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危険物と暮らす危険人物

    「テントウムシ=ピーマン=ヒルガオ」
    この等式にピンときたら、110番(違)。

    “テントウムシ(の腹部)と昼顔(の花をむしった時)とピーマンは同じ匂いがする”
    これは私が保育園の年中の時に気付いたことなのですが、試してくれる方があまりいないので、
    ぜひ嗅いでみて欲しいです。

    ちなみにこれ、同時4歳だった娘に話して試してもらったら
    「ウーワ!ほんとだ!テントウムシさんってピーマン食べてるのかな?」
    と昼顔のことは完全スルーな反応でした。
    で、翌日娘がこのことを保育園の先生に話したらしくお迎えの時に
    「今日ほんとはお散歩の日じゃなかったんですけど、テントウムシと昼顔を探しに行ったんです!給食室のピーマン持って。本当に全部同じ匂いで…園長先生もびっくりしてました!」
    と先生が瞳からミラーボールよりも眩しい煌めきを放ちながら報告してくれました。

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    目がミラーボールと化した保育士

    【この日の散歩のおもしろポイント】
    1.予定外の散歩イベントを
    「ピーマン=テントウムシ=昼顔」
    なる謎の等式の真相を“先生が”確かめたいからという理由でぶちこむ。

    2.その場で匂いのチェックをするためにわざわざ給食室からピーマンをもらってくるところと
    そんな理由でピーマンを分けてくれる給食室の先生の粋な計らい。

    3.謎の等式に園長先生が興味を示して同行した。

    先生がピーマン握りしめて園児を引き連れて歩いている図を勝手に想像して
    帰宅後SpO2=89%になりそうな勢いで爆笑しました。

    ピーマンと昼顔はどちらも植物という共通点がありますが、
    テントウムシは虫ですからね。
    植物と虫は生物学的に全くの別物。
    共通点を見つけるならやはり
    匂い成分一択なので確認していきます。

    【ピーマンの匂い成分】
    ◽︎2-イソプロピル-3-メトキシピラジン
    ◽︎2-イソブチル-3-メトキシピラジン
    〈補足〉
    どちらも消防法に定める第4類危険物 第2石油類に該当。
    どういうことかというと
    匂いが強烈。

    【テントウムシの匂い成分】
    ◽︎コシネリン(テントウムシの血液中に含有):苦味有り
    ◽︎2-イソプロピル-3-メトキシピラジン(ナミテントウ)
    〈補足〉
    テントウムシが敵から身を守る際に出す黄色い液体の正体は血液。
    血液噴射で攻撃しているということ。
    反射出血という現象だそうです。
    腹部の匂いと書きましたが
    正確には足関節(人間で言うところの膝)から噴射されているので“膝の匂い”です。

    【ヒルガオの匂い成分】
    ◽︎トリテルペノイド
     →サポニン:ほぼ無臭
    ◽︎トリテルペン
     →ククルビタシン:強烈な苦味及び臭気
    ◽︎kaempferol-3-rhamnoglucose
     →?
    〈補足〉
    旋花という生薬になる。
    内服:利尿、疲労回復、強壮強精
    塗布:虫刺され、切創
    〈ひとりごと〉
    ヒルガオに関する資料少な過ぎ。

    お気付きでしょうか?
    ピーマンとテントウムシ、この2者に
    2-イソプロピル-3-メトキシピラジンという共通点があることに。

    【2-イソプロピル-3-メトキシピラジン】
    沸点:120〜125℃
    匂いタイプ:土
    近しい匂い:グリーンピース
    値段:78,000円(税抜)/10mg
    ※第4類危険物 第2石油類(消防法)

    Chemical Book+関東化学

    私ピーマン大好きで自宅の魚焼きグリルでほぼ毎日ピーマン焼いているんですよ。
    もはや魚焼きグリル改め“ピーマン焼きグリル”なんですけどね。
    これってつまり、私はほぼ毎日
    消防法に基づく「第4類危険物 第2石油類」を摂取しているということですよね。
    しかも焼いている。
    我が家ではほぼ毎日
    2-イソプロピル-3-メトキシピラジンが焼かれている。

    そして最近ほぼ毎日庭のノイバラ付近にナミテントウがとまっているんです。
    (アブラムシバイキングで食べ放題している)
    2-イソプロピル-3-メトキシピラジン(の持ち主)が
    至近距離にいるんです。

    第4類危険物 第2石油類ありきの生活を送っているわけです。

    途端に自分が危険と隣り合わせのスリリングな生活をしているように思えてきました。
    このギリギリを攻めている感じ、たまりません。

    という意味不明な私のワクワクした気持ちは置いておき、
    これで
    「ピーマン=テントウムシ=ヒルガオ」
    の
    「ピーマン=テントウムシ」までは証明できました。
    正確には“≒”ですが。

    ヒルガオに関してはピーマンとテントウムシと共通の成分は含まれていないようです。
    ただ、苦味のある匂い成分であるククルビタシンを含有しており
    2-イソプロピル-3-メトキシピラジンも匂いジャンルは苦味なのでクソデカカテゴリまで拡大すれば
    共通点有りとみなせなくもない、といったところです。

    以上のことから
    結論は
    「ピーマン≒テントウムシ」
    ピーマンとテントウムシは両者共に
    2-イソプロピル-3-メトキシピラジンを含有しており匂い成分に共通性を認める。
    ピーマン及びテントウムシとヒルガオに共通の成分は含まれていないが、
    3者に含まれる匂い成分のカテゴリは“苦味”に分類される為、
    臭気に若干の共通性を見出すことが可能と言える。
    といったところでしょうか。

    「…でしょうか。」
    じゃないんだよ、何をやっているんですか。

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    ピーマン・テントウムシとは一線を画している近所のヒルガオ

    ピーマンとテントウムシが持っているのが
    CHANELのチャンス・オー・タンドゥルだとしたら
    ヒルガオが持っているのがZARAのAPPLEJUICE オードトワレみたいなことでしょうか。
    (別物だけれど似たような香りがする香水)
    ハイブランドをプチプラで賄うスタイル?

    そういえば
    子どもの頃親に待たされたサインペンがバナナの みたいな匂いだったのですが
    あのサインペンの成分とバナナの成分にも共通項があったのでしょうか…
    気になって夜は眠れないものの昼に眠くなりそうです。


    【参考文献】
    ピーマン
    LUNING P A (Agrotechnological Research Inst. ATO-DLO, Wageningen, NLD)
    DE RIJK T (Agrotechnological Research Inst. ATO-DLO, Wageningen, NLD)
    WICHERS H J (Agrotechnological Research Inst. ATO-DLO, Wageningen, NLD)
    ROOZEN J P (Wageningen Agricultural Univ., Wageningen, NLD)
    資料名:Journal of Agricultural and Food Chemistry  
    巻:42号:4ページ:977-983  
    発行年:1994年04月

    テントウムシ
    TURSCH B,DALOZE D,DUPONT M,
    HOOTELE C,KAISIN M,PASTEELS J M,ZIMMERMANN D
    資料名:Coccinetlin. the defensive alkaloid of the beetle Coccinella septempunctata.
    Chimia  (Chimia)
    巻:25号9ページ307-308  
    発行年:1971年

    ヒルガオ
    富山県薬剤師会
    (https://www.tomiyaku.or.jp/herb_museum?pageID=6#:~:text=%E3%80%90%E7%94%9F%E8%96%AC%E3%80%91%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%AB%EF%BC%88%E6%97%8B%E8%8A%B1,%E7%B5%9E%E3%82%8A%E6%B1%81%E3%82%92%E5%A1%97%E5%B8%83%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82)
    閲覧日時:2025年5月19日21:24

    その他
    危険物第4類 引火性液体
    化学物質と法規制研究所HP
    (https://www.chemical-substance.com/shoboho/dai4rui.html)
    閲覧日時:2025年5月19日1号20:59



    謎の喩えに引っ張り出されたCHANELの香水はこちらです。

     
     
    ラブラドールの匂いで肺を満たしたいアラウンドサーティ。 9歳児に親育てされている本末転倒人間。 文字に嫌われた人間が、しつこく文字を掻き集める滑稽な姿を東京の片隅からお送りしております。 ※連載小説も基本的には一話完結として読める構成を目指しているので、おじけづくことなかれ。

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