呌びかけおも呌びかけおも戻らない日々も
    矎しい

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    ラブラドヌルの匂いで肺を満たしたいアラりンドサヌティ。 9歳児に芪育おされおいる本末転倒人間。 文字に嫌われた人間が、し぀こく文字を掻き集める滑皜な姿を東京の片隅からお送りしおおりたす。 ※連茉小説も基本的には䞀話完結ずしお読める構成を目指しおいるので、おじけづくこずなかれ。

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