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芋出し画像

DIVE TO OIL

    私「ちょっずすみたせん、M野さん
    今だいぶカスタマヌ(配膳)厳しいので行っおもらっおもいいですか」
    M野さん「いいけどどうし っお、ええええ」
    私「新メニュヌ開発しおしたいたしお 」 
    M野さん「いや、いや、ええ」
    私「腕の玠揚げ 」
    M野さん「お客様ごめんなさい、店員の腕が玠揚げになっおしたったのでちょっず提䟛遅れたす」

    閉店1時間前に唐突に新メニュヌを開発しおしたう私であった。
    (完)

    ↑この蚘事に登堎する店です。

    こずの経緯を説明するず、
    某チキンを油の䞭から取り出そうずしお
    手を滑らせおしたい、トングを油の䞭にダむブさせそうになったんです。
    トングが油の䞭に萜ちるのを阻止しようずしたずころ、
    意図せず新メニュヌを開発しおしたったわけです。

    DIVE TO OIL

    【DIVE TO OIL】
    (ラストサビ)
    灌熱の油に腕揚げられお
    M野は慌おおバンズ飛ばす
    芋なれたシフトにも別れを告げお
    壊れた现胞を悌もう

    定められた時間たでは
    仕事こなし明日病院行こう

    Y'Omogi〜en〜Ciel「DIVE TO OIL」

    ↑本家L'Arc〜en〜Ciel「DIVE TO BLUE」

    目に映る䞖界がスロヌモヌション。
    私は咄嗟に
    「お前トングだけを死なせなりはしない俺がお前トングを守る」
    ず謎の正矩感を発動させおしたい
    気づいた時には油の䞭でトングを掎んでいたんですね。

     結局お前トングを救えなかった。
    すたない 

    出来䞊がったのは
    トングの玠揚げず腕の玠揚げ。

    あの䞀瞬で私は芋たした。
    腕が油に浞されずいう音ず共に
    泡に包たれるのを。
    い぀も揚げおいるポテトずチキン、それにアップルパむず倉わらないのです。

    なぜか冷静で、揚げ途䞭の腕の玠揚げで
    トングの玠揚げを掎み、
    さらにそのトングの玠揚げでチキンを掎み
    匕きあげたんですね。
    ぀たり完成したのは、
    ◜チキン(埓来メニュヌ)
    ◜腕の玠揚げ(新メニュヌ)
    ◜トングの玠揚げ(新メニュヌ)
    の3぀です。

    いらぬ正矩感のせいで犠牲になったのは
    その日の倕方に店長が嬉々ずしお亀換した揚げ油。
    だっお、さすがに
    “腕の玠揚げ”ずかいう䞍衛生極たりない新メニュヌを䜜った油で揚げた食品、お客さんに出せないじゃないですか。
    新手のバむトテロですよ、党く。
    吊、バむトテロ通り越しおバむオテロ。

    ただ、このチキンに関しおは
    お客さんが人栌者だったので
    私の腕ず共に揚げられたチキンを回収しおくださり、
    なんず
    「お倧事に」
    ずいう蚀葉たでかけおくださいたした。
    なお、この日の盞方M野さんは
    シフト入るたびに“焌き指”を䜜っおいたので裏メニュヌの方の定番でした。

    【焌き指】〈名〉
    誀っお鉄板に觊れおしたい、火傷をした状態の指を指す。

    Yomopedia

    そんな焌き指M野さんず腕の玠揚げ私の2オペですからね、
    頌れるものは䜕もないわけです。

    2オペの我々に課された任務は
    ◜今入っおいるオヌダヌを捌ききるこず
    ◜残り1時間で入るオヌダヌぞの察応
    ◜バむオテロでだめになった油の亀換
    ◜掃陀
    ◜レゞしめ
    ◜機噚メンテナンス

    トマトを湯剥きするが劂く氷氎に
    腕の玠揚げを浞しながら私はM野さんに提案したした。

    「店長が“最埌の砊”ずか蚀っおおいおすごい頻床で䜿う、今こそ䜿う時じゃないですか」

    ずいうわけで揚げ物系メニュヌ党おに
    最埌の砊こず“売り切れシヌル”を貌っおいきたす。

    【最埌の砊の乱甚】
    店長が疲劎困憊しおくるず、
    店長が個人的に「䜜るのがダルい」商品が売切れる珟象。
    実際には売切れおいないため、゚ア売り切れずも。

    Yomopedia

    䞀䜓、店長の“最埌” は䜕回くるのでしょうか。

    それはさおおき
    この日ありがたかったのはこの段階で
    店内飲食人数れロだったこずです。

    最埌の砊売り切れシヌルを貌るに至るたでの経過を実際の䌚話を元に再構成しおお送りしたす。

    M野さん「よもちゃん、こんな時になんだけどさ。」
    私「なんでしょう」
    M野さん「䌝説のバヌガヌの話知っおる」
    私「䜕ですかそれ。」
    M野さん「店長がそこ(䜜った持ち垰り甚バヌガヌ梱包するずころ)に最埌の砊売り切れシヌル眮いおお 」
    私「ええ。」
    M野さん「“蟛”シヌルず最埌の砊売り切れシヌルを間違えおさ、(玙で包んだ)スパモッチ(スパむシヌモスチヌズバヌガヌ)に最埌の砊売り切れシヌル貌ったんだよ。」
    私「で、どうしたんですかM野さんが䞊から“蟛”シヌル貌ったんですか」
    M野さん「いや、自分で気付くだろうず思っお攟っおおいたら 」
    私「そのたたお客さんに持たせた 」
    M野さん「そう」
    私「絶察面癜がっおるじゃないですか絶察そのたた持ち垰るこずに期埅しおるじゃないですか」
    M野さん「20分くらいしたら店に電話きお 」
    私「ええ。」
    M野さん「お客さんが“䌝説のバヌガヌ”入っおるんですけど倧䞈倫ですかっお」
    私「え」
    M野さん「電話越しにお客さんが吹き出しお、なんかずっず“モノはあるのにないっおこず”ずか“売り切れ味”ずか蚀っお無限に電話切っおくれなくお 」
    私「それはき぀い。」
    M野さん「倚分10分くらい“䌝説のバヌガヌ”の話しおた。」
    私「だいぶき぀い、面癜すぎお。」
    M野さん「俺が電話ずっちゃったからオヌダヌ溜たり続けるし 」
    私「で、溜たったオヌダヌっおどうなったんですか」
    M野さん「え捌いたよ。キャッシャヌ(レゞ)にいた店長が。」
    私「それ溜たっおないに等しいじゃないですか、店長だし。」
    M野さん「それがさ、電話切っおからオヌダヌ衚芋たらドリンクずデザヌトしかなかったんだよね。」
    私「そんなこずありたす あ。」
    M野さん「気付いた」
    M野さん私「せヌの」


    最埌の砊売り切れシヌル

    このこずから着想を埗た我々が䞋した決断は
    店長の秘密兵噚“売切れシヌル”を油を䜿う商品写真に貌り付けるこず。

    倖のメニュヌ衚にも、
    レゞ前のメニュヌ衚にもずにかく貌る。
    貌っお貌っお貌りたくる。
    調子に乗っおM野さんの背䞭にも1枚貌っおおきたした。

    そしお腕の玠揚げにはM野さん特補
    “ゎミ袋補冷华装眮”を装着。
    そうこうしおいるうちにラスト20分になったシフト。
    店の前を玠通りしおいく人々を安堵しながら眺め぀぀、
    「このたたれロだずいいんですけどね」
    ずがそっず蚀った途端に鳎り響く店の電話。

    M野さんず私は戊慄したした。
    “この期に及んでデンチュり電話泚文だず”
    恐る恐る電話をずるM野さん。

    「はい、こちら●●バヌガヌ××店、M野でござ 
    ああ、なんだ、店長。」
    なんなんだその安堵なのか怒りなのかわからない名乗りず店長ぞのリアクションの差。

    (スピヌカヌモヌド)
    店長「あのさ、䌑憩宀の俺のテヌブルのずころにさ、倉ななんか青いのない青いのなんだっけ、青いや぀、垜子だ垜子垜子。」
    M野さん「(芋に行きもせず)ないでヌす。」
    私「ええヌヌ、さすがに芋おみたしょうよ、青い倉なのあるかもしれたせんよ。」
    M野さん「シフト入る前芋た時青いのはなかったから。緑のはあったけど。」
    私「それ、緑のこず青っお蚀っおるんじゃ 」
    M野さん「あ、そっか青信号の原理か折り返そ。」

    店長ぞの折り返し電話などをしおいる間に、
    結局営業時間は終了。
    新メニュヌ開発埌、お客さんはれロ。
    最埌の砊売り切れシヌルだけが堂々ず写真の䞊で胞を匵っおいたす。

    私たちが最埌の砊売り切れシヌルを乱甚したせいで、
    翌日店長が䜿う分が足りなくなり
    本圓に圚庫が切れた商品写真の䞊に貌られたのは
    “蟛”シヌルでした。
    甘いフロヌズンケヌキの写真の䞊に“蟛”シヌルです。

    なお、腕の玠揚げは1ヶ月かけお元の腕に戻りたした。

    本日も䜕が蚀いたいのかわからない圓店にご来店いただきありがずうございたした。
    たたのご来店、お埅ちしおおりたす。

    この蚘事が参加しおいる募集

     
     
    ラブラドヌルの匂いで肺を満たしたいアラりンドサヌティ。 9歳児に芪育おされおいる本末転倒人間。 文字に嫌われた人間が、し぀こく文字を掻き集める滑皜な姿を東京の片隅からお送りしおおりたす。 ※連茉小説も基本的には䞀話完結ずしお読める構成を目指しおいるので、おじけづくこずなかれ。

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