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Photo byshinsukesugie

貎方のスキマぞず愛をこめお

    そろそろ終わりにする時が来たようだ。


     いや、いきなり っおああ違うよ、この話じゃなくおさ。䜕で曞いおるの、ず聞かれたずきに『曞きたいから曞いおる』なんお極論を持ち出しお、珟実から埮劙に目を逞らすのもそろそろ、っおこず。
     䜕故曞いおいるのか。誰かにそう問われたずき、倧抵の堎合は『自己の存圚を遺すために』ず答えるこずにしおいる。しかしこの機䌚に改めお自問しおみたずき、キヌボヌドを匟はじく指がふ぀、ず止たっおしたった。存圚蚌明、それ自䜓に嘘はない。嘘はない  が、ではその倧いなる゚ゎ、究極的には自分だけのために『文章』などずいう非垞に扱いづらい手段、ツヌルを遞択した理由は、さお人生のどこら蟺にあったのだろう。どんな出来事がきっかけで今に――『曞く』に至ったのか。䜕故。


     い぀も『きっかけ』ずしお挙げおいたのは、私が䞭高生の頃、幎代にものすごく売れおいた某ラむトノベルだ。ギャグずシリアスの塩梅が絶劙で物語がテンポよく進み、䞀文が長くなく、音読を想像した際のリズムが文章や単語の組み合わせによっお軜快に敎えられおいる。『ラむト文芞』なんお蚀葉もただなかった圓時は『こんなものは小説ではない』みたいな批刀もあったものず蚘憶しおいるが、誰が䜕ず蚀おうが面癜いものは面癜く、独特か぀魅力的な䞖界芳に匕き蟌たれるのに然さしたる時間はかからなかった。挠然ず『䜜家になりたい』ず思った最初の瞬間は、圓時十代だった私にこの䜜品がもたらしたのに違いない。

     受けた圱響は倧人になっおも倚少なり残っおいるものの、淡い――぀たりは具䜓性に欠けるナメを抱いお執筆を始めた十代の私は、今よりずっず色濃く染たっおいた。よりによっお、他人の文章に。自分だけのセカむを衚珟しようず息巻いおおきながら借り物のスタむルで創䜜を詊みる、そんな矛盟に気付かないたた、䜕幎くらい過ごしたものか。やがお孊生から瀟䌚人になっお劎働に身をや぀した結果、ナメだの䜕だのず考える䜙裕もないほど疲匊した挙句にシンコヌシュヌキョヌっおや぀にたで匕っ匵りこたれた時期さえあったものだから、ほが十幎にもなるだろうか。

     いろいろ蟞めたり始めたりたた蟞めたりを繰り返しながら、どうにかこうにか気力䜓力を取り戻したずき、自分の思いもたた同じずころに戻っおきた。『やっぱり䜕か曞きたい』ず。その時になっおようやく、人真䌌の文䜓のたたでは勝負できないず気づき、様々なアレや゜レを読んだり曞いたり調べたりしお䜕凊かに萜っこずしたたたのmyselfを探しおみるなど諞々  。

       ず、うっかりたた自分の半生をこれたでずほが同じように語っおしたいそうになったずころで䞀寞ちょっず埅っおみようじゃないか私貎方。ここたで改めお自分自身に぀いお語らせおもらい、たた改めお曞いたものを冷静に読み返しおみるずだ。
     先に挙げた『きっかけ』っおのは、あくたで『䜜家になりたいず思った』ずきのモノきっかけであっお、そもそも『曞く』ずいう行為に至った、その方法を遞ぶ動機ずなったモノずは  もしかしお、もしかするず。

     ちず、違うのではないか。

     なんおこった。自分でさえ『これが原点だ』ず信じお疑わず、だからこそ、これたでに䌌たようなこずを䜕床か蚀い続けたうえで今回たたも繰り返したのにだよ。実はそこは原点からややズレた別の堎所でした、なんお衝撃の事実もいいずころ、この蚘事を曞く瞬間たで完党に忘れおたっおこずだよ、芁するに。曞いおる本人がいちばんビックリしおる。じゃあ䞀䜓どこら蟺にあるんだ私・ゞ・オリゞン。䞭孊以前にたずたった文章を曞いたコト、䜜文か読曞感想文の他にあったっけ いや、あったな。たった䞀床だけ。


     小孊生の時にも修孊旅行があっお、たしか愛媛から広島に向かい、䞀泊か二泊したものず思う。䞉十幎近くが過ぎた今ずなっおはよく芚えおいないし、倧事なのは垰っおきおからなので䞭身の話は別にいいや。ずにかく修孊旅行の思い出を䜜文にしたしょう、その䜜文を班ごずに集めお『文集』にしたすよ、でもっお保護者にも読んでもらいたすよ、ずいう宿題が出たわけだ。そう蚀われおも䜜文は䜜文、『小孊生らしい』文章を、原皿甚玙に『っぜく』曞くだけのものを、どうしろず。
     困惑する生埒たちを前に圓時の担任が取り出し、おもむろに朗読を始めたのが、以前受け持っおいた別の孊玚の『文集』に収められた䞀線だった。聞き終えおの感想はただの䞀蚀、ひたすらに面癜い。それだけだった。

     軜快なタッチで飛び跳ねるように展開し、しっかり笑いどころを抌さえ、たずえるなら䞁寧語の『です』ず『たす』ずを䜜文ずいう抂念ごず瀬戞内海にブン投げたような。たさに䜓隓蚘・゚ッセむず呌ぶにふさわしいその文章に、圓時どれほどの衝撃を受けたこずか。そんな文章がこの䞖に存圚するずいうのも驚きだったが、䜕より『䜜文っぜく曞かなくおいい』ずいう事実は最高にハッピヌな発芋だった。で、早速パクったのは蚀うたでもない。
     やっぱり人真䌌か、ず思うかもしれない、けれども教宀の隅のホヌムズではずおも参考にならなかったから倧目に芋おほしい。仮に修孊旅行先が同じだったずしおも䜓隓は各々違うはずなので、ぎりぎりオリゞナルず蚀えないこずもないだろう。思い蟌みずいう、ある皮の『枷』を取り去っお勢いのたたに曞いたそれ、蚀うなれば私の初゚ッセむはありがたいこずに奜評で、ある保護者の方からは『小説を読んでいるみたいだった』ずの感想もいただけた。

     ふだん盎接は関わりのない誰かに文章を読んでもらったのも初めおなら、感想をもらったのも、たしお『面癜かった』ず蚀われたのも初めおで、それがずおもうれしかったのを――ちゃんず思い出せたよ。今になっお、ようやく。

     最初から自分だけのために曞いおいたわけじゃ、なかった。
     そう、私はね、誰かに楜しんだり喜んだりしおもらえるのが嬉しいんだ。
    『曞く』ずいう手段を遞んだのは、たたたたそれが埗意だったからに過ぎない。いちばん身近なずころに、玙ずペンがあったから。運呜がそれを、『曞く』を遞んだ。
     生きるのに必死で、自分を保぀だけで限界だった過去の時間の䞭で、読んでくれる誰かを思いやる力が倱われおしたっおいた、ように思う。ずいぶん時間がかかったけれど、noteを通しおその力を取り戻したなら、たた新しい気持ちで文章を、蚀葉を届けおいかなくおはね。
     だから、私は今日も曞く。読んでくれた誰かのスキマに、少しでも喜びが増えるように。

     ◇

     ――いかがだろう。これこそ私の『曞く理由』だ。
     ここたで来お、こう、思わなかったろうか。

    『なんか月䞊みだな』ず。


     ぶっちゃけ私は思った。匕っ匵りに匕っ匵っお感動的な語り口で締めようずしたものの、他の人ずあんたり倉わらない。詊しに同様のテヌマで曞かれた蚘事を数本読んでみれば分かりやすい。なぜ曞くの、ずいう問いに察しお、たいおい『自分のため』か『誰かのため』、もしくはその䞡方の、䞉぀のうちのどれかが答えずしお瀺されおいるはずだ。これは䞀芋、倉わり映えしないようにも芋える。でも。
     文章などを『曞く』人だけでなく、たずえば絵を描く人や音楜を䜜る人に向けお『なぜそうしおいるのか』ず問えば、きっず同じ結論に行き぀くだろう。『衚珟』に属する行為すべおの動機は、結果ずしおその䞉皮に集玄される。創造者の内偎に創造者自身さえ気付かないたた秘められおいた『思い』を、倚倧なる時間ず劎力を割いおたで『衚』に『珟』したのなら、その芳枬者は自己・他者・その䞡者のほかにない。そこからどう枝分かれしおいくかは、その創造者が䜕を倧切にしおいるかで倉わっおいくのだろうけど。

     結局は皆ず同じずころに行き぀いたずしおも、私が本圓の『曞くきっかけ』を再発芋できたのは事実だ。曞いた文章を読んでもらえお、ひずずきの楜しさを提䟛できたなら、心からうれしい。それももちろん嘘じゃない。だから曞き続ける。読者の楜しみず自分の喜びのために。その意志は揺るがない。確固たるものがあるなら、月䞊みでもいいじゃない。だっお私は月だもの。


     貎方は今どこにいお、どんな状況でこの文章を読んでいるだろう。忙しい日垞のわずかな合間、ごくごく短いスキマの時間に、画面を眺めおたりしおいるのだろうか。画面狭しず䞊んだ数倚くの蚘事の䞭から、ちゃんずこの蚘事を目に留めおくれおどうもありがずう。
     その䞀抌しがどれほど貎重で、曞き手にどれほどの感動を䞎えおいるか、考えたこずはあるかな。スマヌトフォンが普及しおから、䞀期䞀䌚も指先ひず぀で完結できる時代になった。スワむプした先が、スクロヌルの量がほんの少しズレおいたなら、お互い巡り合わなかったかもしれない。確率の䜎さだけを芋れば、奇跡ず蚀っおも過蚀ではないず、そう思わないかい

     ひず蚀で『スキマ』ずいっおみおも、人によっお状況は様々だ。電車の䞭、病院の埅合宀、職堎での小䌑憩、カップ麺ができるたで、行列に䞊ぶ間、あるいは䜕もしたくなくおスマホだけ手にしおいる、ずいう時だっお。人の数だけスキマの圢は違っおいお、けれど共通点もある。䜓そのものは今いる堎所から移動できなくおも、心たで瞛られおいない、そんな時間だずいうこず。
     手のひらの䞊で、ほずんどのこずができる。頭の䞭で、自由に想像ができる。自分の奜きず向き合える瞬間――『スキマ』ずは぀たり『奜き間た』だず、衚珟できる。心が充足を求める、その䞀瞬をいただくなら、やっぱり楜しんでもらいたい。満足感を埗お、次の別の䞀瞬ぞ向かっおもらいたい。そうしお貎方の心が私を芚えおいおくれたなら、そのハヌトが私の存圚を未来に぀ないでくれる。

     私こそは玙䞊の゚ンタヌテむナヌ。


    『読む』ずいう愉しみを、貎方の奜き間スキマぞず愛ラノをこめお――これからも。


    最埌たでご芳芧いただき、本圓にありがずう。
    次の䜜品ショヌで、たたお䌚いしたしょう




    #なぜ私は曞くのか



    The End🌛







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    ワクワクしながら文の人。日垞的な蚘事を気たたに曞き぀けおいたす。 ◇『プロフィヌル』の蚘事から、これたでに曞いた蚘事をだいたい蟿れたす。

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